短編 共同研究 後編
リオン・ハイムが考える義肢の課題は、同期の錬金術師たちの協力によって次々とクリアできた。
最大の問題であるコスト削減、そして手術の負担軽減に関して打開策が見えた今、残る課題は一つである。それは……
ガシャンガシャン…… ガシャンガシャン……
「アロン、煩い」
「お、おう」
残る課題は駆動音……ではなく、義肢自体の重量である。
消音に関しては、単に地面への接地面を全てゴムに変えて稼動部分をもっと厚く覆えば良いだけだ。
それを何故やっていないのかと言うと、義足完成後すぐにハルトナー研究所や錬金術学校へ相談しに行く事になったので、相手が義肢の構造を見易いようにと考えたからだ。
その反面、重量に関しては容易に解決し難い。
リオンの造った義肢は、自在に動かすことを主目的として作ったために金属の割合が多くてかなり重い。その内側は時計のように複雑な造りになっている。
それは自在な稼動という当初の目的を鑑みれば仕方の無いことだが、耐久性や耐熱性、耐寒性ばかりに目を向けて重量を度外視したのは確かにリオンの落ち度だった。
被験者も祝福を得ているアロン・ズイーベルの一人しか居らず、彼が義足を付けたまま平然と飛び回るために、開発の比重が利便性に偏ってしまったのだ。
「片手落ちってやつだな!……いてっ」
「その義足は、お前向きに造っただけだ。一般向けには改めて考える」
アロンの左足を軽く蹴ったアロンは、打開策を考え始めた。
重量を減らすなら、耐久性と引き換えに金属を削れば良い。アロンのような20代前半の若者ならともかく、過激な運動をしない老人向けであれば多少削ってでも軽い方が良いだろう。
だが義肢を量産する場合、リオン・ハイムが一人一人に直接面談して個々の運動量を聞きながら個別に造る事は出来ない。
「品質低下と引き替えの軽量化は、将来の事故の元だ。別の解決手段を用意すべきだが……」
二人は輝石分野でハルトナー研究所に頼ったが、それ以前に自分たちで改善可能な努力は充分に行っていた。これ以上の改善は、容易には思い浮かばない。
「リオン、ここは付与の専門家にアドバイスを貰おうぜ」
「確かに特殊繊維の精練・付与は聞いていなかったな。誰が詳しかった?」
「付与の特待生は、いつも接戦だったぞ。付与で主席のユティサ・リーチ、次席のニーナ・ジルクス、三番のリコリット・ホーン。でもニーナ・ジルクスは結婚したって言ってなかったか?」
「ああ、一期生の特待生グループの中では、レナエル・バランドに次いで二番目に結婚したのだったか。夫に手術麻酔の協力を仰いだばかりだし、そちらは止めておこう」
複数の選択肢があるのならば、あまり無茶なことはすべきではない。
麻酔を学ばせた特待生を輩出していくトト・クワイヤとは、今後も良好な関係でありたいのだし。
「2都市離れるけど、順当に主席のユティサ・リーチで良いだろ」
同じ都市内で働く錬金術学校教師のリコリット・ホーンと言う手もあるが、ニーナ・ジルクスが結婚したというのなら、リコリット・ホーンの負担は明らかに増えているはずである。
反面、商売として行っているユティサ・リーチならば遠慮は要らない。
彼女はランスケープという巨大組織を使えるし、後輩の二期生も卒業して何人かはランスケープ社に就職しているはずだ。
「第一宝珠都市フーデルンのランスケープ支社って言えば、今や国内外に付与製品を出荷している巨大メーカーだ。売り上げは本社の数百倍って噂だしな」
なおランスケープ工房は、『ランスケープ』へと社名を変えている。呼ぶときは「ランスケープ」あるいは「ランスケープ社」だ。
リオンもランスケープに打診するのが順当だと思ったが、ふと別の問題に思い当たった。
「……アポイントメント、取れるのか?」
恐る恐る手紙を出したところ、意外にあっさりと了解の返信が届いた。
リオンはあまり自覚していないが、彼は彼で国内外に名を馳せる高名な錬金術師の一人なのである。
Ep08-33
第一宝珠都市フーデルンと言えば、今やベイル王国最大の繊維産業集積地である。
これは自然発生的に生まれた産業ではなく、都市フーデルンの次期領主であるダビド・エア男爵令息と、新進気鋭の若手商人フィリオ・ランスケープの二人が意図的に生み出した産業だ。
彼らは錬金術学校在学中から工場を試験稼働させ、ベイル王国の西部方面を管理するアクス侯爵に根回しを行い、領主であるテルセロ・エア男爵を介して各省の都市支部から全面協力を引き出し、万全の準備を整えて事に望んだ。
両者とも、成功自体は確信していた。
だが、どの程度の成功を収めるかはフタを開けてみるまで分からなかった。
その結果は……。
「…………すっげぇ」
都市フーデルンに足を伸ばしたリオンとアロンを待ち受けていたのは、3階建ての立派な管理棟と、9つもの繊維工場と、巨大な物資搬入口に並ぶ馬車群と、馬を変えて休ませる馬舎と、それらの周辺に乱立する無数の従業員宿舎だった。
まるで王都の馬車駅かと錯覚するかのような搬入口付近では、沢山の労働者達が監督者の確認の元に箱馬車に付与を施した貴重な荷を乗せて出発の準備を整えている。その周囲では、護衛の冒険者達が打ち合わせを行っているようだ。
「これだけの規模でやっているから、国内外へ幅広く出荷出来る訳か」
「なぁ、もしかしてフィリオ・ランスケープとダビド・エアって、滅茶苦茶金持ちなんじゃないか?」
「……王国の支援を上手く使ったんだろうな」
他に先んじて新繊維産業を一気に制したランスケープ社は、おそらく莫大な利益を得ているはずだ。当然彼らを領地に引き込んで先行投資を行ったエア男爵家も、十二分にその恩恵に浴しているのだろう。
そしてベイル王国としても、税収が増えるのであれば新繊維産業の成長に水を差す理由は無い。
むろん、従来の既得権益を侵されて損害を被った商人も相当数いるはずだ。
だがランスケープ社と共存関係にあるのは爵位貴族のエア男爵家であり、そのエア男爵家はイルゼ子爵家と婚姻関係を結んで基盤を強化している。加えて大貴族であるアクス侯爵家の後ろ盾も得ており、もはや商人が立ち向かえる相手ではない。
さらに錬金術の普及を推し進めているのはベイル王家であって、付与による耐熱・耐寒・耐刃など各種の生地は国民生活の向上にも繋がることから、ランスケープ社に敵対するよりもその傘下に入って莫大な利益のおこぼれに与る方がずっと賢い選択だ。
「面会者、多いだろうなぁ」
「問題ない、俺たちが会うのは専務取締役のフィリオ・ランスケープではなく、ユティサ・リーチ夫人の方だ」
「ん、あいつら結婚したのか?」
「返信に書かれていた名前が、ユティサ・リーチ・ランスケープになっていた」
「ほうほう、何があったのやら。しかし早くないか、フィリオ・ランスケープは俺たちより2歳下だろう。まだ20歳だろうに」
「フィリオ・ランスケープはそうかも知れんが、ユティサ・リーチは俺たちの3歳下とはいえ19歳だ。女の19歳と言えば……」
「3割引!」
「…………19歳と言えば焦る年齢だろう」
ベイル王国では、かつて6割程度であった中等校への進学率が、義務教育化と学費・教材費・給食費などの全面無償化によって現役年齢では9割を超えるようになった。
就職や結婚までの繋ぎとして中等校に入った子供達の中退も殆どなくなり、現在では卒業者の割合も9割を超えている。
ところで、そんな中等校の卒業年齢と成人年齢は同じ15歳だ。
錬金術学校や高等校はベイル王国でも3大都市にしか無く、その受け入れ枠も小さい。
よって大半の男性は15歳で就職し、女性は就職するか、家事手伝いになるか、結婚という選択肢を選ぶ。
未婚女性の就職は、基本的には『社会に出て働きました』という箔を付けつつ結婚相手を探すための一時的なものであり、あるいは結婚するまでの生活費を稼ぐためのものだ。
一生独身と現役世代を貫いて都市民税を払い続け、親の老後を世話する女性が皆無というわけでは無いが、その選択肢は『ベイル王国の社会常識』からは外れている。
19歳で結婚相手が居ないというのは、結婚が出来るようになった15歳からスタートしたとしても4年間相手を見つけられなかったと言うことであり、リオン・ハイムが指摘したように焦る年齢と見なされる。
なぜなら4年間見つけられなかったと言うことは、条件が不利となるこの先の4年間も見つけられない可能性が決して低くなく、そうなれば販売終了なのだ。
ご町内からは「親御さんは何をやっているんだ」「相手を見繕ってやれば良いのに」「有力者に相談しろ」と目線で訴えられ始める。
「女は大変だなぁ」
「逆に、結婚してしまえば安泰だが」
男性に結婚年齢の制約は無い。
家族を養えるようになったら結婚適齢期と見なされる。
家族を養えないのに結婚するのは親のすねかじりか、あるいは計画性の無いアホである。なぜアホかというと、妻に生活費を払わなければアルテナの法則に反してハゲるからだ。
男は別に40代で結婚しても良いし、生涯仕事に生きても良い。重婚があるため、男女比が崩れて社会が成り立たないと言うこともない。
リオンを拾ってくれた義父のように、捨て子を養子に取る手だってある。
「……さて、行くか。錬金術学校と違って建物は分かり易いな」
「おう!」
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
リオンとアロンを出迎えてくれたのは、手紙で約束していたユティサ・リーチと、ランスケープ社で働いているマリ・エルゲの二人だった。
マリは、リオンやアロンと同じ『属性鉱石の製錬・加工』研究室に所属していた第一期の特待生であり、3年間共に学んだ同級生でもある。
「ハイムさん、ズイーベルさん、お待ちしていました」
「いらっしゃい、待っていたわよ」
ランスケープ社は民間企業であり、経営陣はランスケープ一族で占められている。
会長はフィリオの祖父、社長はフィリオの伯父、副社長はフィリオの父、そして専務はフィリオ・ランスケープと言った具合だ。
フィリオの第一夫人となったユティサ・リーチ・ランスケープは常務になっており、将来の社長夫人としての研鑽を積んでいるところだ。
逆にフィリオの従姉妹や姉、その夫達は中間管理職の課長止まりであり、会社の乗っ取りが出来ないようにしっかりと頭を押さえつけられている。
ちなみにマリ・エルゲは、フィリオの親族たちの役職を上回ってフーデルン支店長と開発部長を兼任している。
フィリオ、ユティサ、マリの3人は、都市フーデルンと言う新天地を切り開いて現在の礎を築いた初期メンバーだ。
この地はフィリオに一任されており、フィリオは共闘者であった彼女らを信頼している。
「忙しいだろうに、無理を言ってすまん」
「いえ、最近はそうでも無いですよ。錬金術学校を卒業した第二期生が沢山入社してくれましたから」
ユティサはリオンの言葉に首を振りながら、応接室のソファーへと誘導した。
「へぇ。でも特待生って、そんなに居ないんじゃ無いのか?」
「複雑な工程を分けてしまえば、作業に従事するのは一般の卒業生でも構わないのよ。優秀な特待生に監督役を任せてからは、あたしたちが現場に出る必要は殆ど無くなったわ」
「ほほぉ、じゃあ何をやっているんだ?」
「一番大切なのは人事ね。どんなに有能な人間でも、一人で全ては出来ないでしょう。短期・中長期の目標を定めながら、従業員へ適切に役割を振っていくのが雇用者側の仕事よ。そして、だからこそ貴方達もここに来た。違うかしら?」
「おう、まあそうだな」
マリはアロンを納得させつつ、本題へと誘導した。
日々舞い込む商談や面会の処理で、こういう対応には慣れたのだ。机の上には、リオンが手紙に同封した義肢の設計図を元にランスケープ側で試作した「付与を施した各種金属の価格表」が人数分用意されている。
「………………ほう」
リオンは驚きと共に、机の上に用意されていた資料を読み始めた。
アロンも手元の資料を眺め始める。
「ユティサの返信に同封してあげれば良かったのだけれど、ちょっと間に合わなかったわ」
マリはそう言葉を挟みながら、リオンの目線を追い続けた。
材質・加工技術・価格・契約内容などのうち、どの部分に着目しているのか。どの部分を重視しておらず、あるいは興味が無く、どこを見落としているのか。
これはマリがフィリオの補佐をしてランスケープ社に寄ってくる商人と日々渡り合ううちに、自然と身に付けた技術だった。
マリとリオンは同じ研究室の同期だったが、これはれっきとしたビジネスである。「知り合いだから作ってあげます」と言うような安直な考えは持っていない。
「それ、マリさんが殆ど一人で試作してくれたんですよ。金属への付与は、マリさんの専門ですから」
一方ユティサは、紅茶の飲みながら場を繋ぐだけの意図で説明を加えた。
これはこれで良いカモフラージュになる。適性に応じた役割を果たすのは、何も従業員に限らないのだ。
「…………記載されている各金属への付与効果について確認したい。俺が思っていたよりも高い数値のようだが」
暫く資料を眺めていたリオンは、まず資料に記載されていた性能についての確認を行った。
「そうねぇ。それじゃあ付与について、少し説明しましょうか?」
「ああ、頼む」
情報提供と企業秘密の線引きをどの辺りにするか考えたマリは、リオン・ハイムが4系統に分けられた錬金術の全てを概ね理解している事を思い出して、細かい精錬比率以外は話しても構わないだろうと判断した。
初歩的なことならば特殊繊維の精練・付与に属する錬金術学校の特待生レベルでも知っている。試行錯誤した数値以外は、取り立てて隠すほどのことでも無い。
「敢えて初歩的な付与について説明するわ。毛皮のコートに付与を施すとしましょう。通常の工程では動物の毛を刈って、選別して、洗って、乾燥させて、繊維を解して……要するに精錬をしていくわね」
「ああ、羊の毛を使ったウール素材などはそうするな」
「ええ。それで作った糸を先染めしたり、織物にしてから後染めしたりするわね。付与は染色するように輝石のエネルギーを溶かし込むのだけれど、それをするときに問題になるのが素材のマナ保有量よ」
全ての存在は自らの体内にマナを蓄える事が出来て、これは『マナ保有量』と呼ばれている。
祝福が上がる人や獣人であれば、祝福が上がるほどマナ保有量が大きくなる。また転生竜ならば、より高位であるほど一度に体内に蓄えられるエネルギー量が大きくなり、生命力が高くなる。
祝福を得た冒険者は、この体内に保有しているマナを用いてスキルを発動させる事が出来る。また、同じ祝福数の冒険者でも前衛職に比べると後衛職の方が、マナ保有量は大きくなる。
祝福が上がらない人や獣人、動植物や魔物や鉱物などであれば、成長や時間経過と共にその種族や種類の限界値までマナ保有量が伸びていく。
高性能なマナ回復剤は、高位の植物を素材の一つに用いる事が多い。
「良い素材ほど、マナ保有量が大きいわけ。付与を行っても、下位の毛皮なら送り込んだエネルギーの大半が受け止め切れずに流れて行ってしまうわ」
「ああ」
「そこで特殊繊維の出番ね。祝福0相当の動物の毛と、祝福20相当の動物の毛を半分ずつ完全に混ぜたとしましょう。それで出来る毛皮のコートには、とりあえず祝福10の付与が行えるわ」
「そうだな」
「毛皮に植物の繊維を混ぜても良いわ。複数の素材を混ぜた精錬が出来て、それに付与を施せれば錬金術学校の卒業レベル。あとは良い素材を崩さずに活かして、良い素材の割合を減らしながら付与出来る力を最大の祝福20に近づければ近づけるほど腕の良い錬金術師になるわ。祝福20の素材の割合が30%で、付与出来る力が祝福17くらいまで行けば、うちでも指導者レベルね。出来た時点で開発部の主任にするわよ」
フーデルン支店長と開発部長を兼任するマリ・エルゲがそう保証した。
ちなみにランスケープ社の開発部主任に支払われる給与は、ベイル王国治安騎士の月収を越えていたりする。
「かなりの技術レベルだな」
「特殊繊維に関しては、ランスケープが最先端企業だからね。でも、学生時代から付与を施した服のエネルギーを放出して魔術を再現していたアニトラ・ベルンハルトは例外。アレは何段階か上の技術。うちでも無理だわ」
「ああ」
アニトラ・ベルンハルトは例外。
それは、第一期生の特待生達の間では共通認識である。
彼女は母親が錬金術師だったらしく、まだ錬金術を使い始めたばかりのベイル王国とは技術の蓄積量が違う。もしかすると代々錬金術を用いてきた家系なのかもしれない。
ある意味、彼女とは差があって当たり前なのだ。
「それで本題の『属性鉱石への付与』に関してだけど、基本は特殊繊維への付与と同じで良いのよ。でもだからこそ、骨格には上位の素材が技術力に応じて一定の比率で必要になるわけ。それがランスケープ式よ」
「ふむ、なるほどな」
「ランスケープ社としては、こちらで付与を施した骨格を国立医療研究所に納品しても良いわ。加工ならあなたの方が上手いでしょうから、それで多少は安価になるはずよ。あとの値段は、素材や大きさ、掛ける付与効果とで相談ね」
「そういうシステムか。よく分かった」
リオンの疑問は解けた。
だが、新たな問題が浮上してきた。
「しかし、高いな」
「納品数どころか、継続的に購入されるかどうかも不明だから仕方が無いわ。本当なら依頼自体受けないんだけど、そこは同室だった誼でね」
「…………うーむ」
本物の四肢と遜色無い義肢を作る目処は立った。
リオンが本来持っていた研究テーマは完全に達成されており、共同研究は見事な成果を収めたと考えても良い。
だが製造コストに関しては、庶民が支障なく購入できる程度にまで押さえる事は叶わなかった。
「悪いけど、商売として成り立たない仕事は受けられないわよ」
「ああ、もちろん分かっているさ」
工場を稼働させて従業員に給料を支払う以上、マリが採算を考えるのは当たり前である。リオンとて、実家の父に「道具屋を潰してでも協力してくれ」などとは言わない。
「価格については了解した。とりあえずアロンの分を頼みたい。あとはサンプルとして材質と比率が異なる骨格を20と、それとは別に左腕1本分を最高品質で頼む」
「分かったわ」
(俺が出来るところまではやった。あとはオーナーのイルクナー宰相に相談するしかないが、リーランド帝国との戦争が始まった今、「宰相の左腕も高性能に作り替えられるので、予算を割いて欲しい」などと言って良いものか……)
バダンテール歴1265年1月。
1都市3日という距離の壁によって終戦を知らないリオンは、そう悩みながら都市アクスへと戻った。
彼がイルクナー宰相に手紙を出すのは、帰還からわずか2日後の事である。




























