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はたらき人

作者: ぴゃまりょ

ふぅ…一息つかせてもらうよ。

ここまでよくやってきた。我ながら自分を褒めてやりたいよ。僕たちは今までよくやってきたよな?

いろいろな景色を眺めてきた。いろいろな苦難を乗り越えてきた。たくさんの恋もしたし、別れもあった。君はどうだった?楽しかった?僕の声は君に届いていたかな?


僕が生まれたとき…まぁ君が産まれた時でもあるけど、初めて僕が君に話しかけた時のこと覚えてるかな?全身が痺れた感覚と衝撃を。僕は覚えているよ。僕の声に君が反応していたことを。手足を強く動かしていたね。お母さんも驚いていたよ。

僕らはスクスク育ち、走り回っていたね。君の活発さについていくのが最初は大変だったけど、僕らは一緒に強くなった。かけっこで負けることなんてなかったね。転んで怪我をしたときは驚かせてごめんね。たくさん涙も流れて、僕も大変だったんだよ。

そういえば、あの子は今どうしてるかな?

初恋の相手。脳でよりも胸の中の僕で恋をしたあの瞬間のことだよ。心を掴まれて、全身に勢いよく血が巡る感覚。君の脳が理解したとき、僕もこれが恋なんだと知ったよ。


大人になったら、いろいろな環境や状況が僕たちを酷使して、毎晩疲れてベッドに倒れ込んだね。しっかりと食事もできない日が続いて、お酒やタバコにストレスを溶かして忘れようとした頃もあったね。翌朝の疲労は大変だったけど、あれはあれで楽しかった。でももうやめておこうね。

はぁ…少し休もう…。こんなこと言うと君は焦るかな…困るかな…怒るかな…慰めてくれるかな…。

80年も休まず働いたんだ。たまには僕のわがままも聞いてくれたっていいじゃないか。

70……65…62………55………48……39…30…18………。


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