第19話:理性の盾、感情の刃
アクリアの夜明けは近づいていたが、平和とは程遠かった。
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クロノ=エイスは自身の研究室で、一枚の古びた写真を見つめていた。
そこにはかつての友人、そして理想が写っている。
「なぜ、私たちはここまで来てしまったのか……?」
彼の内心には、激しい葛藤が渦巻いていた。
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アルドはルチアーナ、ミレイアと共に、エラッタの秘密基地へ向かっていた。
「理性を押し付けるだけでは、真の平和は築けない。
感情を認め、共存させることこそが未来への道だ」
彼の言葉は、揺るがぬ決意を帯びていた。
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秘密基地の奥深く、エラッタのリーダー、セリスが待ち構えていた。
「ようこそ、“選ばれし者”たちよ。
ここであなたたちの理性と感情を試そう」
セリスの目は鋭く、しかしどこか哀しみを宿していた。
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戦いが始まる。
だが、それは単なる力のぶつかり合いではなかった。
理性と感情、秩序と混沌がぶつかり合う、精神の戦場だった。
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戦いの最中、クロノは自らの真実を告げた。
「私はかつて、感情に囚われた者だ。
だが、それを超え、理性と感情を統合しようと決めた」
その言葉は、双方の戦意を揺るがせる。
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アルドは懐中時計を掲げて叫んだ。
「時間は止まらない。俺たちも止まるわけにはいかないんだ!」
彼の声は、感情の力を象徴していた。
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戦いの果てに、選ばれし者たちは気づく。
“理性と感情は対立するものではなく、
人間の複雑な本質の二面である”と。
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新たな未来を模索し始めたアクリア。
だが、その先に待つものは、まだ誰にもわからない。
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