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金色に輝くそれは

【あきらめたらそこで試合終了じゃよ?】


その言葉を認識した瞬間、

俺は色のない世界にいた。

殴り飛ばされている自分の姿が見える。

何が起こったかわからないでいるタウロ君が見える。

そんなタウロ君を逆の手で殴りかかろうとしているゴリラ野郎が見える。

ただ、全ては彫刻のように動きを止めていた。




【ほれ、徹君や。】


あなたは、神様ですか?

直感的に答えた。たぶんそうなんだと思った。


【そうとも言えるなあ。君たちの世界の言葉ではそれが一番しっくりくるじゃろう。】


何故呼び止めたのですか?きっと僕らはこのままここで終わりなのに。

力のないものが力のあるものに蹂躙される。

この世界では必然のことだと、もう理解をしていた。


【ふぁっふぁっふぁ。だからいうとるじゃろうに。諦めたら終わりじゃよ?ってなぁ】


でも、僕らはこのモンスターに勝てる実力は無いじゃないですか。

それをどうやって諦めるなというんです?


【ふむふむ。どうやらあちらの伝達者は仕事をさぼったようじゃな。

 本当なら、意識が覚醒する前にちゃんと説明するんじゃがのう。

 さて、徹君や。今更ながら転生してもらった君へのプレゼントじゃ。】


今から何か力を授けてくれるんですか?

というか、さぼったってどういうこと?


【いんや、これは元々徹君が持っていた才能をただ高めただけのものじゃよ。

 まぁさぼったのは後でわしからお説教をしとくでなぁ。

 さあ、唱えてみるのじゃ。《解放》と!】


悩むまでもない。

今は力がほしい。

大事な友達を守る力が。

生き残るための力が。

これ以上かーちゃんを悲しませないためにも。




「解放」

目が開けられなかった。


まばゆい光を伴って現れたそれは、

双頭のハンマーだった。

それは身長ほどもあり、相当に大きかった。

だが、重さは殆ど感じられない。


いつの間にか、吹っ飛ばされていたはずなのに、

しっかり地面に立っていた自分の手にシックリ馴染む重さであった。


ナグリの部分には獅子の刻印とバラの刻印が施されており、見た目にも格好良く、

ナグリの先端には肉球を模した凹凸が作られていた。


持ち手の部分は約1メートルほどで、握りやすい太さであり、

ナグリとは逆の端にはピック状のものが付いていた。



「ハンマー、か?」


正直、ハンマーを武器として使ったことはない。


でも、今はできる気しかしない。



いや、やるのだ。


突然光った俺に向かってゴリラ野郎は目線を外してこない。

タウロ君なんか眼中にない様だ。

それはありがたい。


今は、試したい。

この、ハンマーを!


「らぁぁぁぁあぁぁぁ!!」


気合一閃。片手でハンマーをぶら下げ、弾丸のように飛び込む俺。


近づく瞬間に空中でバランスを変え、奴の足元に降り立つようにする。

このタイミングで持っているハンマーも強引に軌道を変えるとどうなるだろう。


ほぼ直角に振り下ろされる形となるハンマーが奴の顔面を襲った。



『グアァルルアアァ!』


寸でのところで頭部への直撃を避けた奴だが、

左肩に当たったようで、相当に悶えている。

当たったであろう肩を見ると、陥没しているようにも見えるところからすると、

俺自身には武器の重量が軽減されるような特別な仕様なんだと思う。


『ガァァァァァ!』



気合の咆哮をあげ、今度は相手から迫ってくるようだ。

左肩が痛むのか、最初ほどスピードは感じられない。



いや、むしろ、




「遅い!」


カウンター気味に合わせた右スイング。

何度もボックウサギにやられたタイミング。体で覚えている。

きれいに顔面に合わせ、振り抜く。


一瞬何かラグのような間があった気もしたけど、とりあえず気にしない。



振り切った先を見ると、岩山にめり込むアーマーコングが見えた。





「ふう。」



一息つくと、頭の中に、仕舞うときは解除じゃよーという声が聞こえた気がした。





「解除」


手元にあった金色のハンマーは光の粒子となって空気へ混じって消えていった。


でたー!ハンマー!

やっぱりハンマーとかドリルとか男の子は大好きです。

金色のハンマーとかね、

某GGGのやつとかね!

ひかりになーれー!ってね!ね!


タウロ君はここでは空気ですけど、

ちゃんと疲れ切ったトールを家まで連れて帰ってくれるっていう

とってもいい子です。

いらない子じゃないですよ!


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