お布団の中
「明日、朝いちばんに、家を出ないといけないわ」
もうすっかり夜も更けた頃。
お洗濯をしてふかふかなダブルベッドの中、お師匠様はそう零した。
「そうなんだ、大変だね」
「そうよ、大変なのよ」
そう言いながらお師匠様はボクのことを抱きしめる。
「あ、ボクを抱き枕にするの禁止だよ?」
「明日からお仕事なんだから、今日ぐらいは許して、メリアちゃん」
「今日だけだからね」
「わかってるわ」
そう言いながらもぎゅうっと抱きしめられる。
なんだか、お師匠様に抱きしめられてると生命力と言うか、そういう物を吸い取られているような気がするんだよね。
「メリアちゃんの若さを吸い取ってお肌ぴちぴちになるの……」
「それ、冗談だよね、お師匠様」
「もちろん、冗談よ……」
そうはいってるけど、お師匠様なら本当に若さを吸い取れるんじゃないかと思う。
だから禁止にしたんだけどね。
「メリアちゃんは明日、どうするの?」
お師匠様が唐突に話題を変える。
「うん、とりあえず、街に繰り出して、人を募集しているところを探そうと思って」
「お、行動力抜群ね、メリアちゃん、偉いわ」
「そうでしょ?」
ボクはむふっと息を漏らす。
「じゃあ、今日は早く寝ないとね」
「そうだね、明日はがんばるぞっ」
「私も頑張るぞ」
布団の中、二人で小さく拳を突き上げる。
「じゃあ、おやすみなさい、メリアちゃん」
「うん、おやすみ、お師匠様」
そう言って、ボクたちはふかふかな夢の中へと落ちていく。




