23.2人目のパートナー
「教会に行けばいるはずだよ、早く行ってやりな。」
ソフィアさんが呆れた様に言う。
私は最初の教会という言葉を聞いた瞬間に、ソフィアさんの家から飛び出した。
「【影魔術】と【光魔術】の同時発動を出来るようにしてきな! 出来る様になればやっと幻術師としての第1歩を踏み出せるさね!」
ソフィアさんは窓から顔を出して言う。
「はい!」
返事をした瞬間に、私は路地裏に移動していた。
〈称号「試練を乗り越える者」を贈与します〉
〈称号「反逆者」を贈与します〉
私は何か聞こえた気がしたが、教会へ急いだ。
敏捷が低い私は何分もかかってしまったが、ようやく教会に着いた。そこには床に座り込んでいるベリアルがいた。
「ベリアル〜!!」
私は見つけた瞬間に名前を叫ぶ。ベリアルも私に気づいた様で私に向かって飛んでくる。
(スプリング〜!!)
ヒシッ
ベリアルは私の胸に飛び込んできた。
私達は周りの目を気にすることなく抱きつき、ベリアルの手を掴んでクルクルと回る。感動の再会だ。もう離さない。
「ごめんねベリアル。私のせいで…。」
私がそう言うとベリアルは言った。
(俺が守りたかったから守ったの! 気にしないで!)
見ないうちにこんなに大人になって…!!
私は目頭が熱くなった。
(スプリング〜。僕のこと紹介して〜。)
ソーマはそう言うと私達の周りを飛ぶ。
(お?)
ベリアルはソーマを目で追いながら不思議そうな顔をしている。
「あ! ごめんごめん! ベリアル、この子は新しい仲間のソーマだよ! 仲良くしてね。」
(こいつって…あのモヤモヤ? 危なくない?)
ベリアルはソーマを訝しげに見る。
「大丈夫だよ! もうちゃんとお話もできるから!」
(あの時はごめん…。)
ソーマがベリアルに謝る。
(うーん。)
ベリアルは腕を組み、唸っている。
…しょうがないなぁ。
「ベリアルは心が広いからなぁ。先輩なんだから、許してあげるだろうなぁ。」
私はベリアルにギリギリ聞こえる様に呟く。ベリアルの耳がピクピクと動いている。
(次はないんだからな! あとお前は後輩なんだから俺の言うこと聞けよ!)
ベリアルはそっぽを向きながら言う。
(うん!)
ソーマは小刻みに揺れる。
ソーマはベリアルの後ろについていく。
ふふっ、よかった。仲直りできたみたいで。
2人は色々と話し合っていた。何を話してるかは分からないけど、楽しそうにしていたので2人が話し合いをしてる間に、自分のステータスを開いた。
名前: スプリング
種族: 人間(炎に認められし者)
レベル: 2
職業:幻術師
体力: 10
SP:600 (+500)
ステータス:
力: 0 防御: 0 敏捷: 5 魔力: 240(+150)
幸運: 5
状態: 普通
スキル
【魔力制御】Lv2 up
【影魔術】Lv2 up
【光魔術】Lv1 new
【鑑定】Lv2 up
【浮遊】Lv1 new
加護
魔の加護
称号
『初ユニーク攻略者』
『初ユニークを手にする者』
『試練を乗り越える者』new
『反逆者』new
装備
武器:『混迷の幻惑書』
防具:『月影の衣』
アクセサリー:「評判の指輪」
:「月光花」
スキルレベルが上がってる! あと【光魔術】以外にも【浮遊】を覚えてる! これはソーマのおかげかな? 私浮かべるの!? テンション上がる! 私は手を上下に振る。忘れてたけど、この『月影の衣』!これってずっと着てられるんだ。
あとは称号!これも【鑑定】してみよう!
『試練を乗り越える者』…危機的状況で試練を乗り越えた者に与えられる称号。
『反逆者』…ある者に敵対した者に与えられる称号。レベルが上がりづらくなる。しかし敵対した者に微小ながら畏怖の効果を与える。
『試練を乗り越える者』の方はただの称号。問題はこっち。『反逆者』ですか。私何かしました? 敵対した者に畏怖の効果ってのは良い。でもレベル上がりづらくなるって酷くない? 私って多分他の人より進むの遅いよ。それなのに…。
私は少し落ち込んだ。
「ベリアル、ソーマ、行くよー。」
数分後私の気持ちが立ち直ってきたところで、2人が遊び始めたので声をかけた。
((はーい!))
2人は私の頭の周りを飛ぶ。
やっぱり精神年齢が近い友達がいたら楽しいそうだなぁ。ベリアルが先輩ぶるのとか可愛かったなぁ。ソーマも表情とかは分からないけど、行動と声のトーンで分かるんだよなぁ。
癒し2倍だわ、これ。
(スプリング! 何処行くの!?)
ベリアルが私に聞いてくる。
(楽しい所ですか!?)
ソーマは多分、声のトーン的にウキウキしてる。
「そうだねぇ。まずはあそこに行こうかな。」
〜冒険者ギルド〜
「この依頼を受けます。」
私は受付嬢の前の机に依頼書を出した。
「ひぃっ!!」
受付嬢は私の依頼書ではなく、ソーマを見て驚いた声を出した。
(このお姉さん、僕のこと嫌いなの?)
ソーマが悲しそうな声を出す。あぁ?ソーマ悲しませてんなよ、と思った私は受付嬢に気付かれるような大きな声で
「依頼受けます!!」
と言った。
すると今度は私の顔を見て驚いた表情を浮かべる。
「ひ、ひつ礼しました。」
…受付嬢はもうカミカミである。そんなビックリさせちゃったんだ。周りも静かになってるし、ちょっと声大きすぎたかなと私は反省する。
「あ、す、スライム討伐の依頼は常駐依頼なのでここまで持ってくる必要はありません。」
受付嬢を噛みながらも、一生懸命話す。
そうなのだ、今の私はお金がない。強くもなりたい。その両立が出来るのがこの依頼だったって訳だ。
「ではその討伐の証明とかってどうするんですか?」
私は聞く。
「そ、それは冒険証に記されるので大丈夫です。」
受付嬢の顔は今にも倒れそうなぐらい青褪めている。あれ?そんなにビックリしたの?
なんか…可哀想になってきた…。
流石に倒れられでもしたら私のメンタルが…。
「あー、分かりました。ありがとうございました。」
私に皆んなの視線が刺さる。ど、どうしてこんな事に…。私は刺さる視線から逃げる様に、ギルドから出た。
「…。」
パラッ
私は知らない。
1つだけ気づかなかった視線があった事に。
少しでも面白いと思ったら『ブックマーク』『評価』『感想』よろしくお願いします!




