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第2話「厨二病、話をする。」

「行くぞアルソフィナ王国!って言ってもさ、どれくらい着くまでかかるの?」


僕がいい感じで、勇者っぽさもあるセリフを言った後にアルゴンがそう言った。


「そうですね…。 何も無ければ1週間程でしょうね。」


何も無ければか…。

何も無ければいいね、本当に。


「ソレはかなり大変ですね。」


アリナさんがコメスさんに言った。


「はい…それもあってここらで馬車を捕まえたかったのですが…。」


申し訳ないと言うようにコメスさんがそう答えた。


「コッチもマジックアイテムでアルソフィナ王国に直接行けないの?」


アルゴンがあれ?という感じでコメスさんに言った。


「確かにそうなんじゃ無いですか?」


アリナさんがそれに反応した。

確かにそうだな。

コメスさんは大商会の会長さん、かなりお金は持っているはずだからマジックアイテムを持っていてもおかしくない。


「マジックアイテムというものはかなり特殊な物なんです。特に、長距離の移動では。」


…そう言えばアニメとかだと、マジックアイテムを使うためには条件がある物もあった。


「条件か?」


僕は聞いた。


「良くご存知ですね、その通りです。長距離のマジックアイテムは1度行ったことのある場所しか行けないのです。」


1度行ったことのある場所しか…。

商人さんなら行ったことはありそうだけどね。

コメスさん、アルさん達と会った時は地方からクメシアルに帰る途中だった。

結構どこでも行ってそうだけど…。


「コメスさんは行ったことは無いの?」


そうアルゴンが聞いた。


「はい、アルソフィナ王国は西の帝国程ではありませんが、かなりの鎖国国家。 そしてあの国は完全な貴族主義。 クメシアルで有名でも、ラファルク王国で有名でも貴族の方々は取り合ってくれません。」


プンッとした感じでコメスさんはそう言った。


「なので商人にとってはそんなに行く意味はない場所なのです。 今考えると、行っておくべきでしたが…。」


また申し訳ないと言う雰囲気が出ている。


「いえいえ、別に。 今回のはしょうが無い事ですし。」


僕はコメスさんを軽くなだめた。

そもそもここまで付いて来てくれるだけで助かってるから、別にそれ以上の事はそんなに求めていないし。





馬車は進んで行く。


「アルソフィナ王国に行く上で何か気を付ける事とかはありますか?」


アリナさんがコメスさんに聞いた。


「そうですね、そういう事も私が知っている事は全てお話しましょう。」


コメスさんはそう言ってくれた。


「まずは行くまでです。 アルソフィナ王国はクメシアル、ラファルク王国以上に魔王城に近いです。つまり、」


コメスさんは「つまり」という所で声を大きくした。

要注意ってことかな。


「アルソフィナ王国周辺に住んでいるモンスターの数も強さもレベルが違ってきます。」


そしてそう言った。

確かにクメシアル、ラファルク王国に比べると魔王城からの距離は近いが…そんなに変わる物なのか?

スモールシティ周辺で出会ったモンスター達と、クメシアル周辺で出会ったモンスター達、魔王城からの距離は結構違うが、そんなにモンスターが違うとは思わなかった。


「そんなに変わるですか?」


元Aランク冒険者のコメスさんがそう言ったので不安になって聞いた。


「はい…かなり変わります。 そもそも、勇者様はクメシアルでも魔王の被害が少ない場所、南側しか訪られておりません。」


確かにクメシアルでもラファルク王国に近い方しか行ってはいない。


「ラファルク王国側ではなく、魔王城側はかなり大変なんですよ。」


確かにそうなのかもしれない。

本当に今は騎士団の人達が一緒に来てくれて居ないけど…大丈夫なの?

前に見たミノタウロス級の上来たら全滅しかけるよ。


「コメスさんは今はどれぐらい戦闘が出来ますか?」


アリナさんが聞いた。

大体、こういう事は戦闘で指示を出すアルゴンが聞くんじゃないの?

おいアルゴン!

欠伸をしちゃってるよ…。


「今でもB級のモンスターでしたら私一人でも問題なく倒せます。 A級のモンスターは全盛期の頃は行けましたけども、今はちょっと辛いですね。」


コメスさんは答えた。

ちなみにだけど、この前のミノタウロスは何級だったんだ?


「ソレは心強いですね!」


アリナさんが反応する。


「勇者様方で戦闘が得意な方は?」


今度はコメスさんが聞いてきた。


「俺とアルゴンは出来る。 アリナさんは…。」


アリナさんってどうなんだ?

呪い攻撃〜とか、出来るのかな?


「私は…アルゴンさん、ごめん。 パーンチ!」


アリナさんはそう言って寝てるのかは分からないが、目を瞑っているアルゴンにパンチをした。

スカッ。

アリナさんの手は案の定アルゴンに当たらずに通り抜けた。


「…。 無理です!」


堂々と、開き直った様にアリナさんは言った。

ヤバイよ。

このパーティー、まともに戦闘が出来るのは御老体のコメスさんしか居ない。

僕とアルゴンはゴブリンくらいとしか戦って無いし…アリナさんは攻撃は当たらないし…。


「閃いた!」


急にアルゴンがそう言った。


「シャーロットが居なくてどう戦おうか悩んでいたけど…」


そう言うアルゴン。

確かに今、シャーロットのオトリ作戦は良くも悪くも出来ないな。


「アリナさんにオトリをやってもらおう!」


…そう来たか。

でも良いかもしれない。

アリナさんに攻撃はベルガさんとかじゃ無い限り当らない。


「…別にそれで良いですよ〜。」


アリナさんは気軽に答えた。

気軽に答えて良かったのか?

まぁ、いっか。

コメスさんもアリナさんオトリ作戦に関しては


「確かにですね。」


と言っているし。

いや…こんなに呑気に話している場合じゃなくない?

まぁ、シャーロットが拐われた理由は奴隷関係じゃ無いし、大丈夫か!

多分…。

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