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トリニティスイーツ始動

「――さっきは本当にごめん!」


「私も言い過ぎちゃってごめんなさい」


「出過ぎたことをして、本当に申し訳ありませんでした」


 大金を手にしたヤマトたちが、広場にある噴水の前で立ち止まると、ラミィ、ハンナ、シルフィが頭を下げてきた。

 さっきまでの迫力がウソのようだ。

 ヤマトは照れくさそうにはにかみながら告げる。

 

「ううん、別にいいよ。もし、あのまま取引してたら、安値で買いたたかれてたかもしれないし」


「わ、私も後悔はしていません」


「シルフィの言うとりだよ。あのおじさん、ヤマトくんに対して凄い失礼だったし」


 シルフィとハンナの言葉を聞いて、ヤマトはなんだか嬉しかった。

 自分のために怒ってくれたと思うだけで、心が満たされるようだ。

 しかし二人とは違い、ラミィが神妙な表情で再び頭を下げた。


「本当にごめんなさい!」


「へ? いやだから、別に気にしてないって――」


「――違う、さっきのことじゃない」

 

「どういうこと?」


「少しでも君を疑ってしまったことだよ。まさか、私たちに採取系のクエストだけをやるよう言ったのは、これが理由だったとは思いもしなかった。君に任せると言っておきながら疑ってしまい、本当にごめん!」


「別に構わないよ。理由を説明しなかった僕が悪いんだし」


「ヤマト……」


 ラミィは顔を上げ、潤んだ瞳でヤマトを見つめた。 

 ヤマトは気恥ずかしくなって目をそらす。

 

「それにしても、凄い大金だよねぇ~」


「はい、100万ウォルは超えていますよね? なんだか夢みたいです!」


 ハンナとシルフィは、興味津々に巾着袋に詰まったウォル通貨をのぞき込んでいた。

 それを見てラミィは問う。


「でも、ヤマトはどうしてこの状況を早くに予想できたんだ?」


「情報を集めるのが少し得意なだけだよ」


 さすがに情報源を明かすことはせず、ヤマトはごまかそうとした。鳥と話せると言っても混乱させるだけだ。

 すると、両肩の上でポゥ太とピー助が自慢げに鳴く。

 それを見てシルフィは「可愛い」と頬を緩ませた。

 彼女がポゥ太の頭を撫でると、ポゥ太は気持ち良さそうに目を細める。


「ヤマトくんは、いつも小鳥ちゃんを肩に乗せてるよね」


「うん、友達なんだ」


「へぇ、なんか素敵だな」


「はいっ、ヤマトさんは素敵な方です。憧れちゃいます」 


 三人から羨望の眼差しを向けられ、ヤマトは頬を少し赤くしながらも、咳払いして話をそらす。


「さてと……ハンターとして活動していくのに十分な資金は調達できた。ハンターに必要なのは金だ。でも、まだ焦っちゃいけない。今の相場が落ち着きを見せ始めてから、僕たちの新たな戦いを始めよう」


「「「はい!」」」


 三人は活気に満ち溢れた表情で頷いた。


 そしてそれから一週間、地道な準備をしながらも極力出費をしないよう耐えに耐え、ようやく疫病の特効薬が開発されるに至った。

 それにより、ヴァルファームを始めとした資源国で経済活動が再開し、資源価格は下落して安定。

 トリニティスイーツはついに動き出す。


※↓のご協力お願いしますm(__)m


読者様の本作への印象を知りたいので、広告の下にある☆☆☆☆☆から作品の率直な評価をお願いしますm(__)m


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