国税庁監査の顛末
米米
下記のストーリーはインターネットに流布している話を中心にまとめられたフィクションである。各々の内容は事実であるとは限らない。
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ヤマト運輸が8F会議エリアに用意された会議室を別の階に移動していた。一年前に国税局の監査が投資銀行ダビデ・ブラザーズの事務所に入っていたが、今回の移動がこれで3回目だった。それもどんどん彼らの環境が悪化している。はじめは、受付の会議エリアの端にある外部訪問者用の会議室だった。<一室だけ奥にある隠れ部屋の会議室だった。>
次は財務部専用の会議室に移動となり、今回は新たにオフィスをリノベーション中のエリアの一画に移動することになったのだった。
庶務マネジャーの荒井は、財務部税務課の小島さんにお聞きした。
「こんな場所に移動してもらっしゃっていいのですか?」<監査に悪影響があるかもしれないと心配しての発言だった。>
「いいんですよ。彼らのやっていることはあまりにも酷すぎますから。」
憤慨している小島さんが、荒井の方ではなく真正面を見ながら答えてくれた。
荒井は、業者に作業を続けてもらい。ダンボール箱を10箱移動してもらって、作業を終えた。
庶務部員が、微妙そうな話に首を突っ込んでも仕方ない。でも国税庁にあんな対応でいいのだろうかと心配した。
数ヶ月後に、国税庁は静かに撤退していった。
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上層部が騒がしくなっていた。
国税局から、ダビデ・ブラザーズに約120億円の追徴課税が発表された。日経新聞にも記事が掲載された。世の中の普通の会社なら、そのまま倒産してしまうかもしれない金額である。ダビデにとっても痛い金額ではある。でも、悲惨さを醸し出しているようには、荒井には感じられなかった。国税庁はなんて奴らなんだというムードに満ちていた。追徴課税の金額は、すぐに現金で国税庁に納付された。そして、不当に徴収していると裁判所に訴えでた。
日本人の社長が、ちゃんと接待したのかよとか叫んでいたが、そんなことはどこ吹く風で、裁判での戦いに邁進していた。
荒井は、オカミに逆らって、どうにかなるのだろうかと思っていた。
❸
毎月2回、山王ビルで日米合同委員会が開かれる。日米合同委員会では、米軍5名と官僚(財務省2名、通産省1名、外務省1名、防衛省の制服組1名)が出席する。この委員会は米国の要望を官僚が聞いて、具現化するのが目的である。元首相も、この委員会のことを知らなかったという曰く付きの委員会である。日本は国会ではなく、官僚が動かしている国であるという象徴でもある。
❹
米国投資銀行の追徴課税の議題があがった。
「ダビデの追徴課税について、簡単に説明していただけますか。」米軍のホールデン少将が、発言した。
アジェンダにも明記されていないし、事前の個別説明もされていない案件でもあったので、官僚たちは沈黙した。
「失礼しました。次回にでもアジェンダに上げてもらえませんか?簡単に説明をお願いします。」本当はすでに承知しているんだろうとホールデンはそう思いながら、静かに言った。
官僚たちは、体を小さくして下を向いた。
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次回の日米合同委員会では、ホールデンは落ち着いて発言した。
「ご説明ありがとうございます。この件に関しては、日本政府と裁判所に善処をお願いします。」官僚たちは、「はい」とも言わず、黙って頷いた。
官僚たちは、法務省にすぐに相談しないといけないと思いながら。
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ダビデの判決が下った。追徴金の他にその期間の利子もダビデに支払う判決となった。国税局の全面敗訴である。監査に参加した局員と監査の責任者は、次の人事移動で地方に左遷された。
ダビデでは、役員と関係者の間で祝宴が開かれた。
祝宴中に法務部のトップは、宴席をぬけて、本社の上司に「ありがとうございました。」と電話で報告した。
❼
横田基地にて米軍の司令官が、ホールデンに吐き捨てた。
「彼らはまだ分かっていないのか?自国が植民地であるということを。裁判になったら、公正に裁かれるとでも思っているのか?!」
「恐れ入ります。この件は一部の者の勇み足です。裁定取引でボロ儲けしているから、愚かにも、喝を入れに行ったらしいです。(なかなか浸透は難しいとは思いますが、判例で対応するしかないかと。)」ホールデンはそう答えるしか無かった。世の中に無駄な作業はつきものである。でも上院議員は、この投資銀行に恩を売って、金銭の恩恵を受けることができたのは確実だと思った。
米米
下記のストーリーはインターネットに流布している話を中心にまとめられたフィクションである。各々の内容は事実であるとは限らない。