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アルテナの箱庭が満ちるまで  作者: 赤野用介@転生陰陽師7巻12/15発売
短編 天鎚戦争の共振

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短編 船頭多くして船山に登る

 8ヵ国が連合を組む『北部連合』は、現在人口955万人規模と周辺国で最大の勢力を誇る。


 元々は、領土拡大を図るリーランド帝国に対抗する為にラスティア王国、モルターリ王国、ベルトラン王国、ドラーギ王国の4国が相互支援条約を締結したのが始まりだった。

 それですらリーランド帝国に遠く及ばなかった4国は、ジュデオン王国を加えたより強固な軍事同盟を締結し、そこから『北部連合』を名乗り始めた。

 その後マルタン王国、アゴスト王国、アドルノ王国と加盟国を着実に増やし、現在へと至る。

 だが近年では、北部連合の意思統一の弊害が顕著となっている。

 彼らの意見が大きく割れ始めた切っ掛けは2つある。




 第一の理由。

 共通の脅威であったリーランド帝国がベイル王国に敗れ、北部連合もベイル王国に牽制され、両勢力間の戦争が不可能になった事。


 リーランド帝国が北部連合へ攻撃を行えば、それを許さないベイル王国がリーランド帝国の背後から襲い掛かる。

 北部連合がリーランド帝国へ攻撃を行えば、それも許さないベイル王国が飛行艦隊を用いて北部連合に襲い掛かる。

 そんな両勢力に睨みを利かせているベイル王国は旧3属国を間に挟んでおり、国境争いの当事者となる事も奇襲を受ける事も無い。


 見事にベイル王国主導型の『3すくみ』状態である。

 この状況を打開する為には、犬猿の仲の北部連合とリーランド帝国が手を組むしか無いのだが、両勢力が手を組めた時点で『リーランド帝国という共通の脅威に対抗する』という北部連合の結成目的が崩壊する。




 第二の理由。

 ベイル王国が獣人帝国側から神宝珠を回収し、人口規模を345万人から560万人に引き上げた事。


 『神宝珠を無暗に動かしてはならない』というのは、人類の不文律であった。

 過去には国王が神宝珠を勝手に動かした結果、動かした神宝珠どころか周囲の神宝珠まで加護を発しなくなった事もある。

 だがベイル王国は、回収した神宝珠の三分の二から加護を得る事が叶い、既存の神宝珠もどれ一つとして加護を失わなかった。


 これによって人々は、「獣人帝国相手ならば神々はお認め下さる」と誤解した。

 まさか『ベイル王国宰相が実は大祝福3の治癒師祈祷系で、その力によって神宝珠に詳細を説明出来た事』や、『協力者となった大神達による情報提供や口添えを得られた事』など思いつくはずも無い。

 そして各国の指導者が、それならば我が国も『神宝珠が欲しい』と考え始めたのだ。




 このように『リーランド帝国という共通の脅威に対抗する』から『神宝珠が欲しい』という目的に8ヵ国の思惑が変化した結果、北部連合は連合体としての機能不全が極めて顕著となった。

 なぜ機能不全に陥ったかというと、「騎士団に犠牲を出してでも欲しい」という方針の国と「無理の無い範囲で隙を伺おう」という方針の国があるだけで、連合軍としては動けなくなるからだ。

 だからと言って獣人帝国相手に1国だけで勝てるはずも無い。

 国益と犠牲が大きい為に妥協点を見出すのは困難で、連合各国に配慮を示した結果、ハインツ曰く「ろくでもない事」になった。


「それでは連合会談を開催する」


 集まった各国の代表に対し、ラスティア王レオナールが淡々と告げた。






 Ep09-33






「会談に先立ち、ベイル王国へ要請した『飛行艦隊』並びに『新騎士団』の派遣要請が正式に断られた事を報告する。1隻、1騎士も出せないとの事だ」

「勇猛果敢なイルクナー卿のお言葉とはとても思えませんな」


 誰がどう見ても王族か上級貴族にしか見えない一品物の服と装飾品を身に纏い、決して他者に媚びぬ態度でさらっと嫌味を言った40代前半の男は、モルターリ王国の王弟アスモ・モルターリである。

 兄王には成人した王子が2人居るため、彼の継承権は第3位。順当に甥が即位した暁には、彼は王家のモルターリ姓からハールスへと家名が変わる予定だ。


 もちろん元王族が路頭に迷う事は無い。

 即位した王と親しければ、それなりの役職あるいは名誉職が与えられるだろう。

 だが爵位貴族家の当主と成りたければ、自国内で男の継承者が居ない爵位貴族家の長女と結婚するしかない。しかしモルターリ王国では、婚約者の枠が空いている適当な該当者がいなかった。

 ならばリーランド帝国との戦争でモルターリ王国が獲得した第二宝珠都市モルチェでも与えてくれれば良かったのだが、そちらの席は兄王の息子2人のうち弟の方が得る予定だ。なにしろ都市モルチェを獲得したのは先王ではなく兄王の御代である。

 そこでそれら面倒な国内事情の行き着いた先が「新たな神宝珠獲得の暁には、アスモ・ハールスに宝珠格に応じた爵位を与える」と言う結論である。ちょうど王国の都市に隣接する廃墟都市もある。

 モルターリ王国としては、保有宝珠が増えるのであれば由である。一方で王弟アスモも、王位を得られない上は爵位と領土が望み得る最上位である。その様な事情から、彼は根強い主戦論者となっている。


「各国に轟いたせっかくの武名が、嘆いておるでしょうな」


 王弟アスモ・モルターリに追従する形で挑発するような物言いをしたのは、ベルトラン王国のレスター・クレランド大騎士団長だ。

 ベルトラン王国は軍国主義をひた走る国で、軍の発言権が強い。

 国策としては国軍の騎士を強化してやがて転生に至らしめ、既存の神宝珠へ力を補わせる。あるいは、新たな新宝珠を創り出させて都市を増やす。また騎士団が強ければ神宝珠を奪われず、逆に相手国から勝ち取ることもできる。

 それでなまじ成り立ってきたが故に、国策を容易に転換し難いのだ。


 そんな軍中心の国であるが故に、ベイル王国の飛行艦隊については並々ならぬ関心を寄せている。

 仮にイルクナー宰相がこの会談に出席していたならば、彼はいくらでも挑発してベイル王国軍の派遣を迫ったはずだ。

 そして派遣があった暁には、事前約束など忘れ去って如何なる理由を付けてでも飛行艦の技術や艦体の獲得を狙っただろう。


「交渉者の認識が甘かったのではないですか。確かにベイル王国はディボー王国やリーランド帝国を攻めていた獣人軍団長も撃破していますが、『だから北部連合にも手を貸すはずだ』と勝手に思い込むのは楽観に過ぎたのでしょう」


 モルターリ王国とベルトラン王国から一歩引いた意見を述べたのは、ドラーギ王国の第一継承権者であるベルノルト・ドラーギ王太子だ。

 彼は自国が利権団体から省かれるのを避けつつ、どう転んでも損を出さないように立ち回ろうと図っている。

 端的に言えばハイリスクは焦る立場の王弟アスモや好戦的なクレランド大騎士団長が背負い、ハイリターンをドラーギ王国が得られれば上々である。


「しかし、ベイル王国の力を用いる事が出来ないとなると作戦は容易とは行かなくなりますな」


 ドラーギ王国のベルノルト王太子に続いて白でも黒でも無い事を言ったのは、アゴスト王国のクレスターニ外務卿だ。

 アゴスト王国は北部連合内において唯一廃墟都市を1つも抱えておらず、神宝珠を獲得しても即座に置ける地を持っていない。

 また国土も獣人帝国から遙か遠く、益よりも損の大きい戦いは避けるべきだと考えている。ようするにアゴスト王国は、ベルノルト王太子よりさらに消極的な慎重論を唱えている。


「それでもベイル王国が獣人帝国の注意を引きつけている事に代わりはありません。また、神宝珠の移設も容易と知れたのです。全面攻勢に出て、可能な限り奪ってしまうべきでしょう」


 アゴスト王国の正反対の主戦論を強く唱えるのは、アドルノ王国のレオン・ベルセリウス大使だ。

 北部連合で最西に位置するアドルノ王国は獣人帝国から攻め込まれる危険が皆無で、さらに大山脈の鉱物資源を多数抱えている為に戦争が続けば続くほど国益となる。

 であればベイル王国が参戦するか否かなど彼にとってはどちらでも良く、いずれにしても北部連合が獣人帝国と戦ってくれさえすれば良い。

 彼の祖国にしてみれば、北部連合に属した事はまさに僥倖である。


 (…………はぁ)


 ラスティア王レオナールは溜息を吐いた。

 各国は自国の益を優先しており、見事にまとまりが無い。

 現時点で積極的な攻撃を唱えるのが3国で、そうでは無い国が2国である。

 だがレオナール王が治めるラスティア王国は、リーランド帝国との戦争で北部連合の力により新領土を獲得し、人口規模を105万人から135万人にまで引き上げた。そのため各国がどれほど自国の利益を求めようとも、強く言えない立場にある。


「ではベイル王国の件は一先ず置き、前線の状況についてマルタン王国のボドワン大騎士団長より報告頂こう」


 利害で結びつく味方が増えるほど、足並みを揃えるのが困難となる。

 そういう時は味方内の最大勢力が主導するものだが、その最大勢力であるマルタン王国こそが獣人帝国に国土を侵されて各国から軍事支援を受けている。

 それに次ぐ力を持つジュデオン王国は、自領に獣人帝国軍を引き込まれてリーランド帝国と北部連合との戦争となった。

 そして3番手のラスティア王国は、先の戦いで一番益を得たレオナールの国で無理が言えない。


 (…………どうにもならぬ)


 レオナール王は内心で匙を投げた。






 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇






「では現在の戦況について説明します」


 レオナール王から指名のあったマルタン王国のジョエル・ボドワン大騎士団長は、手入れされた青髪を胸元辺りまで伸ばした細身の男だ。

 額に青色の輝石を嵌め込んだサークルを装備し、声色は男性にしては若干高く、中性的な印象と相まって、知らない者は女性と間違える事もある。


「獣人帝国の冒険者人口は2万4千人。そのうち半数の1万2千人を国軍所属としており、前線にはさらに半数の6千人を投入しております。1個軍団が冒険者600人ですので、前線には最大で10個軍団を投入できると言う事になります」


 ボドワン大騎士団長は、今までに人類が知り得た情報を改めて説明した。

 地上獣人は人口120万人ほどと目されており、50人に1人が冒険者であるから冒険者総人口は2万4千人である。

 しかし祝福が20以下の若手、負傷・引退した高齢層、出産・育児を行う女性など国軍に所属していない冒険者も半数の1万2千人ほど存在する。

 そして残る1万2千人のうち半数ほどは支配都市の維持、物資の輸送、魔物退治などの役割を果たしており、人類との戦いに投入できる人数は6千人ほどとなる。


 列席している代表達もそれらは充分に理解しており、頷きながら続きを促した。


「獣人帝国軍は、バダンテール歴1258年からの戦いによって冒険者を3000人以上減らしました。現在は皇女と4人の軍団長の合計6個軍団が投入できる最大戦力と見なして良い状況です」

「かなり数を減らしたな」

「しかし攻め込めば防戦側の戦力も出てくるだろう」

「いや、大隊長とてそう数は居ないはずだ」


 ボドワンの説明を元に、各国が北部連合の攻勢について改めて意見を出し合う。

 ベイル王国やリーランド帝国と異なり、北部連合自体は獣人帝国との戦いでさほど被害を出していない。

 敢えて言うなら、ジュデオン王国が被害から回復し切れていないくらいだろうか。

 残る各国はリーランド帝国との攻防戦で被害を出しているが、様々な人間が動いた結果として全面衝突にはならなかったので、投入できる戦力にはまだ余裕がある。


 ボドワンは彼らが一旦落ち着くまで待ち、説明を続けた。


「そして新情報ですが、獣人帝国軍はベイル王国対策に3人の軍団長を置き、北部連合側には蒐集のイジャルガを配属させたとの事です」

「……ベイル3:北部連合1か。我らも侮られたものだな」

「何、認識を改めさせてやれば良いでしょう」


 王弟アスモとクレランド大騎士団長が攻撃を提案する中、ベルノルト王太子が疑問を呈した。


「皇女ベリンダは帝都インサフにいるのですか?」

「そのようです」


 ボドワン大騎士団長の情報は推測も含んでいる。

 深謀のイグナシオを失った獣人帝国では、前線に出ている獣人たちが古い情報しか手に入らなくなった。

 またマルタン王国も飛行艦やオリビア・リシエの転移のような高速通信手段を持たず、捕虜を得ても即座に共有化することは出来ない。

 最新情報とは2ヵ月くらい前のもので、そこから現在の動きを推測するしかやりようが無いのだ。


「1個軍団と言う事であれば、アスキス王国の旧王都アスキスに居るだろうか」

「その可能性が高いでしょう。我々が緩衝地に侵攻したところで大型伝令鳥による報告を行って撤退。連絡を受けた軍団が動いて撃退する。常套手段です」


 クレスターニ外務卿とベルセリウス大使がそう言葉を交わしながら、8ヵ国のいずれにも所属していない出席者に視線を向けた。


 ロレンシオ・アスキス。

 獣人帝国に支配されている旧アスキス王国の王位継承権第一位を持つ王太子である。

 彼を含めたアスキス王族の一部は、インサフ帝国の帝位継承権者がリーランド帝国に亡命したように、マルタン王国へと亡命している。


 祖先から託された宝珠都市群を総じて失った王族は、一般的な考え方としては責任を取って死ぬべきである。

 さもなくば、家族と故郷を同時に失った民衆が報復するだろう。

 にも拘わらず、アスキスの王族は生き恥を晒してまで何故生き延びたのか。

 それは、アスキス王国の国土と王国民とを人類の防壁とし、獣人の侵攻から人類を守る決断を下したからだ。

 自国民を犠牲にし、恨みと罪科を背負ってまで立ち向かうアスキス王族に対する人々の受け止め方は複雑だ。


「…………アスキス王国解放を目指し、その先のエンドア王国から神宝珠を獲得する。今回はその好機かと」


 マルタン王国のジョエル・ボドワン大騎士団長が、そう締め括った。

 マルタン王国にも立場がある。

 戦火がマルタン王国から遠ざかれば遠ざかるほど良いのは当然で、アスキス王国が復活してその先のエンドア王国から神宝珠が回収できれば、ベイル王国が作ったような人類生存権と獣人帝国とを隔絶する壁が出来る。


 南のベイル王国にばかり注意を向けて手薄な獣人帝国を攻め、アスキス王国を立て直し、滅んだエンドア王国から神宝珠を獲得すれば一先ず充分な戦果となろう。


「好機との見方が多いようだが、ジュデオン王国は如何に?」


 レオナール王が意見を出していないジュデオン王国に話を振った。

 それに応じて、ジュデオン王国から派遣されてきたイザイア・ダルベルト大騎士団長が軽く頷いて答える。


「ジュデオン王国は、先の皇女率いる大軍団侵攻によって騎士団の大半を失い、未だ再建の半ばです。従って国軍は出せませんが、国家未所属の冒険者による後方支援などの協力は惜しみません」

「……ふむ」


 積極的な交戦の意思を示したのはモルターリ王国、ベルトラン王国、アドルノ王国、マルタン王国の4国。

 そしてやや慎重な立場であるのがドラーギ王国、アゴスト王国、ジュデオン王国の3国。


 レオナール王は、協力度合いに差がある彼らをいかに纏めるか思案した。

 一番容易いのはアスキス王国の神宝珠の一部を獲得して北部連合で分配する事であるが、その様な真似をすればフリーの冒険者達が非協力的になり、あるいは北部連合外へと流れていくだろう。

 であれば結局のところアスキス王国を解放し、その先へと進まなければ神宝珠は獲得できないのだ。


「では、連合軍へ派兵された各国冒険者の比率に応じた神宝珠の配分を行う事としよう。逆侵攻の目安は、概ね半年後であろうか」


 レオナール王は、各国の掛け金に応じた分配を行う事として会談を締め括った。

 バダンテール歴1266年1月、北部連合による獣人帝国への逆侵攻が決定された。

あとがき



いつもお読み下さり、ありがとうございます。

近況報告をさせて頂きます。



2014年12月26日、作者は異世界に飛ばされてしまいました。

…………嘘です。欲に負けて自ら飛んでしまいました。

詳細は下記にございます。


http://ncode.syosetu.com/n2867cl/

「小説サイトの作者と読者が異世界転生」 作・赤野用介(自分)



住んでみると結構良いところです。

年末年始のご旅行に、異世界なんていかがですか?

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