⭕ 井戸の中からパンパカパ~~~ン♥️ 3
ガンライ
「 ………………オレはラジオより鞄を返してほしいんだかな~~ 」
ラジオの精
「 それは “ 出来ない ” って言ったろ。
同じ事を2度も言わせないでほしいなぁ。
ペナルティを与えちゃうぞ★ 」
ガンライ
「 ペナルティ?
どんなのだよ? 」
ラジオの精
「 写真を撮ったら、もれなくカ◯コが写ってくれるよ~~ 」
ガンライ
「 カ◯コ?
サ◯コはどうしたよ 」
ラジオの精
「 サ◯コはビデオ派だから写真に写るの嫌なんだって。
カ◯コは写真に写るのオッケーみたいだから頼んだよ★ 」
ガンライ
「 いや、可怪しいだろ!
何で妖精がサ◯コやカ◯コと連絡が取れるんだよ!! 」
ラジオの精
「 何でって、チャッ友だからね~~ 」
ガンライ
「 何だよ、チャッ友って!
明らかに可怪しいだろが!! 」
ラジオの精
「 チャット友達だよ~~。
今日日、妖精だってチャットするんだよ 」
ガンライ
「 お前、ラジオの中に閉じ込められてたんだろが!
ラジオの中でチャットなんか出来るかよ! 」
ラジオの精
「 分かってないなぁ~~。
友情パワーは不可能すらも可能にする力を秘めてるものさ 」
ガンライ
「 なんて嘘臭い事をドヤ顔で言いやがるんだ、この妖精は…… 」
ラジオの精
「 嘘臭いって失礼だなぁ~~。
僕の言う事を信じられないなら、貞◯子をペンデュラム召喚しちゃうぞ! 」
ガンライ
「 あ゛?
貞◯子って何だよ? 」
ラジオの精
「 サ◯コとカ◯コが合体融合した最終形態前の姿さ★ 」
ガンライ
「 最終形態……って何だよ… 」
ラジオの精
「 最終形態は──、最終形態だよ! 」
ガンライ
「 分かってないのかよ… 」
ラジオの精
「 そんな事より、いい加減にラジオを選んでほしいんだけどね! 」
ガンライ
「 ………………まるで木こりの斧みたいな話だな…。
じゃあ…………金のラジオにするわ。
質屋に持ってけば金に変えれそうだしな 」
ラジオの精
「 いきなり質屋に持って行く気かい? 」
ガンライ
「 此方は鞄と一緒に財布も落としてんだぞ!
文無しなの!
スマホも新しく買わねぇといけないんだ。
金が要るんだよ、金が! 」
ラジオの精
「 やれやれ…だなぁ。
お金が欲しいなら、銀行強盗でもリーマン狩りでもしなよ 」
ガンライ
「 誰がするかよ!
妖精が犯罪を促して良いのかよ 」
ラジオの精
「 捕まるのは僕じゃなくて君だからね。
問題ないない 」
ガンライ
「 オレにあるだろが!!
──ラジオを選んだんだから早く金のラジオをくれよ 」
ラジオの精
「 偉そうに催促しないでほしいなぁ。
“ 泥のラジオ ” にしちゃうぞ★ 」
ガンライ
「 …………井戸の中へ叩き落としてやろうか? 」
ラジオの精
「 残念でした!
人間に僕は触れないよ。
妖精,精霊は虹のようなものなんだ。
見えはしても実体が無いから、触れたり捕まえたり出来ないのさ 」
ガンライ
「 だったら何でラジオの中に閉じ込められてんだよ? 」
ラジオの精
「 世の中ってのはね、摩訶不思議な出来事が当たり前のように起こるものさ 」
ガンライ
「 それらしい事言って誤魔化すんじゃねぇよ 」
ラジオの精
「 ──コホン。
気を取り直して……、君は嘘吐きだね! 」
ガンライ
「 はぁ?
お前、選択肢が3つしか無かったろうが!
何が『 嘘吐き 』だと、コノヤロー! 」
ラジオの精
「 嘘吐きな君に僕からプレゼント・フォー・ユーさ!
有り難く受け取りたまえ。
頭が高いぞぉ 」
ガンライ
「 …………今度はラジオを肥溜めに落としてやるから覚悟しとけよ 」
自称ラジオの精はガンライの前に中ぐらいのツヅラを出しました。
ガンライ
「 ………………おい、妖精。
金のラジオはどうした?
何でツヅラなんだよ?
開けたら舌を切られた雀が入ってたりしないよなぁ? 」
ラジオの精
「 雀の舌なんて切らないよ。
玉手箱を切らしてるからツヅラにしてるだけだよ 」
ガンライ
「 はぁぁぁぁああああ!?
玉手箱だってぇ!?
煙が出て来てジジイになるヤツかよ!
要らねぇわ、そんなもん!!
金のラジオを寄越せよ! 」
ラジオの精
「 僕は “ 金のラジオを選んで ” とは言ったけど “ 贈呈する ” とは一言も言ってないよ。
良いからツヅラを受け取りたまえ 」
ガンライ
「 要らねぇよ! 」
ラジオの精
「 我が儘さんだなぁ、君は!
じゃあ、とっておきの情報も付けちゃうよ★
サ◯コの呪いを終わらせるには、サ◯コが父親から落とされた井戸の中へビデオテープを落とせば良いのさ。
ダビングしたビデオは駄目だよ。
呪いの原本となった本体のビデオテープだからね。
因みに映画撮影に使われた此処の井戸じゃないからね~~ 」
ガンライ
「 原本のビデオテープなんか何処にあるんだよ? 」
ラジオの精
「 そんなの僕が知るわけないだろ。
僕は精霊じゃないからね、探し物は出来ないよ 」
ガンライ
「 使えない奴だな~~ 」
ラジオの精
「 酷いなぁ。
僕は有力な情報を提供してあげたのに。
呪いの原本のビデオテープだけど、サ◯コにも何処にあるかは分からないってさ。
国内にはあるそうだから、頑張って見付けなよ。
見付けたら、サ◯コの遺体が未だある井戸の中へ井戸ポチャするんだよ。
えぇ~~と、見付けてから2日以内にだっけ? 」
ガンライ
「 見た日から1週間後だろ。
オレはビデオデッキなんて持ってないから見ねぇけど 」
ラジオの精
「 そうなの?
持ってるだけじゃ呪われないんだ?
もう、サ◯コは優しいなぁ。
持ってるだけで呪われるようにすれば良いのにさぁ 」
ガンライ
「 余計な事をサ◯コに吹き込むなよ!
変な呪いが追加されたら困るだろうか! 」
ラジオの精
「 サ◯コがね『 呪いのビデオテープは、電脳ウィルス兵器の試作品だから見付けたら、ネットにアップして世界中に拡散してほしい 』ってさ。
電脳ウィルスで世界征服なんてサ◯コの野望はデッカいよね! 」
ガンライ
「 電脳ウィルス兵器だと?!
そんなの聞いて拡散するかよ!!
馬糞の中に捨てるわ!! 」
ラジオの精
「 未だ試作品なんだから大丈夫だよ。
ビデオテープが作られてから100年前は、見た日から1ヵ月で呪いに感染して死んでたけど、50年前は1週間で呪いに感染して死ぬ迄に電脳ウィルスが進化したんだってさ。
──で、つい最近の20年前には、2日で呪いが感染して死ぬぐらい強力に成長してくれたらしいよ。
呪いのビデオテープの電脳ウィルスの感染力が未だ健在なのか知りたいんだってさ 」
ガンライ
「 やらねぇよ!
そんな危険な電脳ウィルスを世界中に拡散なんて出来るかよ!
オレが人類の敵になっちまうだろうが 」
ラジオの精
「 協力してあげてよ。
サ◯コは自力で呪いのビデオテープを探せないんだよ。
回収する気は無いみたいだけど 」
ガンライ
「 知るか!
大体、日本の何処に有るかも分からんビデオを探す程、オレは暇人じゃねぇんだよ 」
ラジオの精
「 あっそう?
無理なら仕方無いか。
取り敢えず、サ◯コの呪いを止める方法は教えたからね。
忘れたら、駄・目・だ・ぞ★ 」
ガンライ
「 お、おぅ……。
──で、ツヅラは開けても大丈夫……なんだろうな?
煙が出て来てジジイになったりしねぇよな? 」
ラジオの精
「 長寿の象徴、鶴になれるよ 」
ガンライ
「 ゴミ捨て場行き決定な! 」
ラジオの精
「 冗談だよ、マイケル冗談☆
人間がジジイに変わった後に鶴になるわけないっしょ。
亀になって乙姫様の暮らす竜宮城へ向かったんだよ。
亀は万年生きる長寿の象徴だからね! 」
ガンライ
「 亀にもならねぇだろ… 」
ラジオの精
「 約束してほしいんだ、ガンライ。
ツヅラを開けるのは “ 旅館に着いてから ” って。
旅館の敷地内に入ったら開けても良いから、それ迄は何が起きてもツヅラを開けないでほしい。
誓える? 」
ガンライ
「 旅館の敷地内に入ったら開けても良いんだな?
何だよ、簡単じゃねぇか。
任せろ、約束は守るさ 」
ラジオの精
「 じゃあ、僕は消えるねぇ。
用事は済んだから。
ガンライ、呉々も約束を忘れないで── 」