表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
都会のすみに  作者: 志鹿よいすけ
1/1

1 少女



青年は気づくと見たことのない路地裏にいた。

不思議な空間だったが、見たことがないといっても現実にありうる範疇(はんちゅう)の不思議だ。


狭いとも広いともない路地裏に、まるいキノコのような形の屋根をした家がある。

これが、屋根はキノコのようなのに、柱は壁が長方形になるように組まれているのだからやはり不思議だ。

さらには背の高いビルに、まるで家を隠すように囲まれている。

「…ふう。」

青年は顔をこわばらせているものの、妙に落ち着きがある。


あたりを見渡し、まるい屋根の家に向かって歩き始める。

すれ違う猫に挨拶しながら家の前まで来ると、スッと初めからここを目指していたかのような、そんな感覚が流れ込んでくる。

なんとなく、まるいほおずきいろの屋根が愛らしく感じる。

ふと時計に目をやると7時過ぎを指していた。

心地のよい感覚に流されるままに、青年はすべてを忘れ木製の白い戸をコン、ココンと叩く。

少しして

「はーい。」

と元気のよい透き通った声がトントンと階段を降りる音とともに近づいてくる。


扉が開かれるとそこには14、5歳であろう少女が両頬を上げて、嬉しそうに立っている。その少女は白いヨレヨレのシャツをかぶって、下にはサイズがおかしいジーンズをひもで縛って履いていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ