初の美味しい食事
最後の血液型を入手出来た時にはアルバートは5歳になっていた。
ヴァンパイアは幼少期は人間と同じ様に育ち、一定の年齢で見た目が止まり何百年、何千年生きる種族である。
その為、搾乳器が無いアルバートの母は歯が生え揃ってきていて牙も鋭くなってきたアルバートに細心の注意をしながら母乳を与えていた。
そんな中やっと最後の血液型を手に入れた母はアルバートに与え、これを飲んでくれる事を願った。
しかし、その希望は一瞬でもろく崩れ去った。
そんな中悲劇は起きてしまった。血液が飲めないなら母乳を与えるしか出来ない母はRHでの血液の買い直しの検討をしながら与えて少々注意散漫になっていた。
母乳を飲むアルバートの牙が母の乳首に刺さり血が出てしまったのだ。
母は痛みで気が付きすぐにアルバートを引き離したが、少量だが母の血を飲んだアルバートは初めて美味しい。と感じ母の首筋に噛み付いた。
人間からの血液の摂取の仕方等教えていないが、アルバートは本能でその行動を取った。
母は驚き、必死にアルバートに血液を吸う事を辞める様に良い引き剥がそうとするも、5歳とは思えぬ力でしがみつき飲む。
母は飲まれながらこの行為は禁忌だと教えながら剥がそうとするが一切離れ無い。
次第に母から力は抜けアルバートが満足する頃には母の血液を飲み干し母は灰になってしまった。
アルバートは母の血がとても美味しかったので、そのまま父の帰りを待っていた。




