表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アルテナの箱庭が満ちるまで  作者: 赤野用介@転生陰陽師7巻12/15発売
第二部 第八巻 エウリュディケー(12話+2) 空の章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

135/178

エピローグ エウリュディケー

 迷いは……最後まであった。

 皇帝アレクシスを倒してしまえば、リーランド帝国をまとめるのが未熟な皇女セリーヌになってしまう。

 それでリーランド帝国の統制がとれなくなっては、人類が構築している防衛網の一角が崩れかねない。


 だがこれは、リーランド帝国側がベイル王国を軽んじて行った最初で最後の失態だ。

 この機会を逃せば、皇帝アレクシスはどうするか。


 ハインツがリーランド皇帝ならば、皇妹ブリジットに全ての責任を擦り付け、同調した三属国を罰し、蓄えた富で目も眩むほどの多額の賠償金を差し出し、今回の事態を収拾させ、以降はベイル王国に攻め込まれる理由を徹底的に潰す。

 攻め込ませないように皇女セリーヌを宰相ハインツと女王アンジェリカの息子フィリベルトに嫁がせ、ベイル貴族達を金や女で籠絡して政治的な根回しを行う。

 現状の戦力差を覆すべくベイル王国と獣人帝国を削り合わせ、騎士や冒険者の祝福上げを模倣し、装備を徹底して強化し、ベイルの技術者たちを引き抜いて飛行艦や兵器の情報を手に入れる。

 王宮の地下には隠し通路を造り、いつベイル王国に攻め込まれても逃げ切れるようにする。

 そして地べたに寝転がって腹を見せておき、機会が到来すれば一気にハインツを殺害する。

 相手は同じ転姿停止の指輪を持つ皇帝で、時間はいくらでもある。そしてハインツよりもずっと狡猾だ。



 だが、今ならリーランド皇帝アレクシスを殺すのは簡単だ。

 まず大義名分であるが、現在リーランド帝国側の一方的な言いがかりによって両国は戦争中である。

 そしてアーリラ北部会戦での敗戦情報は帝都ログスレイに届いておらず、飛行艦の情報はまだ知られていない。まさか空から大軍が来るなど、夢にも思わないだろう。

 帝都の戦力は、獣人帝国と、北部連合と、ベイル王国の3方向に分散されてかなり減っている。そこへ強襲降陸艦隊によってハインツとオリビア、大祝福2の14名と8個新騎士団を帝宮全域へ一斉突入させれば負けようが無い。

 仮にどこかへ逃げられても、徹底して追いかけ続ける。

 何しろ現在は戦争中であるので、ベイル王国はリーランドに所属する全ての都市と属国へ攻撃する大義名分があるのだ。

 リーランド皇帝を殺す真の理由については、ベイル女王アンジェリカを騙す事になるが……。


「オレはベイル王国の宰相である前に、アンジェリカの夫だからな」


 バダンテール歴1264年12月15日夕刻。

 空からカントループ帝宮を急襲したハインツは、皇帝を殺して『転姿停止の指輪∞±0歳』を手に入れると同時に口封じを行った。






 エピローグ






 古き政治体制を破壊した者には、新たな政治体制を構築する義務がある。

 権力者と軍国主義者への衝撃は最大に。行政機能と治安機能への被害は最小に。


 ハインツ率いるベイル王国軍は、カントループ帝宮を一気に攻め落として皇帝を殺し、皇妃や皇女、宰相ら主立った者を捕縛した。

 次いで、帝宮に隣接しているアルテナ神殿を即座に制圧。

 そのまま帝都の騎士団本部を圧倒的戦力で包囲し、強襲降陸艦による地上への一斉砲撃とオリビアの石化魔法で中の騎士達を炙り出し、メルネスらによって残らず殲滅した。

 その後は日を置いて兵舎や駐屯所を攻撃して兵士を四散させ、治安騎士団本部と冒険者協会を占拠し、ベイル王国軍に対する帝都の抵抗能力を悉く奪っていった。

 その一方で行政機関はそのまま残し、戸籍謄本や徴税記録などは失わせないように図り、交通は遮断せず、市民生活への害は極力避けた。


 ハインツは帝都制圧後、今回の戦争の経緯とアーリラ北部会戦の結果、帝都制圧戦の結果を全都市民へ通告。

 続いて捕縛された皇女セリーヌによる宣言が行われ、リーランド帝国はベイル王国へ全面降伏した。


 この状況に至って、地方都市での抵抗は無意味である。

 リーランド皇帝アレクシスを殺され、皇女セリーヌと皇妹ブリジットを捕縛されたリーランド帝国には、帝位を継承できる者がどこにも存在しない。

 かつてヴァレリア・インサフが危惧したとおりの事態となった。

 そして………………。




「バッセル宰相、アントワーヌ伯爵、労を強いたな」

「はっ、いえ滅相も無い」

「この度のセリーヌ皇女殿下の返還、心より感謝申し上げます」


 ベイル王国騎士が闊歩するカントループ帝宮内において、帝座に座るハインツから声を掛けられたバッセルとアントワーヌがしきりに恐縮しながら答えた。

 ハインツがリーランド帝国に示した降伏条件は、以下の通りだ。


 ・ベイル王国に対する賠償金400億(ゲルテ)の支払い。

 ・北部連合との終戦と賠償金の支払い。

 ・ベイル王国へ侵攻したクーラン、ブルーナ、デスデリー3属国の独立容認。

 ・同じくリファール侯国の侯都で飼育中の繁殖用ペリュトン5頭の引き渡し。

 ・アーリラ北部会戦で捕獲されたペリュトン18頭の所有権をベイル王国へ移譲。

 ・戦争の発端となったインサフ帝国の継承問題について、オルネラ第五皇女及び希望する皇女の臣下達のベイル王国移籍と、リシュアン第六皇子のインサフ姓放棄。


 『否と言えばリーランド帝国は統率者を失い、獣人帝国と、北部連合と、ベイル・ディボー同盟との3方向から攻め込まれて滅ぶ。ところでリーランド貴族達は、いずれの勢力に自身の治めていた領地を差し出したいか?』


 今回、リーランド帝国は被害を出し過ぎている。

 アーリラ北部会戦で大祝福2を18人、そして21個騎士団。

 帝都攻防戦で大祝福2を3人、そして2個騎士団。

 虎の子のブランケンハイム大治癒師を奪われ、リファール空軍も壊滅した。

 帝都解放軍を向かわせようにも、帝国には自由に動かせる軍が残っていない。


 (まあ抵抗されるほどの要求もしていないが)


 今ベイル王国が攻め込めば、弱体化した3属国を飲み込むなど造作も無い。捕らえた皇族を全て殺す事で、リーランド帝国という国自体を無くす事も可能だ。

 ところで、そうやって併合した巨大な領土の管理は一体誰が行う?


 ハインツは、ベイル王国の政治を現在の軌道に乗せるだけでも6年を掛けている。王国に攻め込んできた金狼を倒して民の圧倒的な支持を得て、アルテナに誓った次期女王と結婚して正当な流れで統治する事になったにも関わらずだ。

 獣人帝国との死闘が控える中、ハインツに広大なリーランド帝国や荒廃している属国の管理を行う余力は無い。

 そのような政治的な事情に加えて、軍事的にも足手まといだ。

 ベイル王国がリーランド帝国を管理するならば、彼らが獣人帝国に攻め込まれたら助けなければならない。

 そうやって不慣れな土地へ戦線が拡大すれば、それがベイル王国の敗戦の原因ともなりかねない。

 かといって統治しておきながら助けなければ、リーランド帝国民の呪詛がアンジェリカへと向けられる。ベイル王国民も不信感を募らせるだろう。

 それならば、元々管理していた人間にそのまま管理を継続させた方が良い。彼らは自らの権益を守るため、あらゆる手段を尽くして必死に戦うことだろう。


 ハインツの条件では皇女セリーヌによる帝位継承が認められ、リーランドの爵位貴族家も全てそのまま存続となる。

 賠償金400億Gは、ベイル王国が制圧したカントループ帝宮内の絵画・彫刻・工芸品・骨董品、そして宝物庫の転姿停滞の指輪・宝具・輝石・宝石・装飾具・輝石貨などで支払わせる。

 賠償金はもっと高くても通っただろうが、上げすぎてリーランド帝国に潰れて貰っても困るという判断から程々の額となった。

 金ではなく美術品などが中心の賠償金支払いであれば、獣人帝国側の最前線へ届く軍事物資の質や量への影響は少ない。査定後、飛行輸送艦隊はお宝を満載した海賊船団と化して、カントループ帝宮とベイル王宮とを往復し続けた。


「ところで南の3属国の独立についてですが、リーランド帝国軍の引き上げは今月を以て完了する予定であります」

「そうか、予定通りだな」


 ハインツは、ベイル王国と領土が接している3属国を独立させる事にした。

 独立させておけば、リーランド帝国との緩衝国になる。そしてベイル側から手を伸ばし、割と酷い各国の現状を改善させていくことも可能だ。

 だが北側の3属国とベイル王国とは領土を接しておらず、ベイルの支援の手は届かない。独立させても倒れる危険があり、そもそもベイルに攻め込んできた訳でも無く、そちらについては今回手出しを控えた。


「イルクナー閣下にご主導頂いております帝国と北部連合との終戦協定につきましては、いかがでございましょうか?」


 リーランド帝国と北部連合とは、元々停戦協定について話し合っていた。

 ベイル王国がリーランド帝国を降伏させたので、北部連合との話し合いについてはハインツが主導する羽目になってしまった。

 であれば、停戦ではなく終戦とする。そうすれば万事が一度に解決する。


「ああ。ジュデオン王グンナー、ラスティア王レオナール、マルタン王ルーファスら獣人帝国に近い東側からの了解を得た。発端となったジュデオン王からの了解が得られた以上、締結は時間の問題だ」


 大祝福2の冒険者でもあるグンナー王は要所を弁えており、ハインツとの話し合いはトントン拍子で進んだ。

 まずリーランド帝国によるジュデオン王国への獣人引き込みについて、リーランド皇帝アレクシスが主犯であると認めてリーランド帝国に公式に謝罪させる。なお当人は死んでいるので不満を言う者は居ない。

 奪い合った領土に関しては、現在北部連合側がリーランドの都市の一部を制圧して得をしているので、現状で侵攻を区切りとする。

 バレーヌ王国については、バレーヌ王が王権を放棄してリーランド貴族となっているのでやむなく滅亡とする。

 互いの戦闘行為は全て終了し、ジュデオン王国の被害についてはリーランド帝国が全額を倍した金額を弁済する。

 その他の戦争賠償金については、リーランド帝国からジュデオン王国に一括して支払い、分配についてはジュデオン王国へ一任する。

 リーランド帝国が一方的に損をしているので、北部連合に不満は無いだろう。そしてもし居たとしても、ジュデオン王グンナーとハインツが合意してしまえば、北部連合には戦争を継続させる大義名分が無くなる。


 ……なお、王都ジュデオンで起こった火災の被害については、なぜかベイル王国が全額負担すると申し出た。


「リーランド帝国の財政を鑑みたイルクナー閣下からの申し出、誠に有り難く」

「………………ああ、うん」


 公文書には『王都ジュデオンで起こった火災の被害は、ベイル王国が全て弁済するものとする』と明記された。


「ところで捕虜となった騎士達の返還についてですが」


 現状でリーランド帝国は騎士が圧倒的に不足している。

 ベイル王国はアーリラ北部会戦で捕虜にした祝福の無い兵士3,415名を身代も要求せず直ぐに返したが、リーランド帝国の騎士267名と、属国の騎士147名は現在も捕虜の身である。

 捕虜返還が叶えばリーランドだけでも3個騎士団が回復するので、リーランドとしてはすぐに返してほしいところである。


「北部連合との終戦協定を締結したらすぐに返還する。あと1ヵ月ほど待て。元属国の騎士たちは、別途各国と交渉中だ。軍事侵攻の件と併せて、ベイル王国に対する関税率の大幅引き下げで済ませる予定だが」

「我が国の大祝福2は……」

「アーベライン大騎士団長とアリエンツォ大魔導師は降伏したから返還する。だが降伏せずにこちらで石化させた10人は全て破壊済みだ」

「……何故」

「彼らは不義なる侵略軍の大騎士団長たちで、ベイル王国騎士や大騎士団長を多数殺している。これは我が国の正式な手続きに則った戦争犯罪人の処断で、その判決は私が下した」


 と言う建前であるが、ハインツの本音は別にある。

 彼ら全員を殺すと経験値2249万3860。と言う試算が出た。

 それがあればアンジェリカの祝福が65に上がり、いつの日かベイル王国を子供達に託して離れる時が来たとしても、ハインツたちと同じ歩調で共に歩んでいくことが出来る。


 無論、彼ら大祝福2の10名が戦争犯罪人とはいえ石化しているところを殺させる説得には慎重を要した。

 アンジェリカは賢く、適当な嘘は通らない。不誠実な行為や悪事には荷担しないし、実行後でもそれを知った時点で正そうとする。

 であれば、最初から正直に説明して説得するしか無い。

 ハインツは、自らの進む先に妻であるアンジェリカを連れて行きたいと口説いた。

 女王としての責務を重んじるアンジェリカへの説得が叶ったのは、ハインツが宰相として6年間王国を支え、共に居た積み重ねがあればこそだろう。

 最後に私情を優先したアンジェリカは、本心では嬉しそうだった。


「ところで皇妹ブリジットについてだが、貴国でセリーヌ新女帝が処刑命令を出すべきだろう。差し当たって女帝セリーヌに後継者が出来るまでの保険として、貴国の邪魔にならぬようベイル王国で投獄しておくが」

「……閣下のご高配、痛み入ります」


 もしリーランドで投獄しておいて、万が一にもブリジットが帝位に就くようなことになれば、投獄していた者達は復讐の対象となってしまう。であれば皇妹はベイルで預かる方が良い。

 これによってハインツの後始末は、全て完了した。



 1ヵ月後のバダンテール歴1265年3月14日。

 ようやく人類の戦争が終わった。






 ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇





 王都ベレオンに着陸した飛行艦から、ハインツ・イルクナー宰相に続いてヴァレリアの妹オルネラが降り立った。

 ロランの隣にいたヴァレリアが駆け出し、それに気付いたオルネラも駆け寄っていく。


「お姉様!」

「オルネラ……無事でしたか?」

「はい。インサフ姓は捨てずに済みました」

「そっちじゃなくて、貴女は無事だった?」

「大丈夫です。お兄様は終始お姉様へ怒っておられ、私の事は見てもいませんでした」

「……流石、お兄様ね」


 飛行艦から二人の母方であるハズザット伯爵家に仕えていた者達、そしてインサフ帝国の帝室に仕えていた者達が降りてくる。

 だが彼ら彼女らは姉妹の邪魔をすることなく、イルクナー宰相に指示された馬車へ荷物を載せ始めた。

 行き先はベイル王国から貸し与えられた王都の離宮。人数が増えたので、王宮の一角からそちらへ移ることになったのだ。


「お姉様はいかがでしたか?」

「…………ベイル王国とロランに迷惑を掛けたわ。でも一度も振り向かなかった。私の道はこれで合っているもの」

「そうではなく、お姉様自身です。ところでロラン……とは一体?」

「私は無事です。そしてロランは、私の騎士です」


 ヴァレリアがロランの方を向き、オルネラがその視線の先を見た。


 (両親が同じ姉妹で1歳違いなのに、髪の色は違うんだな。人の言うことを聞かなそうな雰囲気はそっくりだけど)


 金色の髪のヴァレリアは、神々の加護が強いのかもしれない。

 水色の髪をしたオルネラは、マナの属性がそちらに傾いているのだろうか。


「お姉様の騎士……ロランさん、私たちの道はとても過酷ですが」

「大丈夫、俺は大祝福2台だから戦力になるはずだ。これでも祝福63の戦士攻撃系」

「あなたは何歳ですか?」


 17歳の状態で転姿停滞中のオルネラが、あまり年上に見えないロランに思わずそう問い質した。

 周辺国で最大の帝国継承権者たるオルネラが、その責務を果たすために姉に続こうと待ち焦がれ、結局得られなかった祝福の遙か高みへと辿り着いた冒険者。

 これが壮年の男性で転姿停滞の指輪により若返っているのならまだ納得できる。


「19歳。指輪未使用」

「……若いですね」

「いやいや、見た目はそっちが若いじゃん」


 ロランはオルネラの評価を訂正した。

 彼女は、出会った時のヴァレリアとソックリである。


「ロランは私に協力してくれます。ベイル王国にはベイル王国の考えがありますが、私たちは私たちの民のため、何が出来るのかを考えていかなければなりません」


 それを聞いていたイルクナー宰相が、ロランの脇を通り過ぎる際にそっと呟いた。


「The reward of a thing well done is having done it.」






 【第二部 完】

あとがき




 第二部をお読み頂き、ありがとうございました。




・第二部について

 第一部完結後、掲示板で『冒険者支援制度』や『錬金術学校』についてのコメントを頂きました。

 それを受け、第二部はハインツが創った「冒険者支援制度」によって育ち、やがて巣立つ冒険者と、同じく創った「錬金術学校」で変わっていく世界について書こうと考えました。

 ロランは『冒険者支援制度』を受けて育つ冒険者、レナエルは錬金術学校の生徒、レナエルの父であるグラートさんは錬金術学校の教師というわけです。


 ですが、ロランはハインツの縮小再生産(あるいは親の理想通りに育つ子供)にしたくありませんでした。

 ハインツの利害と対立させたい。

 そして、『一方が正しく、もう一方が間違っている』というような単純な対立構造は避けたい。ハインツの思想や行動を崩さず、できればロランに分がある方が良い。

 それでいて『NPCのハインツさん』が初心者ロランくんをフォローしつつ、諸問題の解決を図る形でまとめたい。


 そのためには、どうすべきか。

 ハインツはジャポーンでの知識や経験と、大祝福3という能力と、宰相という地位を併せ持っており、割と何でも解決してしまう。

 それに対抗するロランは、せめて『ハインツと異なる思考方法』、『大祝福2くらいの能力と影響力』、『国の雇用下に無い立場』でなければならない。

 では冒険者支援制度の紹介を兼ねた祝福上げの上限を走らせつつ、第二部での『錬金術側の総決算』である飛行船の材料を集めさせ、ベイル王国とは異なる他国の姿を見させて……。

 よし、ベイル女王アンジェリカと結婚したハインツの縛りであるベイル王国の利益と対立させる形へ持って行こう。

 ハインツがベイル王国側に立つのは当然だが、それは大局的には利己的(自分の利益を求める)である。ロランが切り捨てられるインサフ帝国側の立場を代弁すれば、双方の意見に一理ある事になるだろう。



 ……と言う事でした。




 ハインツが最後に言った言葉は、ハインツの微妙な心境を表しています。

 

 「The reward of a thing well done is having done it.」

 (よくやった事の報酬は、それを為した事自体だ)

 ラルフ・ワルド・エマーソン 1803-1882


 ロランやヴァレリアの思考・行動は認めつつも、二人が求める結果にハインツは賛同しないと言う訳です。

 ですが、この詩歌をハインツに教えたのはリカラさんです。

 ハインツ自身の中で、冒険者への理想像とイデオロギーの対立(迷い)がありますね。


 と言うところで、おしまい。第二部をお読み頂き、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の投稿作が、TOブックス様より刊行されました。
【転生陰陽師・賀茂一樹】
▼書籍 第7巻2025年12月15日(月)発売▼
書籍1巻 書籍2巻 書籍3巻 書籍4巻 書籍5巻 書籍6巻
▼漫画 第2巻 発売中▼
漫画1巻 漫画2巻
購入特典:妹編(共通)、式神編(電子書籍)、料理編(TOストア)
第7巻=『七歩蛇』 『猪笹王』 『蝦が池の大蝦』 巻末に付いています

コミカライズ、好評連載中!
漫画
アクリルスタンド発売!
アクスタ
ご購入、よろしくお願いします(*_ _))⁾⁾
1巻情報 2巻情報 3巻情報 4巻情報 5巻情報 6巻情報

前作も、よろしくお願いします!
1巻 書影2巻 書影3巻 書影4巻 書影
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ