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山のてっぺん
ザクザクとまっさらな雪に足跡を付けていく。
足元の雪は全く溶けていないのに。
太陽はいつもより近くて、じりじりとボクを焦がす。
雲がもうちょっと頑張ってくれれば、日よけになるのにな。
振り返ると目に映る、斜面に沿った眼下の雲海を見てそう思った。
「お師匠様、本当にこんな山のてっぺんに街なんてあるのかな、消えちゃったりしてない?」
「安心してメリアちゃん、街は消えちゃったりしないわ……ほら、ちょっと見えてきた!」
片方のストックで先を示すお師匠様。
もこもこの服を着ててもあの白い帽子だけは変わらない。
「おお!」
苦節一日、ずっと歩き詰めで登ってきたこの山の頂、そこにはもくもくと白い煙が空へと立ち上っていた。
「あれが星が見える街、アストラノミアよ!」
「アストラノミア!」
「メリアちゃん!ラストスパートよ!」
「うん、お師匠様!」
少しだけテンポを上げる足音。ザクザクとした音色は街まであと少しとボクたちに伝えていて。
次の街への想像は大きく膨らみ始めた。




