第4章 - 彼女
ジェイは王国の街を歩きながら、あらゆる細かいところに目を向けていた。しかし、彼の頭の中はもっと差し迫った問題でいっぱいだった――お金が必要だ。現地の言葉を読むことも書くこともできず、仕事を探すことや看板を理解することもほぼ不可能だった。歩くたびに、自分がこの世界で完全に迷子だということを思い知らされる。
路地を歩いていると、音が彼の注意を引いた。場所は狭く、ぎりぎり五人が並べる程度。乾いた打撃音やもがく音が奥から聞こえる。ジェイは立ち止まり、路地を見つめながら心の中で繰り返した。
「関係ない…関係ない…関係ない…」
歩き続けようとしたそのとき、叫び声が空気を切った――女の子の声だ。
ジェイは衝動で他人を助けるタイプではなかった。しかし、子供のことになると話は別だ。無垢な者を傷つける者を許せなかった。ためらわず、路地の奥へ走った。
そこに見た光景――黒ずくめの二人の男。顔を隠すフード、武器や道具でいっぱいのベルト。重いブーツが地面を叩き、動きは計算された冷酷さを帯びていた。その前には、小さくて弱々しい姿が――銀色の髪と毛皮、狼の耳と尾を持つ少女、十四歳くらい。小さな革袋をしっかり握り、恐怖で目を輝かせていた。
ジェイは一瞬立ち止まり、腕を後ろに組み、状況を見極めようとした。
「…ここで何が起きてるんだ?」と、他人事のように、しかし好奇心に駆られつつつぶやく。「関係ないはずなのに…やめられない…」
一人の男が横目で彼を睨む。軽蔑と脅しが混じった視線だった。
「お前は誰だ?」と、ざらついた声。「関係ないことだ。さっさと出て行け。その服…よそ者だな?」
ジェイが立ち尽くしている間に、もう一人の男が少女に近づいた。怒りに任せ、少女の手から小さな革袋を奪い取る。少女は腕を伸ばして阻止しようとしたが、男は冷酷に押しのける。少女は後ろに倒れ、狭い路地の壁に響く音を立てた。
ジェイの喉に渦巻くものがあった。目を細め、手を握りしめる。通常なら越えないラインを、今まさに越えようとしている自分を感じた。心臓は早鐘のように打ち、頭の中で叫ぶ。
「…じっとしてられない…子供の前では…」
目の前の光景は張り詰めていた――無力な少女、危険な男たち、そして彼、金も手段もない異邦人が介入するか、見て見ぬふりをするかの決断を迫られていた。
路地は命のチェス盤に変わった。ジェイは異邦人でありながら、初めて駒を動かそうとしていた。
もう我慢できなかった。心臓が強く打ち、少女を守ろうとする本能が恐怖よりも勝った。帽子を脱ぎ、後ろに投げ、決意を持って男たちに走った。
地上の人間であるジェイは、基礎的な軍事訓練を受けていた。武器で剣や短刀と戦えないが、素早く動き、正確に避けることはできる。
最初の男はジェイが近づくのを見て、腰の短剣を抜いた。刃が危険な光を放つ。
もう一人はナイフを抜き、しっかり握り、立ちはだかる者を刺す準備をしている。
ジェイはすぐに拳を上げなかった。代わりに男たちの動きを観察する。
一歩一歩、剣とナイフの振りを計算した。
「…この相手には攻撃できない、避けるしかない…」
最初の攻撃が来た。剣が空気を切り、頭に迫る。ジェイは一歩後ろに下がり、体を低くして横に転がる。刃が肩をかすめる感触がした。金属が空気を切る音に、思わず身が震える。
同時に、もう一人の男がナイフを投げた。ジェイは身をひねり、刃がわずか数ミリ届かないところで避ける。呼吸は早いが、制御され、体中の筋肉が正確に動くように感じた。
後ろに下がり、避け、回転し…ジェイはまるで踊るかのように動く。反射神経と筋肉の記憶を組み合わせ、止められない攻撃も正確にそらす。普通の人間には不可能な角度でかわしていく。
突然、少女が地面に倒れた。革袋がジェイの方に転がる。少女は素早く立ち上がり、袋を取り、路地の出口へと逃げた。
「…これが合図だ!」ジェイは心の中で思う。「撤退の時だ」
しかし、その瞬間、一人の男が突然立ち止まった。目は少女に釘付けで、手のひらを向ける。
手に持った武器が、説明できない黄色い光を放ち始めた。
男は逆さまの言葉を口にし、奇妙でねじれた歌のように聞こえる。ジェイは一歩後ろに下がり、目を大きく見開いた。
「…あれは…魔法?」興奮気味につぶやく。「ありえない…!」
一方、もう一人の男はナイフを振りながら前進し、ジェイをさらに後退させようとする。ジェイはかろうじて刃を避け、腕に風が触れる感触を覚える。秒が永遠に続くようで、動きはまさに生死の舞踏だった。
ジェイは直接の攻撃では勝てないと知っていた。しかし、避けるたびに考える時間ができる。呼吸を整え、さっき見た魔法を分析する時間だ。少女は今のところ安全、だが脅威は予想以上に大きい。
路地は張り詰めた緊張、金属が空気を切る音、速い足音、荒い呼吸、そして不思議な黄色のオーラで満ちていた。ジェイは恐怖の中、少し笑みを浮かべた。これが現実だ――魔法、戦闘、危険、そして物語の始まりだ。
ナイフと黄色のオーラを持つ男は、逆さ言葉の奇妙な詠唱を続ける。唇は音楽のような正確さで動く。まるで儀式だ。男は仲間に指示し、ジェイの前から退かせる。ジェイは集中して無防備な状態で、男一人と向かい合う。
ジェイは眉をひそめ、素早く考えた。
「…もし仲間を人間の盾に使えば…多分攻撃してこない」
決意を固め、退いた男に近づく。ナイフを避けつつ、仲間をバリアとして使う意図だ。しかし、ジェイが位置につこうとした瞬間、黄色のオーラの男が素早くしゃがむ。反応する暇はない。
男は光る手のひらを向け、ナイフで素早く動く。刃から強い黄色い光線が生まれ、空気が固まり燃えるように感じた。
ジェイには他の選択肢はなかった。タクティカルベストで衝撃を受け止めるしかない。
攻撃が直撃する。ベストが最悪の衝撃を吸収し、命は助かったが、後ろに吹き飛ばされ地面に倒れる。体は壊れていないが、筋肉が悲鳴を上げ、呼吸が苦しく、立ち上がるのも一瞬ためらう痛みがあった。
「くそ…」ジェイはつぶやき、起き上がろうとする。
その瞬間、もう一人の男が歩み寄り、予告なしに胸を蹴る。ジェイは土袋のように弾かれ、制御を失う。乾いた音とともに空気が肺から出た。
回復する間もなく、二人はジェイを何度も蹴る。ジェイは腕で頭と胴を守り、できる限り防ぐ。打撃のたびに床に体が響き、視界はぼやけ、唇の切り傷から血があふれた。
「…負けられない…」痛みが無限に続くようでも、心の中で思う。「生き延びなきゃ…」
そのとき、まさに二人の力で完全に押しつぶされそうな瞬間、予期せぬことが起こった。
路地に突風が吹き、ジェイの背後に光が現れる。逃げた少女が、未知の物体を手にして現れた。彼女の到着は、一瞬男たちの注意をそらすのに十分だった。
ジェイは痛みの中、チャンスを見た。この気を利用できれば…まだ反撃の可能性があるかもしれない。
ジェイはゆっくり目を開けた。まだ地面に倒れ、道路のほこりと湿り気が肌にくっつくのを感じる。呼吸は乱れ、心臓は強く打ち、体中の筋肉が痛む。危険がどれほど近かったかを思い知らされる。
目の前には小さな影が立っていた。
少女は小さい体にもかかわらず、背筋を伸ばし、銀色の目を決意に輝かせていた。右手には小さな物体を握っている。ビー玉かコインほどの大きさで、淡い青い光を放つ。その光は生きているかのように動き、路地の壁に踊る影を映す。
二人の男は突然立ち止まり、無意識に後ずさる。体はこわばり、目は見開かれる。恐怖が顔のしわや汗、肩の緊張にまで現れている。一人が震える声で言った。
「少女…どうしてスコーピオンの心臓を使えるんだ…」
もう一人は息もままならず、武器に手を震わせて近づけない。ジェイは地面から見守り、動けないながらも緊張が自分の神経にまで伝わるのを感じた。小さな物体がこれほどの恐怖を与えるとは理解できなかったが、緊急性は明らかだった。
少女は顔を上げ、二人をまっすぐ見つめた。表情は真剣で、揺るがない。口から出る言葉には思いがけない重みがあり、小さな体が路地全体の力を受け持ったかのようだった。
「立ち去りなさい。そして、この人と私に触れないで」
男たちは素早く互いに目を合わせ、恐怖が目に広がる。何も言わず、濡れた石畳に少しつまずきながら後退を始める。ブーツの音が響き、恐怖に駆られ振り返らず走り去る。去り際、声が路地に反響する。
「少女、その物はお前のものではない…誰かが探す…何をしても…その者はスコーピオンの心臓のために殺す…」
ジェイは数秒間その場に横たわり、息を整えながら脅威が徐々に消えるのを見た。少女は目を離さず、静かで慎重な歩みで彼のそばに来た。小さな足を慎重に持ち上げ、そっと腕に置く。かすかに触れるだけ。
ジェイは目を閉じ、思わぬ安堵を感じた。その仕草は、まだ守ってくれる存在がいること、危険の前で支えてくれる者がいることを思い出させる。少女の呼吸、真剣で落ち着いた視線が、同時に安心と決意を伝えてくれる。
一瞬、世界が止まったようだった。
近くの屋根から雨が落ちる音、逃げる男たちの足音の遠い反響、青い光を放つ小さな物体、そして警戒する少女。ジェイは知っていた。疲れて地面に倒れていても、立ち上がることができる。誰かが自分のために守ってくれた、それだけで再び力を得られるのだと。




