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3. 共闘

 馬を走らせ、今も前線で戦ってる仲間達がいるところまで、一直線で向かう。こうしている間にも、負傷者は増えているはずだ。死者もーーー


 可哀想だが、鞭を打って馬をより早く走らせる。

 前線に近づくにつれて、戦いの騒音が聞こえてくる



「ーー到着。包帯と傷薬の補給に参りました! 医務担当の方はどこでしょうか!!」


「やっと来たか!! こっちだ!! 早く持ってきてくれッ!」  


「今持ってきます!」


 呼ばれた方へ向かい、包帯と傷薬の入った袋を手渡す。


「ありがとな」

「······負傷者の数、なんか多くないですか」

「··········劣勢だよ。敵の数が予想を遥かに超えてたんだ。そのせいで想定外の負傷者か続出して、応急措置の道具が足りなくなったんだ」


 ここからギリギリ視認できるくらいの場所でルイス達が戦っている。大丈夫だろうか。負傷者たちをざっと見渡した感じ、ルイスはいなかったから大丈夫だと思いたい。


「ーー俺が加勢します」


「!? そりゃあ助かる、けど戻らなくていいのか? お前さん王都守護部隊だろ?」


「いいんです。元からそのつもりでしたし、団長の許可も得てますから!」


「お前さんみたいな実力者が加勢してくれればこちらとしてもありがたい。死ぬなよ坊主!!」


 そう言って医務担当の傭兵が、バシンッと背中を叩いてくる。


 それに対して笑顔を返してから、私はルイス達仲間が戦ってる所へ走って向かった。




ー ー ー ー ー ー ー 



「イーエルズ王国傭兵団所属リュアン、ただいま加勢に入る!!


「は!? リュアン!? っとうわッ!」


 私の加勢宣言に、敵兵の攻撃を避けながらルイスが真っ先に反応する。


「戦友が前線で戦ってるっつうのに俺だけ向こうで敵を待ってるなんて柄じゃないんだよッ! 前回みたいにやろうじゃないか!!」


「・・・・・まあ来ちゃったもんはしょうがない。行くか!」


「あぁッ!」


 敵の攻撃を躱し時々こちらからも攻撃しながら、ルイスと会話する。


 前回、私とルイスは、ルイスが自慢の大振りな剣で敵の目線を惹きつけ、ヘイトを集めている間に、私が自慢の素早さで敵の首をカットしていくという戦闘スタイルを取っていた。

 前回みたいに、というのはそういうことだ。と言っても、ルイスが1人だけでも注意を引いてくれれば、あとはこちらのもんだ。何せ、ルイスが惹きつけるのは、敵の長だからな。




ー ー ー ー ー ー ー



「あんたが長か? お前たちのものになるはずだった敵地で死ななければいけない気分はどうだ!? 勝利するのは我々イーエルズだッ!! 頼もしい相棒が来たからなぁ!?」


「はっ! 相棒だと? あんなよわっちい男が相棒とはイーエルズ兵も堕ちたものだな!」


「ふんッそう言ってられるのも今のうちだぞ」


 剣を交わしながらルイスが敵を煽る。それに対して特に動揺することなく煽り返す。が、突如、その余裕が崩れる。


「うわああぁぁぁ!! 我々はもう終わりだあああ!! だんちょーーーッ」


「ターロス!! ッどうした!?・・・・・貴様ッ何をした!?」


「何をしたって・・・・俺はずっとここであんたの相手してたんだから何かできる訳ないだろ? ふはっ! そんなこともわかんないのか!? ラトニア軍も堕ちたものだな、長がこんなことで取り乱すなんて」


「なんだと!! ではなぜターロスがあんな取り乱してるんだ!! 貴様らが何かしたから意外にないだろうッ!?」


「おーおーターロスが誰か知らんが、貴様らって自分で言ってるじゃないか。団長サマも少しは周りに目を向けたらどうだ?・・・まぁ目を向けたところで全てが終わってるだろうがな! ははは!」


「なんだとッ!? 我々ラトニア帝国が負けるはずなーーーー」

「さよなら、ラトニア帝国に栄光あれ!」


ザシュッ!


 団長と呼ばれていた男がルイスに煽られ、さらに言い募ろうとしたが、その言葉が紡がれることはなかった。


 突如耳元にかけられた言葉とともに、気付いたら男の首は宙に舞っていた。


 ーーーその顔に、驚きの表情を残して。




ー ー ー ー ー ー ー



「ーーなぁリュアン。最後なんでああ言ったんだ?」


「え? あぁ、あれか。俺が殺してまわってる間に、俺が首を刎ねて殺したヤツももちろんいるんだけど、途中から取り乱したというか、発狂したみたいに『ラトニア帝国に栄光あれッ!!』って叫びながら、首を掻っ切って自殺する連中が出てきたんだよ。だからなんか意味があんのかと思って言ってみたんだが・・・・・ビンゴかもしれないな。まぁそのおかげでだいぶ手間が省けたけど」


「発狂したように、『ラトニア帝国に栄光あれ」と叫んで、死んでく・・・・・なんだろうな。とりあえず帰ったら報告しよう」


「あぁ」


「それよりも、その全身から滴り落ちてる血をどうにかしろよな。

そんなんだから悪魔とか呼ばれるんだぞ」


 そう言いながら、ルイスがタオルを渡してくれる。


「わかった今拭くよ。サンキュ。てか、この男の首は持って帰るとして、他の奴らの生首と死体はどうするんだ?」


「そのままほっといていんじゃないか。清掃担当が綺麗にしてくれるだろう」


「了解。・・・・・さぁて帰るとするか。 っとその前に。ーーー野郎どもッ!! 我がイーエルズ兵の勝利だーーー!!!」


「「「「「うぉぉぉぉぉーーーーー!!」」」」」


 男たちの野太い快哉の叫び声が響き渡る。といっても、これで終わりではない。今回、ラトニア帝国のイーエルズ王国王都への侵攻は軍の壊滅によって失敗となった。なので、一旦向こうは手を引くだろう。だが、流石に二度侵攻に失敗すれば、いつかはわからないが、次はさらに慎重に準備をして再び攻めて来るだろう。


 その時になれば、またルイス達仲間と戦うだけだ。


「・・・・・王都に帰るか。」


「だな。リュアン、愛してるぜ! 俺のために駆けつけてくれるなんてな!」


「ば、ばか言うなよっ! だいたい男に愛してるって言われても気色悪いだけだっ!」


「ははは照れんなって」


「照れてないっ!」


 時々ルイスはこうやって私を揶揄ってくる。戦友でも、私の本当の性別は女だから、愛してるという言葉におふざけでも、ドキドキしてしまう。


 私たちは時々じゃれ合いながら帰還の準備をして、馬に乗って王都へ向かった。

戦争のこと全く知らないなりに想像で書いてみました。間違ってる、こんなこと戦場ではしない、あり得ないなどのことがもしあったら、教えていただけると嬉しいです。参考にしたいので。


ちょっぴり恋愛要素も入れたいですね、、、なので最後に入れてみました! フラグ? フラグかな?


面白い、続きが気になると思っていただけたら、ブクマ、評価よろしくお願いします!

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