大斗の童話 「黒い鳥」
「黒い鳥」
一人ボッチの鳥が池に自分の姿を映して泣いている。
すると・・・
池の女神様が出てきて尋ねます。
「どうして泣いているのです?」
一人ボッチの鳥は、泣きながら答えます。
「皆が、僕を汚いっていじめるの・・・
皆が、僕を馬鹿だっていじめるの・・・・
皆が、僕のこと弱虫だっていじめるの・・・
だから・・・死んでしまいたいの・・・」
っと、ポロリと涙を流しました。
池の女神様が言います。
「お前は、どれほど泣きましたか?」
一人ボッチの鳥は、泣きながら答えます。
「数えられないぐらい泣きました」
池の女神様が静かに言いました。
「では、綺麗で、賢く強くなるように、お前が流した涙の数と同じだけ頑張ってみなさい」
「それでも何も良くならないなら、私が誰からもいじめられない魔法をかけてあげましょう」
一人ボッチの鳥は、とても喜びました。
それから、毎日羽を磨き、頭が良くなるように努力して、体も鍛えました。
毎日辛く厳しい訓練をして、もうやめたいと思った日を何度も何度も諦めることなく、乗り越えました。
女神様の言った。
流した涙と同じだけ頑張ってるか自分の心に聞いた時、返事はいつも、
『僕はもっと、もっと、泣いたという答えしかなかったからです』
それから・・・
黒い鳥は、賢く、濡れ羽色の美し羽を纏い、大きく立派な鳥になりました。
そして・・・ある日
気が付きました。
どんなに賢くても、どんなに美しい黒い羽をもっていても、体が大きくても、全てのものには好かれないのだと言うことに気がついたのです。
でも・・・もう彼をいじめる者はいなくなりました。
黒い鳥は、夕日に向かって、「カァーカァー」と大きく鳴きました。
おしまい♪