はじめての転生 -感動する暇はなかったー
なんなんだ、あいつ!
名前は良いとしてもなんで年齢を言うんだよ!
急に現実感が出てきてせっかく異世界転生してテンションMAXだったのにすごくテンションがさがる。
白い光が消えて景色が見えてきた。
さてどんなところに転生したんだろうか・・・。
ダンジョン・・・ダンジョン内っぽい。
いきなり?普通こういう時は町とか城とかせめて森の中とかいきなりダンジョン内って・・・あいつ使えないな。
しかもダンジョンのどの辺にいるのかわからん地下何階なのか?
このダンジョンの攻略目的とか達成条件とかわからんことが多すぎる。
あんなチュートリアルするなら、こういうところもちゃんと説明するべきなんだと思うんだが・・・。
さて、とはいえ途方に暮れていても仕方がない。
ちょっと探索してやるか。
しかしあのガチャ・・・ひどくないか?
防具なんか中途半端に出しやがって右籠手は赤い色、左籠手はない。
左足部分は黄色い防具、右足部分は出なかった。
胴体の部分は紫色、頭はむき出し。
完全にバランス悪い・・・って言うかはたから見たら変態だろこれ。
いきなり来たのがダンジョンだから大丈夫だけどこのまま町へ行っていたら変態扱いされるに違いない。
このダンジョンを出たら一回全部脱ぎ捨てよう。
とりあえずまずは出口を目指して・・・・ん?
目の前になんかいるぞ?
なんだあれ?
大きくてなんか見たことある感じの・・・あれは・・・ドラゴン!!
ヤバいヤバいヤバいヤバい!
逃げろ!
ヴォォォォォォォォオオオ!!!
ドラゴンは炎を吐き出した。
ドラゴンブレス!!
佐竹武志は死亡した。
「佐竹武志よ死んでしまうとは何事だ。不甲斐ない不甲斐なさすぎるぞ」
「何を言ってやがる!いきなりドラゴンと戦わされていることのほうがおかしいだろ!普通ゴブリンとかスライムとか倒しやすそうなモンスターがいる所からスタートするだろ!」
「そんな頃もあったな。しかし今や人材不足じゃ転生する先は増える一方なのに転生したい奴が減り続けている。転生先を選んでやる余裕がないんじゃよ」
「減ってんの?日本じゃ転生流行ってたと思ってたんだが」
「確実に減ってる昔はこの場所も列をなして転生の順番待ちが出ていたんじゃが最近ではめっきりじゃ転生先が増えすぎて追いつかんのじゃ」
「はあ・・・だからといってあんなドラゴンのいるところとかいきなり行かせないでもいいだろ!」
「いや危険なモンスターのいる場所ほど転生者を求めているんじゃ。危険の所から優先的に転生するぞ」
「なんて迷惑な」
「さあ次の転生先に転生するぞ」
「もう?もう行くのか?」
「行くぞ佐竹武志・・・」
「待て待て休憩とは言わんが新しいスキルとか武器とか何かないとまた同じ結果にならないか?」
「金があるならガチャを引けば良い・・・しかしお前は前回の転生は何も倒すこと無く帰って来たので所持金ゼロだ。とりあえず行くが良い幸い前回の戦闘で若干能力は上がっている」
炎耐性+1
耐久力+1
体力 +1
「以上だ」
まばゆい光に包まれ俺は新しい世界へ異世界転生した。