第5話:神聖騎士団突入!教会での籠城戦とルチアーナの悪魔の火薬
教会の地下――そこには、古い文献と、謎の石碑が眠っていた。
「我、罪により神の座を追われし者なり。世界の理は歪められた」
石碑に刻まれた言葉。そこに記された文様は、俺の前世の“マフィアの紋章”と酷似していた。
「……これは、偶然か?」
この世界と俺の前世の“裏社会”に、何か繋がりがあるのか――?
まだわからない。だが、直感が叫んでいる。
“この転生は、仕組まれていた”。
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そして夜――聖騎士団が動いた。
リーダー格のヴァルトは、信徒を装い教会へと潜入。
ヴィスコンティが気配に気づき、俺たちは瞬時に“籠城”体制に入った。
「ルチアーナ、準備は?」
「全部できてる。“入口爆破式神罠”と、“紅蓮魔導雷管”。あと、“起爆式説得装置”」
「説得装置……?」
「爆発で会話を終わらせる。合理的」
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戦闘は凄惨だった。
教会の古びた回廊が爆炎に包まれ、聖騎士たちは呆気に取られたように崩れていく。
だが――そこに現れたヴァルトの剣は、“魔法”ではなかった。
「これは……“秩序干渉剣”!? 魔法障壁を斬り裂くなんて!」
リゼリアが叫ぶ。
その剣は“神の秩序”に由来し、普通の魔導では防げない“概念干渉”の力を持っていた。
「なるほど……お前が“秩序”の剣を持つなら、俺は“混沌”の銃を握るしかねぇな」
俺は、地下で見つけた“紋章の刻まれた銃”を手に取った。
撃鉄を引く。だが、この銃にはまだ“弾”がない。
これは“契約”の武器――。魂と引き換えに、世界の理を砕く鍵。
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教会の壁が崩れ落ちる。
そこで、ヴァルトと俺が対峙したとき――
突然、ルチアーナがヴァルトを見て、震えた。
「……この人、知ってる。昔、私を“実験”した人間……」
「ほう? 君、生きてたのか。あのプロジェクトの“唯一の成功体”が」
「……やっぱり。神の剣なんか持ってても、人としては最低だね」
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彼女の正体が明かされる。
“旧帝国”が行っていた“魔導兵器化プロジェクト”――
その実験体こそ、ルチアーナだった。
なぜ彼女が今生きているのか。
なぜ、その記憶を失っていたのか。
そして――なぜヴァルトが、その存在を“神に仕える騎士”でありながら秘匿していたのか。
全てはまだ闇の中。
だが確信した。
この世界には、“神聖”を名乗る何か、もっと歪んだ“裏の秩序”がある。
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「俺はな……“秩序”なんて信じねぇ。“家族”を守る力が正義だ」
その言葉に、ヴィスコンティは黙って剣を構えた。
リゼリアは、何かを飲み込むように唇を噛んだ。
そして――ルチアーナは静かに呟いた。
「……私も、守られたの、初めてかも。なら……使って。私の“破壊”を」
神聖と異端。
正義と犯罪。
命と契約。
“マフィア”の価値観が、この世界に揺らぎをもたらす。
――やがて、その揺らぎは、神の座す“天上”にまで届く。