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⭕ 水溜まりからパンパカパ~~~ン♥️


 むかし、むか~~し、のお話です。


 ある所に “ チャパク ” という名前の青年がました。

 チャパクは商店街にある家電家で新品のラジオを買いました。

 明日あしたは友人達とE県にある山へキャンプしに行く為、ラジオを持っていないチャパクは新品のラジオを買いに出掛けたのです。


 友人達との楽しいキャンプを終たチャパクは、友人達と別れて帰宅している途中でした。

 チャパクはトイレ休憩にサービスエリアへ寄る事にしました。

 サービスエリアへ到着し、駐車場へ車を停めたチャパクでしたが、トイレ休憩だけでなく食事休憩も済ませようと思いました。

 新品のラジオを持って車から降りたチャパクでしたが、服が引っ掛かりバランスを崩してしまったチャパクは、手から新品のラジオを落としてしまいました。


チャパク 

「 嘘だろ!?

  だ買って1週間も経ってないのに!!

  オレのラジオーーーー!! 」


 チャパクのラジオは水溜まりに落ちてしまいました。

 落ちてしまっただけならかったかも知れませんが、ラジオは水溜まりの中へ消えてしまったのです!!

 まるで吸い込まれるように跡形も無く水溜まりの中へ消えてしまったラジオ。

 チャパクは言葉を失ったまま水溜まりを見詰めていました。

 足で水溜まりを踏んでみても浅いのが分かります。

 浅い水溜まりの中にラジオが吸い込まれるように消えてしまった事をチャパクは不思議に思いました。

 トイレどころではありません。


 チャパクが水溜まりを見ていると浅い水溜まりから「 ゴポゴポゴポ… 」と音を立てて泡が出始めました。

 チャパクは沈んでしまったラジオが浮かんでるのかと思いましたが、チャパクの期待は見事に裏切られました。


「 呼ばれて飛び出て、パンパカパ~~~~ン!

  ラジオの精の登場だっよ~~~~ん 」


チャパク

「 ……………………は??

  オレのラジオは??」


自称ラジオの精

「 うん?

  あぁ~~~、きみがラジオの持ち主かい?

  きみがラジオを落としてくれたボクはラジオから出られたんだよ!

  がとう~~~~!

  恩人のきみに御礼をしたいんだぁ。

  ボクの細やかな気持ちを受け取ってほしいなぁ 」


チャパク

「 あ…、じゃあ、水溜まりに落ちたラジオを返してくれ。

  買ってからだ1週間しか経ってないんだ 」


自称ラジオの精

「 あぁ~~~~、それは出来ないんだよぉ。

  ボクは精霊じゃないからね。

  ところでぇ──、きみが水溜まりに落としたラジオは、この “ 金のラジオ ” かな?

  それともぉ~~、此方こっちの “ 銀のラジオ ” かな?

  はたまた “ 銅のラジオ ” かな?? 」


チャパク

「 銅のラジオなんて初めて聞くけど??

  金のラジオか…銀のラジオか……。

  木こりの斧みたいな話だな… 」


自称ラジオの精

「 それできみが水溜まりに落として無くしたラジオはれなんだい? 」


チャパク

「 えぇと…………金の…………いや、銀のラジオかな? 」


自称ラジオの精

「 ふぅん?

  銀のラジオかい?

  ほんとうに銀のラジオでいのかい?

  後悔しないかい?

  ファイナルアンサーしちゃっていのかい? 」


チャパク

「 お、おぅ……。

  銀のラジオでいさ 」


自称ラジオの精

「 オッケ~~。

  きみが水溜まりに落として無くしたラジオは、銀のラジオだね!

  チャパク──、きみは嘘きだね!

  ボクは嬉しいよ! 」


チャパク

「 はぁ?

  オレが嘘きで『 嬉しい 』って??

  おいおい、嘘をかれたのになんで嬉しいんだよ? 」


自称ラジオの精

「 クフフフ♥️

  嘘きなチャパクに贈呈するよ~~!

  受け取ってね、ボクの細やかな御礼の気持ちだよ~~ 」


チャパク

「 え……銀のラジオじゃないのかよ? 」


 自称ラジオの精がチャパクの前に出したのは、大きなツヅラでした。


自称ラジオの精

「 ボクは銀のラジオをとは一言も言ってないよ。

  チャパク、この大きなツヅラは帰宅する迄は開けたら駄目だよ。

  帰宅して、家の中へ入ってから開けるんだ。

  そうすれば、チャパクは億万長者になれるチャンスを手にする事が出来るんだよ 」


チャパク

「 億万長者になれるチャンスだって?? 」


自称ラジオの精

「 そうだよ、チャパク。

  いかい、お金は空から降ってはないんだよ。

  お金は汗水流して苦労して稼ぐ物さ。

  ラクして稼ごうなんて考えちゃ駄目さ。

  だから──、ボクとの約束を守ってほしいんだ。

  帰宅途中に “ ツヅラを開けて中を見ない ” ってボクに誓ってくれるよね? 」


チャパク

「 あ…あぁ……分かったよ。

  ツヅラは帰宅して、家の中へ入ったあとで開けるようにする。

  約束しよう。

  誓うよ 」


自称ラジオの精

「 うんうん。

  そうこなくっちゃね!

  忘れないでね、チャパク 」


チャパク

なんく分からんけど、がとな、ラジオの精! 」










チャパク

「 ……………………うん?

  オレ…………なにしてたんだ??

  ………………オレ……なんでフードコートで居眠りしてたんだ??

  ………………うぉっ?!

  なんだぁ、この大きなツヅラはぁ!?

  オレ……こんなの持ってたっけ?? 」


 チャパクはテーブルの上に置かれている大きなツヅラを前にして、両目をパチパチとさせながら見覚えのない大きなツヅラを見詰めていました。


チャパク

「 一体なにが入ってんだよ? 」


 首を傾げながら不思議そうな顔をしたままチャパクは大きなツヅラに手を伸ばしました。

 ツヅラが開かないように赤い紐が結ばれています。

 チャパクは赤い紐をと大きなツヅラのフタを開けてしまいました。


 フタを開けるとツヅラの中から真っ黒い煙がモクモクと出てました。

 真っ黒い煙はチャパクの周りだけではなくフードコート全体に広がるとサービスエリア内へ広がってしまいました。

 サービスエリアのすみ(ずみ)まで行き届いてしまった真っ黒い煙は30分程で消えてしまいました。


 真っ黒い煙が消えたサービスエリアのには、真っ黒いミイラが横たわっています。

 子供も大人も年配者も性別関係無く、さま(ざま)な容姿の真っ黒いミイラが足の踏み場もないくらいに埋め尽くされています。


 自称ラジオの精との約束を──誓いを破り、大きなツヅラを開けてしまったチャパクはのでしょうか?

 サービスエリア内に転がっているミイラは全て真っ黒いのに対して、チャパクだけは真っ白なミイラと化していました。

 真っ黒い煙を出していた大きなツヅラはにも見当たりません。











 真っ黒い煙が消えたあとにサービスエリアへトイレ休憩に寄ったドライバーや家族,友人,恋人達は、サービスエリア内に転がっている大量の真っ黒いミイラを目撃してパニックに陥りました。

 有名な某サービスエリア内で発生した原因不明の真っ黒いミイラ化現象事件は、連日ニュースに取り上げられ、お茶のに恐怖を届けました。

 オカルト新聞Xフ●イル・タイムズの8面を見事に飾る事となった【 サービスエリア内、ミイラ化事件 】は、低迷して廃れかけていた数多のオカルト雑誌を助ける大きなネタとなったのでした。

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