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ふと悲しみの星は流れる

作者: 秋葉竹
掲載日:2025/02/12


 ふと悲しみの星は流れる


そのとき聴こえた

忘れられそうもない歌声が

いまも僕のこころを波立たせて

夢を追う悲しみをこの身にまとわせるのだ

ときに狂おしいほどの

無力の罪にこのこころを焼かれそうになり

もはや諦めるしかないのかと

かえりみた両の手に

掴んだかがやく光とてなく


ただ夜の中

世界の記憶を騙して騙して

彷徨うしかない哀れな風ばかり

黎明の

切実な美しさに

やわらかに

なだらかに

そしていずれこらえきれずに

強烈に

激烈に

疾風となり

すべてを薙ぎ倒す一途さで

あからさまに吹き

吹き

吹きまくり

つづけるだろうけして寂しくならないために


ただそのとき聴こえた

忘れられそうもない歌声の持ち主に

ふと

ちょっとだけ

軽めのキスをしてみたいなと

その歌を歌う唇に

『歌っちゃ、ダメ』って

目で語ってさ

そんなシーンがその奇しき白昼に

あってもよいのではないかと


羽ばたくアゲハ蝶が幻だったとしても

のけぞる快感の背骨が陶酔だったとしても


そのときには忘れられない

真新しい静謐が

瞳のおくに静かな喜びをたたえて

揺蕩っているのだと想う


夜は

またべつのせつなさを

嘘みたいに遠いところで憶えたりする


そして不眠の静けさのかなしみみたいな

夜は更け


更け


明け


そしてしっかりと睡眠をとった太陽が

あからさまな笑顔で

僕を滅ぼしに

やってくるのかもしれない


僕は

どんな策も想いつかないまま

なすがまま

あるがまま

これからも

生き延びつづけ

つづけ

つづけてゆくのだろう


てのひらからこぼれ落とした

無意味みたいな未来をしっかりとみすえ

疾しい生きかただけは

しないで生きてゆくことを

希み

欲し

念じ

誓いきる


その誓いの明るさこそが

とんだ悲しみを消し去ってくれる

ましろくて

すこしは汚れたままの

立っていられる『純』かも

しれないよね







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