思考
アルバートはとりあえず、家の外に出た。
外なら大量の食料があると考えたからだ。
しかし、中々行動に移せ無かった。
理由は明確だった。
子供1人で1人の大人を襲う事は彼にとっては容易だったが、その他大勢の食料が襲って来た場合確実に食料に殺されてしまう。
それならば……とアルバートは考えた。
この時のアルバートの知能は5歳のものでは無くなっていた。
アルバートはその場で泣き出したのだった。
その事でアルバートに近付いて来た大人の食料にアルバートは狙いを定めた。
「坊や、どうしたんだい??もう、明るくなってしまうよ??」
食料はそうアルバートに声をかけながら頭を撫でた。
「……ママとパパ、居ないの……。」
ヒックヒックとしゃくり上げた泣き声でそう訴える。
子供が外に居る現状と両親が居ない状況により、食料はヴァンパイアが子を残して居なくなる筈は無い。と考え大人数人呼んで家を確かめようと思い、人を呼びに行く事を告げ一旦少年から離れてしまうがすぐに戻ってくる事を告げ離れようとしたが、アルバートはその食料の服の裾を掴む。
この時のアルバートはこの食料を逃してなるものかと必死だった。
「一緒に、お家行ってくれない?お家探して?」
アルバートはこの食料のみを家に連れていき捕食しようと考えた結果、家に来て両親を探して欲しい弱ってる少年を演じた。
そんな少年を放っておけ無かった食料はアルバートの罠まんまとハマりアルバート宅へ付いて行く事になった。




