MideBairon RoiBairon キャラ設定
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Mide Bairon
現在22歳
メインジョブ:詩人
幼少期に捨てられ、拾われた先の吉原で禿として過ごす。
名代になるまでに成長したMideだが、12の頃に何者かに連れ去られ施設に入る。
そこは18歳までの子供らの人身売買を行っている組織のようで、毎日のように顔見知りがいなくなっては新顔がやってくる。
その施設内では珍しく読み書きができたMideは、商品とされる子供たちに最低限の常識を教えるという契約の元18歳になるまでは施設においてもらえることになった。
施設内では大人からも子供からも煙たがられていたが、Mide自身も冷めておりおもしろくもない毎日をただ命がある限り生きているだけだった。
とある日、施設にヴィエラの子がやってきた。
名前はRoiと言ううらしく、施設にきてしばらくは泣いていた。
ほかの子たちのように授業を嫌がるかと思えば、非常に熱心に学ぶ子だった。
与えた絵本は読みつくし、外の世界のことを話すと目を輝かせて話を聞く。
MideはRoiをとても可愛がっていた。
3年ほどたった夜、Roiに買い手がついたという話を聞いた。
MideはRoiを叩き起こして、施設を抜け出した。
逃走の際にはぐれてしまうものの、2年越しにグリダニアにて再開。
そこから同じ屋根の下で育ち、お互いの目標をもとに旅をしている。
「Roiあんたどこまで大きくなんのよ。変な薬でも飲んでるの?」
「NEWHOMEに顔出しに行くけどあんたも来る?もちこちゃんいるわよ?」
「あんたと話してると首が痛むから座ってよ。…あんた今馬鹿にしたでしょ」
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Roi Beamus
現在18歳
メインジョブ:格闘士
父と二人暮らしだったRoiは幼いころから格闘術を教えられていた。
気が弱く、まともに狩りもできないほどだったが父はそれでも見放さずに面倒を見てくれていた。
8歳になって間もない頃父と狩りに出ているときに攫われ、施設へと連れていかれた。
Roiはそこで初めて「狩り以外のこと」を教わった。
世界はあまりにも広いことを、たくさんの人や動物が暮らしていることを知った。
Roiはやりたいことがたくさんできた。もう泣かなくなった。
ある夜、Mideに起こされる。
「逃げるよ」とMideはひとことだけ言うとRoiと手をつないでただただ走り続けた。
道なき道を走っていると、後ろから大人たちが追いかけてきていた。
「これからあんたに世界を見せてあげる。だから辛くても寂しくても走り続けて。必ず迎えに行く。振り向かずに走るの。いいね?」
なにがなんだか分からないままMideに背中を押される。
「行って!」
そこからは無我夢中で走り続けた。
走り続けていると、とある集落についた。
Roiを見つけた女性は、何も聞かずにRoiを自宅に迎え入れた。
Roiはそこで商店の手伝いをしながらMideを探し続けた。
そこからグリダニアのマーケットでMideと再会。
そこから同じ屋根の下で育ち、今では各々の目標を達成するために旅に出ている。
「もちこさーーーん!!今日デート行きません!?忙しいか!じゃあまた今度!」
「姉ちゃん!ないって言ってた毒薬買ってきた!え?これじゃない!?」
「もちこさんって好きな人いんのかな…、でかい人が好き?俺まぁまぁデカくない!?」
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Mide【13歳】
吉原の帳が開ける前、Mideは決まって姐さん女郎に歌をせがんだ。
「姐さんのお歌、わたしとってもだいすき!」
「そうかい、Mideはお歌が好きなんだね。歌は孤独から救ってくれる。さみしくなったら歌うといいわ。」
「姐さん、さみしいの?」
「こんなにちいこくて愛おしいあんたがいるのに、寂しいわけないでしょう?さあさあこっちにお寄り。」
施設の夜はとても寒く暗い。
Mideは歌をぽつりと歌う。
今がどれだけ寂しくても悲しくても、Mideには歌があるのだから。
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Roi【13歳】
「お姉さんの手がかりは見つけられたかい?」
「全然ダメでした…。あ、これ今日の売り上げです。」
いつも通りお店を閉めて、明日の品物の準備をする。
あの日から明日で5年になるのに、Mide姉ちゃんの足取りは全く掴めていなかった。
「お墓に名前はなかったんだし、希望を失うんじゃないよ。じゃあこれ、明日冒険者さんがうちの店に取りに来るから渡してあげて。」
「わかりました!おやすみなさい。」
きっと姉ちゃんは生きてる。次は俺が守れるようになりたい。
あの時の悔しさを噛みしめながら、今日も木人を殴り続ける。
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【施設脱走の夜】
どれくらい走っただろうか、足の感覚がなくなってきている。
私たちの脱走がばれたんだろう、遠くから施設で聞いたことのあるサイレンが聞こえてきた。
「姉ちゃん、どこ行くの?」
Roiが不安そうな目で私を見る。
困惑しているだろうに、私を信じて小さな足を止めずに走り続けくれている。
「この世界を見渡せるような高い高いところに行くの。どれだけ時間がかかるかわからないけど、私たち2人なら絶対にいけるから。」
申し訳なさはあっても、迷いはなかった。
あんなに輝いた目で外の話を聞くこの子を、鳥籠の中に閉じ込めておくわけにはいかない。
買い手先で見れたかもしれない景色なんか、いくらでも私が見せる。
私の知らないところでこの子が不幸になるくらいなら、私のすべてを捧げてでもこの子を幸せにする。
この子はこの寂れた世界に対して希望を抱いているのだ。それは私の希望にもなった。
「ぼく、全然疲れてないよ!姉ちゃんと一緒ならどこまでも走れる!」
「…うん、私も。あんたが一緒ならなんでもできそう。」
視線を合わせ、強く手を握りしめる。
その瞬間、腕に激痛が走った。
「…ッ!」
追手の弓の切っ先が腕をかすめたようだ。生温い液体が腕から手のひらへと流れていくのが分かる。
もう、追手はすぐそこにまで来ている。
ここで捕まったら何もかも終わり。良くても一生鳥籠の中だろう。
「それ、腕…」
今にも泣きだしそうな顔で、私を見つめるRoi。
もう二度と、こんな顔はさせない。
「Roi聞いて。これからあんたはその目で世界中を見る。必ず迎えに行くから、辛くても寂しくても走り続けて。振り向かずに走るの。いいね?」
背後からまた矢が降ってくる。次は肩にぶすりと深く刺さったようだ。
「姉ちゃん!」
「…ッ早く!行きなさい!」
勢いよくRoiが飛び出す。
お願いだから振り向かないで、どうか遠くまで走って。
「さてと、…よいしょ」
計画も無しに走ってきたわけじゃない。
処置室から盗んできた毒薬を取り出し、矢の切っ先に纏わせた。
追手たちが私の姿をはっきりと見つけ、まっすぐに向かってくる。
「私の覚悟、見せてあげる。」
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【店番Roiくんと5年分の想い】
今日も今日とて店番。
グリダニアのマーケットはいつでも賑わっていて、活気に溢れている。
「…お、包帯緩んでる」
昨日の木人を殴っていた時のけがが、包帯の隙間から見えてしまっていた。
じくじくと痛むが、日々強くなっている証拠だと思うと痛みさえ愛せるようになってきた。
店の裏にある救急箱を開けると、いつの間にかすっからかんになっていた。
「あれ、包帯もうなくなってる…最近遅くまで練習してたしなぁ…」
店を空けるわけにもいかなしな、と悩んでいると
「これ、よかったら使って」
と女性の声がした。
「わ、いらっしゃいま…せ………」
お客さんに気づかなかったことに焦りながら振り向くと、そこには一人の女性が立っていた。
黒い角に綺麗な鱗模様、黒髪に赤色のメッシュ。
そして何よりも、白と緋色のオッドアイ。
この5年間、1秒たりとも忘れなんてしなかった。あの頃の記憶が脳内を激しく駆け回る。
「…姉ちゃん?」
「言ったでしょう。迎えに来る、って。」
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