次の食事
父が帰宅すると妻が居ない事を不思議に思いアルバートに聞く。
すると、アルバートは笑顔を浮かべながら美味しかったよ。と微笑む。
父が妻の行方を訪ねた答えが美味しかったとの返答に疑問を持ち思考を巡らせている内にアルバートが抱きついて来て首筋に牙を突き立てる。
驚き、アルバートを引き剥がそうとするが離れない。とても子供の腕力では無かった。
必死に抵抗するが身体から力が抜けていく。それに比例するかの様にアルバートの力が強くなる。
アルバートは無我夢中で父の血を吸う。
母の血も、父の血も美味しい。
人間の血はあんなにも不味かったのに、今飲んでる父の血は凄く美味しい。母の血も美味しかった。
もっと色々なヴァンパイアの血が飲みたい。
そう、思考しながら父の血を吸っていたら、父も灰となってしまった。
まだ、お腹は満たされない。
もっと、欲しい。
どうしたら、食料は僕の元に来てくれるのだろうか?
僕が哀れに見えれば助けようとした食料の血が飲めるかな?
アルバートにはもう、ヴァンパイアは同族では無く、美味しそうな食料にしか見えて居なかった。




