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しゅっぱーつ!
「じゃあ、しゅっぱーつ!」
「「おー!」」
元気よく拳を天に突き上げ、ボクたちは東門をくぐる。
門の先はすぐに見渡す限り一面の砂で。
それはちょっぴり憂鬱になる景色だけど。
この先にある神骨の聖域を思えば、頑張れる、はずだね。
「ねえねえ、リズ?」
「なんだよ、メリア」
ザクザクと砂に足を絡ませながらボクはリズに話しかける。
「この街には神話ってあるの?」
「神話?」
「ほら、どうやってこの街ができたのかとか、街のお爺さんが永遠と語ってそうな話、ない?」
「ああ、それならあるぞ……なんだ、その話が聞きたいのか?」
「「聞きたい!」」
「うわっ!びっくりした」
リズはボクたちの剣幕に押されてたたらを踏む。
「お願いだよ、語ってよー」
「いや、語らないとは言ってないからな」
そう言ってリズはごほんと大きな咳ばらいをする。
「じゃ、じゃあ語るぞ?」
「うん!」
日が高く昇る砂漠の中、吹きすさぶ風は優しく、ボクたちはリズの声音に乗って遥か昔、神話の時代へと向かう。




