表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/4

隠された本音

【放課後シグナル】


◇第4話◇ 隠された本音


昼休み、生徒会室では、直人、優馬、そして生徒会長の三人が次の学校行事について話し合っていた。


「文化祭の出し物、どうまとめるか…」


会長が頭を悩ませている中、優馬がふと口を開く。


「直人、放課後は空いてる?」


「ちょっと用事があるかな」


直人はノートにメモを取りながら、軽く答える。


「さくらと卓球の練習するんだって?」


優馬は意味深な笑みを浮かべ、まるで何かを知っているような口ぶりだ。


「え、なんで知ってるんだ?」


直人は一瞬、ペンを止める。


「いや、ちょっと耳に入っただけ。さくらが直人に声をかけてるところを見かけたからさ。」


「別に、ただの友達として手伝うだけだよ。」


直人は平静を装うが、優馬の視線は鋭い。


「ふーん、ならいいんだけどね。」


生徒会長は二人のやりとりに気づいていないふりをしつつ、話を次の議題に進める。


---


放課後、直人は教室に戻る途中、廊下でばったりさくらと出会った。


「あ、直人! 今日、放課後大丈夫?」


さくらは卓球バッグを肩にかけ、期待に満ちた瞳で見上げてくる。


「うん、大丈夫だよ。行こうか。」


「やった! じゃあ、卓球場まで一緒に行こっ!」


二人が並んで歩く姿は、周りの生徒たちの目を引いていた。


「ねぇ、直人って、やっぱりモテるよね。」


さくらがぽつりと言う。


「そんなことないよ。…なんで?」


「ううん、なんでもない! ただ、陽奈もよく直人と一緒にいるし…」


直人はさくらの言葉に少し引っかかりを覚える。


「さくら、陽奈のこと気にしてるの?」


「えっ、いや、そんなことないけど…」


さくらは顔を赤らめ、視線をそらす。


(もしかして、さくらも俺のこと…?)


直人の胸の中に、少しだけ期待が芽生える。


---


その光景を、廊下の影から見つめる優馬。


「なるほど、二人の距離は確実に縮まってる…か。でも、まだまだだな。」


彼はスマートフォンを取り出し、陽奈にメッセージを送る。


『さくらと直人、今一緒に卓球場に向かってる。どうする?』


すぐに返事が来る。


『へぇ、面白くなりそう。様子を見てから動くわ』


優馬は満足そうに笑い、携帯をしまう。


(次は、どんな一手を打とうか…)


物語の裏で動き出す思惑。放課後のシグナルは、まだ消えない。



やる気はあります

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ