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オルクドート用語集

オルクドートで登場した固有名詞などを解説付きでまとめたもの。

本編では描かれてない設定を勝手に妄想で書いたため、本編との設定乖離はご容赦ください。

~あ行~


・悪魔

アスカニア総統のこと。

第二次星欧大戦を引き起こしただけでなく、多くの人種や障害者に「劣等人種」のレッテルを張って虐殺したことで有名。

彼の政策により、アスカニア国内にいた魔種族は文字通り「浄化」された。

オルクセンでは前述の魔種族浄化の影響で「悪魔」と呼ばれる他、九四八年制定の「記録抹消法」唯一の対象者となり、公的資料や教科書以外で「名前を呼んではいけない人」と化している。


・アスカニア

オルクセン南部に位置する国家。

オルクセンとの地理的条件のためか、低地オルク語と方言程度しか違わない「アスカニア語」(別名オスタリッチ語)を話し、かつては少数ながらオーク族とコボルト族がいた。

二度の大戦で敗北後、国家は2つに分かれた。

第二次星欧大戦での「悪魔」の所業と被爆国になったというトラウマから、西アスカニア国民には反軍事アレルギーと核アレルギーが染み付いており、なんと西アスカニア憲法では「軍の保持を禁ずること」が明記されている。他にも「核軍備の禁止」も書かれているため、アスカニアは駐キャメロット軍の傘で守られた事実上の衛星国となっている。また上記の憲法によりアスカニアには正規軍はなく、代わりに「アスカニア防衛保安隊」という事実上の軍隊を有している。


・ヴァラ

エルフィンド神話に度々登場し、同国の発展に著しい貢献をした者のこと。

ヴァラは単数表現で、複数形だと「ヴァラール」、女性形は「ヴァリエラ」と呼称する。

六七〇年代に突如姿を消した事がエルフィンド各地の記録に残されていること、実際にヴァラールを見たという証言が多数あることから、実在は確実視されているがエルフ族のような見た目はしていないなど、多くの謎を残す。

現在では、「白銀樹は本来エルフの他に、知識階級層であった死んだエルフの転生機能を持っており、ヴァラールとは成人した状態で白銀樹より転生した知識階級層であり、優れた知覚機能や魔術才能によってエルフィンドを発展させた。しかし白銀樹側の何らかの要因によって、死んだエルフの知識を伝授できなくなりヴァラールは自然消滅した。」というオカルトめいた話が提唱されている。


・エリクシル剤

かつてオルクセンの特産品として有名だった医薬品。

その正体は細胞の修復機能を活性化させる強心剤の一種みたいなもので、代償として内臓の急速な老化を招く。またその特性のため、リウマチや癌などの自己免疫疾患を悪化させる。

魔種族の場合、長寿のおかげで内臓が劣化しにくいためよく使われたが、第一次星欧大戦時に人間族が乱用した結果、九二〇年代から三〇年代を通じ、30代から40代の人間族帰還兵たちが次々に急死する事になる。

抗生物質の発明後は完全に過去のものとなったが、現在でも応急処置用として各国軍で細々と使用されている。


・エルフィンド神話

エルフィンド州のエルフ達に語り継がれている神話の総称。

かつては一種の歴史物語のことを指していたが、現在では地方の民間伝承や英雄譚、異類婚姻譚なども含んでおり、その種類は様々。

その内容は正史とされるものの、多くの点で説明できない部分が存在し、議論を呼んでいる。


・大鷲族

オルクセン連邦を構成する魔獣族の一つ。

元はべレリアンド半島に生息したが、デュートネ戦争時、エルフ族の虐殺により巨狼族とともにオルクセンに亡命、定住した。

かつては空を飛べることを活かして軍に重宝されたが、航空技術の発達により職場を失い、今では儀仗隊に居る少数の者以外は民間で生活している。

数が非常に少なく、現在でも100人程度しかしない。また生肉しか食べられないという制約がある。

現在では主に農業か狩猟に従事しており、農薬散布や鹿狩りなどで生計を立てている。ちなみに農薬散布の際はフライトプランを提出しなければいけないため、義務教育の段階で飛行士資格を取得する。


・オルクセン連邦

本著の舞台。オーク族、コボルト族、ドワーフ族、巨浪族、大鷲族、白エルフ族、黒エルフ族といった多くの魔種族による唯一の魔種族国家。

余りの多民族国家と軍隊国家ゆえに、「九つの州、八つの軍団、七つの民族、六つの航空団、五つの艦隊、四つの国境、三つの軍隊、二つの言葉、一人の王」とも揶揄される。

魔種族の寿命の長さ故に徴兵に忌避感がなく、それゆえ軍隊を日常の一環と考えて演習にも普通に参加しているため、大規模な軍事力で永世中立を維持している。

アキツシマとは前王グスタフ・ファルケンハインのおかげで仲が良く、今では親アキツシマ国の代表国となり、同国のオタク文化をモロに直撃している。

現在の女王は、前王の王妃であるディネルース・ファルケンハイン(旧姓アンダリエル)。

彼女が崩御した場合、エルフィンド王国最後の王であるエレンミア・アグラレスを女王にするか、王制を廃止するかの国民投票が行われることが決められている。


・オルクセン連邦統合参謀本部

九四四年、当時の参謀本部総長エーリッヒ・グレーベンが「国軍参謀本部」を改編して立ち上げた組織。

戦争省直轄の組織だった国軍参謀本部との違いは、戦争省官僚や民間人の参入など多くにわたる。

軍の作戦計画の制定のみならず、今後のオルクセン連邦を取り巻く国際情勢の予測や、戦時経済計画草案の作成、国家備蓄燃料量の調整など、戦略的観点からオルクセン国防計画を作成する。

そのため下部組織に多数の経済研究所を有しているほどで、意外にもオルクセン国内の経済学のメッカの一つともなっている。


・オーク族

オルクセン連邦を構成する民族の一つ。オルクセン連邦最多民族でもある。

オルクセン自体、もともとはオーク族の国であったが、他の魔種族の亡命を受け入れた結果、多民族国家となった歴史がある。

どんなチビでも180cm以上に育ち、かなりの筋肉質に育つ。そのため人間族のスポーツ大会やボディビル大会でオーク族の選手は出禁であり、参加したいなら魔種族専用大会に出るしか無い。

寿命はかつては300歳程度だったが、医療が発達した現代では白エルフと同じく700歳位は生きる。ただその巨体故にリウマチや関節痛などを引き起こしやすく、健康寿命は500歳ほど。タバコ吸ってたらもっと落ちるとされる。

彼らもドワーフに負けず劣らずの酒飲みであり、彼ら専用のビールジョッキは1Lもある。それ故、酒場のウェイターは必ずオーク族を雇うことがオルクセン経営者必須の知識である。



~か行~

・海軍

正式名称、「オルクセン連邦海軍」

空母を主力とする荒海艦隊を主軸として、通商保護艦隊、掃海艦隊、地方予備艦隊、潜水艦隊の五つの艦隊を有する。

装備もグスタフ・ファルケンハイン級大型空母2隻(内1隻建造中)を筆頭に、ミサイルフリゲート、遠距離航行可能な駆逐艦、戦略潜水艦、強襲揚陸艦、対潜哨戒機、空母航空団を有する。

その規模から星欧各国にひけを取らない海軍と評価されている。


・華国

道洋の国。かつてはアキツシマを超える国力で道洋一どころか世界一の国家として栄えた。

しかし、度重なる王朝の交代と権力闘争、なにより国力が強大すぎたが故の「華国中心思想」により、近代化に失敗。

九一一年の「華国革命」によって王朝が倒れ民主化するものの、国軍創設に失敗して地方軍閥による連邦制を強いられる。そして最大勢力であった「尉遅軍閥」率いる「尉遅小鉄」による軍事独裁政権が誕生。

第二次星欧大戦ではアスカニア枢軸についてアキツシマと争うものの敗北。

戦後は共産主義ゲリラと旧華国政府残党との内戦の結果、北の「人民華国」、南の「民主華国」に分かれ、九五〇念には「華国戦争」を起こした。

現在でも国境を中心に小競り合いが続いているため、「道洋の火薬庫」と呼ばれる。


・巨狼族

オルクセン連邦を構成する魔獣族の一つ。

元はべレリアンド半島に生息したが、デュートネ戦争の頃、エルフ族の虐殺により大鷲族と共にオルクセンに亡命、定住した。

数は少なく、現在では150人程度しか居ない。だが高い戦闘力と規律重視の思考、何より汚職を決して行わないため、警察や軍憲兵隊に重宝されている。そのため巨狼族のほぼ全てが憲兵隊か警察に所属する。

軍では恐ろしい憲兵のイメージが強いため、「上官にしたくないランキング」で100年連続1位を記録している。(オルクセン陸軍広報部が出版する新聞「戦友」の調査に基づく)

一度忠誠を誓った組織・個人を決して裏切らないためオルクセン国内外を問わず人気が高く、多くのグッズが発売されている。しかし人気の真の理由は、モフモフした外見にあるという。

ちなみにモフモフした体に抱きつかれて顔を埋められるのは、巨狼族にとって最も嫌がる行為であり、過去に観光客がそれをやってテロリストと勘違いされ殺される事件が起きているので、皆様は絶対にやらないように。


・空軍

正式名称、「オルクセン連邦空軍」

設立は第一次星欧大戦中の九一七年で、キャメロット空軍についで二番目に古い空軍。

六個航空団を主軸としており、多数の機体を有しているに関わらず、稼働率70%と高い数字を維持している。また航空機の多くをキャメロット製か、キャメロット製に準じた仕様である国産機で統一している。

白エルフの整備兵13名が戦死した件がトラウマなようで、基地警備隊はやたらと陸上戦力が充実しているため、外国人から「空軍野戦師団」と揶揄されることもしばしば。

航空機の整備に多くの予算をとられているせいか、格安の業者に食事を委託しているため、オルクセンでは珍しくメシマズで有名。だけど構成員の多くが飛行機オタクなので中々辞めない。


・空母グスタフ・ファルケンハイン

オルクセン海軍の主力空母。同型艦にエルンスト・グリンデマンが存在する。

基準排水量6万トン、航空要員ふくむ搭乗員3500名、艦載機60機を搭載する大型空母で、九六六年に就航予定。

コンセプトはルース共産民主主義国の核攻撃機を洋上で迎撃、もしくは沿岸基地を空襲して地上撃破すること。


・黒エルフ族

エルフ族の亜種。オルクセン連邦を構成する民族の一つ。

本来は白エルフ族とは兄弟のように親しんでいたが、「八七五年の大虐殺」により白エルフ族と絶交。その影響は今でも続いており、白エルフが産まれる白銀樹から黒エルフが産まれたら、問答無用で黒エルフの村に引き渡すことが法で定められている。

猟師として生活してきた歴史が長いため、白エルフに比べ耳と目が良い。そのため軍隊では重宝され、「入隊した時点で下士官行き確定」と言われるほど、待遇が良い。近年では軍学校で学んだ知識を活かして民間に下り、大成する黒エルフも多くいる。

ドワーフと白エルフの影に隠れがちだが、大酒飲みのサウナーでもあり、サウナ中に火酒を飲んで一人前という謎の伝統がある。


・古典アールブ語

主に白エルフ族が使う言葉。古アールブ語とも言う。

中部星欧諸国の言語の祖であり、「アールブ語圏」という表現もある。

非常に原始的かつ複雑な言葉で、格だけで7つもある。

さらに同義語表現が多数あり、これらを使い分けて美しい文章にしたり韻を踏まないと、駄文と見なされマウントをとられる。

かつてはエルフィンド王国標準語として使用されたが、べレリアンド戦争後にオルクセン連邦に併合される際に、準標準語に格下げされた。

現在でもエルフの学校にて義務教育として教わる他、オルクセン本土でも第二外国語として学ぶ機会がある。だがエルフの大半が低地オルク語を日常会話で使う現状では、やがて文語としてのみ使用されるに留まるだろうというのが言語学者達の認識である。

オルクセン併合前は古典アールブ文字もあったが、死語になりつつある。


・コボルト族

オルクセン連邦を構成する民族の一つ。

元は星欧各地に点在しており、その証拠にコーギー種やブルドック種など、体型が違う種族が存在する。

コボルトは魔術通信が使えたため独自のネットワークを築き、さらに教育熱心だったこともあり商人や金貸しとして富裕層に位置することが多かった。だがそれ故人間族に妬まれ、聖星教の「金は原罪、金貸しは悪魔の手先」という教義を理由に、各地で虐殺(ポグロム)や迫害される。結果、多くのコボルトがオルクセンに逃れた。彼らもオークと同じ位長寿であり、その人生の中で得た知識量を指して「歩く歴史書」とさえ言われることがある。

コボルトはその体格の小ささを活かして空軍で主力を務めており、現在もエルフ族のパイロットとともに国防を担っている。



~さ行~

・サウナ

エルフィンド州にてよく入られる入浴装置。

エルフィンドは寒さが厳しいが水を農業に回す必要もあったので、水を節約できて体の垢をとれるサウナが発展した。

ベレリアンド戦争後はエルフ独自の文化の1つとしてサウナが注目され、ブームが到来。

そしてエルフィンド全体の所得向上と近代化によって、サウナは風呂として完全に定着。九〇〇年代の時点で、エルフィンド州では街にはサウナ屋が何軒も立ち、村でも公営サウナが建設されるほど普及した。

第二次星欧大戦後に個人風呂や個人サウナが普及しても、アウフグースサービスや、店ごとに違うロウリュ用のアロマによって、多くのサウナ屋が生き残りに成功。ついでにオルクセン本土からのリピーターも獲得。

現在では、エルフィンドはサウナーの聖地として名高い。


・自動車

内燃機関で動く乗り物。

オルクセンでは登場まもなく自動車の積極的利用が官民挙げて行われ、第一次星欧大戦前の段階で既に世界一の自動車大国となった。

星歴九三五年頃では、中間層以上は自家用車当たり前、労働者層も仕事で自動車に乗り、休日では友人や家族とともにレンタカーでピクニックが普通になるなど、世界で初めて自動車化社会を実現した。

第二次星欧大戦後はアキツシマ製自動車にシェアを圧迫されつつあるが、各社は逆にアキツシマ自動車メーカーと提携を図ることで生き残りを図っている。


・娼婦

オルクセンにおける職業の一つ。

元来、オーク族は性欲も強く、この傾向は軍隊という閉鎖社会に入るのが当たり前という社会制度によってさらに助長されていた。そのためオルクセンでは性犯罪抑止と性病抑止として、デュートネ戦争以前より「公娼制度」を整備した。

公娼制度では国によって認められた業者にのみ娼館の経営権を与えられ、それ以外は極端な非人道的労働を娼婦に強制させなければ娼館側の自由にしてもよかった。

しかし、表ではキャバクラやダンスホールのような非性産業に従事し、裏で売春を行うモグリの娼館が急増。一方の公営娼館側も店内に娼婦を住まわせて実質軟禁させることで24時間拘束を行ったり、貧困層の家庭から実質的な人身売買を行うなど、制度の腐敗と形骸化が進んでいる。


・白エルフ族

主にベレリアンド半島に住む魔種族。オルクセン連邦の構成国。

かつてはベレリアンド半島にエルフィンド王国という国を築いたが、「八七五年の大虐殺」とその後処理の失敗がきっかけでオルクセンの怒りを買い、ベレリアンド戦争の敗戦により滅亡。そのままエルフィンド州として編入された。

白銀樹に赤ん坊として産まれ落ち、20~30年をかけて成体に成長し、若い姿のまま老いることなる生きる。かつては「人生400年」と言われたが、医療技術の発達により現代では700年ぐらいは平気で生きるようになった。また小便以外の排泄機能は無い他、生理も無いため、子供を妊娠できないという良く分からない進化を遂げている。

その美貌から人間族の人気は高く、特に性産業では引く手あまたなため、貧困層の白エルフが劣悪な性産業業者に身売りすることが社会問題化している。

だが彼女達の本領はベッドの上でなく、サウナ。オルクセン連邦編入後に、独自文化の1つであるサウナを祭り上げた結果、頭サウナと言われるほどサウナに熱中する白エルフが続出。

結果、べレリアンド半島は今や「サウナの聖地」と言われるほど、サウナ文化が発展した。



・星欧大戦

星欧において二度起こった戦争。

第一次ではベレリアンド戦争を拡大再生産させたような地獄、第二次では「世界大戦」とも言われるほどの戦火の拡大が起こった。



~た行~

・大恐慌

九二九年、キャメロットで起きた株価の大暴落と企業の倒産ラッシュによる世界的不況のこと。

当時のキャメロットは第一次星欧大戦で得た賠償金と技術特許を投資と設備更新に回したおかげで、内需による好景気が起きた。しかし加熱した投資熱は暴走を産み、結果数日前に起きた「悪夢の暴落」を機に市場で株への不信感が起こり、株売りの雰囲気が増して大恐慌へとつながった。

この大恐慌の際、キャメロットを中心に植民地中心の高関税ブロック経済化が進行。植民地を持たない国は輸出先を失って不況に苦しんだ。

特に天文学的賠償金の支払いに苦しんでいたアスカニアでは、北センチュリースターの投資が一斉に引き上げた結果、好景気から未曾有の大不景気に突入。失業率が3割を超え、増加した社会不安は「悪魔」の到来を引き起こした。


・低地オルク語

デュートネ戦争期の八〇五年にオルクセン連邦統一語として制定された言語。

アスカニア方面のオルク語をベースに、コボルト族やドワーフ族の単語なども入れ、単純化したもの。

一種の人工言語であり、その証拠にアールブ語圏の特徴である男性格、中性格、女性格などの格は「別に付けなくていい」というスタンスである。そのため日常会話や個人的なメールではしばしば格を省いて会話することがある。(ただし既存の文書を読めるよう、義務教育を通じて格を教える)

最近だと外来語を直接輸入して使うという癖もあり、特に物理・科学・医学用語はキャメロット語や低地オルク語の訳などが混在しており、非常にカオスな状態である。


・ドワーフ族

オルクセン連邦を構成する魔種族の一つ。

かつてはベレリアンド半島に王国を有したが、ロザリンド会戦から間もなくエルフィンド王国に攻め滅ぼされ、オルクセンに移住した。

手先が器用なため職人として大成する者が多く、「鍛冶屋はドワーフに限る」という諺もある通り、精錬にも長ける。だがそれ以上に酒飲みのため、酒場のマスターとしても有名。

現代ではドワーフ=鍛冶屋のイメージは薄れつつある。だがドワーフ=酒場のマスターというイメージは健在で、今日も大声で雑談しつつジョッキにビールを並々注ぐドワーフ親方の姿が見れるだろう。



~な行~

・人間族

地球にて最も多く住む知的種族。

寿命は医療が発達した現在でも7~80年ほどだが、代わりに高い繁殖力で簡単に増える。

しかもオーク、コボルト、ドワーフの子を妊娠可能であり、逆も可能。事実、魔種族と人間のハーフが身体能力を活かして戦場で活躍し、英雄となる英雄譚が各地にある。

知能は凡庸とされるが代わりに発想力と行動力が尋常ではないほど高く、空を飛びたいという願いを世代をつなぎ数百年程度で実現化してしまうほど。

一方で職人技の継承には限界があり、軍用アキツシマ刀などのロストテクノロジーが多々ある。


~は行~

・白銀樹

エルフ族が産まれる木。誇張表現無しでそうなのだ。

エルフ族は定期的に、この白銀樹の木から赤ん坊として産まれ落ちる。

その特性からどんな過疎地域でも人口は無くならないが、肥料を雑に与えると簡単に根腐れしてしまい、デリケートなため植樹にも細心の注意を払うなどの色々と面倒な特徴を備える。

アウトバーンや高速鉄道などのインフラ整備の際は決まって白銀樹が邪魔になる。オルクセン現行法では白銀樹の伐採は殺人罪に当たるため、エルフィンドの他地域に植樹するか、道を避けねばならない。そのため、エルフィンド州の道路や線路は歪な形をしていることで有名である。



・ベッド

寝台のこと。だがオルクセンでは多大な努力を注ぎ込んだものの代名詞として知られる。

オーク族の巨体を支え、時にはセックス時の負担に耐えられるベッドを作るのは容易ではなく、ドワーフ族の亡命時までオーク族は床で寝る文化が主流であった。

しかしドワーフ族の木工職人によって頑丈なベッドが流通するようになると、これを模したベッドが多数登場。しかし、多くが設計不良により寝てると折れるような代物であり、ますますドワーフ族の名声を高めた。

だがオーク族は現代技術をベッドに導入することで改良を行い、マットレスに安楽椅子のようなバネを仕込み、荒業であったが4本足にこだわらず、床面が直接床に接するベッドを開発することで、安眠性と頑丈さを両立。

さらに大鷲族や巨狼族、快適さに関しては厳しく指摘する白エルフ族などの顧客のニーズに応える形で、頑丈さと快適さを追求したベッド開発が進む。そして九五〇年代になるとオルクセンベッドは人間族の国でも人気を博し、今では高級ベッドとしてオルクセンベッドは世界に冠たる商品となった。


~ま行~

・マクシミリアンモデル

大恐慌当時、首相だったマクシミリアン・リストが行った経済政策のこと。

高速道路や鉄道網の延長、高速鉄道の導入といった財政出動の他、低金利政策、軍の機械化・重火力化と常備兵力の削減、銀行への財政支援、一時的な企業への減税といった対策が織り込まれており、当時常識だった不況時の財政緊縮をガン無視して盛大に資金を使って、経済を無理やり回そうというのが目的。

この経済政策のおかげでオルクセンは数年で大不況から脱出。一躍世界の注目を浴びた。

現代の研究では、財政出動策は一長一短で計画できるものではないため、大恐慌以前からチマチマ進めていたインフラ整備計画を一気に片付けただけと指摘されている。



~や行~

・ヤーコフ・スターリン

ルース共産民主主義国二代目書記長。スターリンは「鋼鉄人」という意味でペンネーム。

本名、「ヤーコフ・メレンチェヴィチ・ストゥルアヴィリ」 直訳すると、「ストゥルア家の男のメレンチェの息子ヤーコフ」になる。

ロヴァルナの少数民族国家「グルザフス」(現:ジョース)にて、信心深い両親のもとに産まれる。そして当時のエリートコースである聖星教の神学校に入学するも、厳しい体罰に耐えきれず脱走。その後浮浪者として街を転々とするが、イケメンだったので後に妻となる女性のヒモとして当時ロヴァルナ首都だったミヒャエルブルグで定住。女性が共産党員だったため、そのまま共産党に入った。

革命後は持ち前の政治力で出世街道を進み、プチャーチン死後は書記長となる。書記長就任後、自身の権力基盤を固めるため、大粛清を実施。さらにルース近代化のため外貨稼ぎとして飢餓輸出を実行。国内人口の5%を死に至らしめた。そのため「赤い悪魔」と称される。

第二次星欧大戦後は戦争を勝利に導いた英雄として祭り上げられ、死後、今までの鬱憤をはらされるかのようにロヴァルナ共産党員に非難決議が採択され、英雄像は崩壊した。


・翼竜

道洋に生息する魔獣族。大鷲と同じく人語を理解し、人間と共存する。

道洋では神聖獣として語り継がれる「龍」の化身、もしくは使いとされており、古くから信仰を集めていた結果、生息数は500人以上、生息範囲も華国からアキツシマまでと非常に広い。

だが神聖視する余り戦争に使うという発想はほぼ無く、せいぜい「翼竜の前で戦争するのは縁起が悪いので停戦しよう」という程度でしか使われてなかった。

べレリアンド半島戦争後はアキツシマ軍によって徴兵され空軍戦力として活動したが、大鷲と同じく航空技術の発達に伴い退役。現在では軍務に属す翼竜はおらず、大鷲と同じく農業や猟師として生計を立てている。

ちなみにだが、恐ろしい事に翼竜と人間との間では繁殖が可能であり、極稀に先祖返りして翼竜の鱗を持つ子供が産まれることが、過去に人類と翼竜の間で交尾が行われたことの証拠となっている。



~ら行~

・陸軍

正式名称、「オルクセン連邦陸軍」

常備兵50万以上を数え、平時でも八個軍団を維持。戦時になれば動員兵数200万を数えるため、世界最大の陸軍としても有名。

オーク族の巨体に対応するため自動車化と機械化が進んでおり戦車1200両、装甲兵員輸送車2500両以上を有する。(モスボール状態の旧式を含めるとさらに増える)


・レオニード・プチャーチン

ルース共産民主主義国建国の父。

九一七年10月に10月革命を成功させるなど、政治的闘争の才能には長けていたが、内政能力は無に等しかった。

そのため後継者内戦の長期化やロヴァルナ大飢饉を招いたばかりか、「赤い悪魔」こと「ヤーコフ・スターリン」の書記長就任を防げなかった。

死後は遺体にミイラ化処理を施されて、首都モクヴァのプチャーチン廟に安置されている。


・連合国会議

九四七年に設立した国際機関。

世界の平和を維持することを目標に掲げるが、その実態は常任国同士の足の引っ張り合いが常態化している政治舞台。

大分断の時は特にひどく、「連合国のダンスホール」とさえ揶揄されるほど重要事項が中々決まらないか、拒否権でお流れになるのが日常茶飯事。


・ロヴァルナ連邦

第一次星欧大戦中の九一七年、ロヴァルナ共産党を把握したレオニード・プチャーチンと、彼の口車に乗せられた兵士による「10月革命」によって誕生した国。

その実態は共産主義という宗教と、共産党という絶対組織による一種の宗教国家であり、無宗教主義を標語にした国が皮肉にも宗教国家となっている。

第二次星欧大戦にてアスカニアに攻められるも、反撃してアスカニア東部を手中に収める。

現在、共産主義陣営の盟主を務める。

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