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第三期オルクドート

                ~第二次星欧大戦前~

・グスタフ王の遺言書

偉大なるグスタフ王は死んだが、遺書を残していた。

政府首脳が集まる中、ディネルース王妃自らが遺書を開封し、読み上げた。

1.次期国王はディネルースとすること。

2.現在の政治外交体制を今後も維持すること。

3.ディネルースのスリーサイズを軍機と同じ扱いとすること。


解説

遺書にも書いて良いことと悪いことがあります...

ちなみにグスタフ王の遺書自体は彼の生前に発表されましたが、ディネルース王妃以外の閲覧を認めないと同時に発表されたため、内容は今でも国家機密として非公開となっています。

そのため巷では、今後数百年の預言書だという冗談まであります。



・国王の心構え

グスタフ王の国葬後、ディネルース王妃が継承法に則り女王として即位することとなった。

即位式を前に、ディネルース王妃は忠臣アドヴィンを呼んだ。

「アドヴィンよ、国王に必要な心構えはなんだと思う」

「農業に夢中になるあまり、家臣をほっぽりだして農家の家に泊まり、現地の農民と一晩中飲み騒ぐような事をしなければ、今の陛下は十分心構えができていると思います。」


解説

グスタフ王は国民に慕われる反面、度々側近らにも苦労させたことがなんとなく想像できます…

ちなみにグスタフ王が農民と一晩中飲み騒いだことは、記録上だとデュートネ戦争前の時期に何度かあったそうです。



・ディネルース女王の即位式

ディネルース女王の即位式が首都ヴィルトシュヴァインにて行われた。

第一擲弾兵師団はもちろん、戦車師団に改編されつつあるアンファウグリア、軍楽隊、第一飛行軍団「大鷲」、海軍海兵隊や内務省国家憲兵隊予備隊から発展した白エルフ師団、国境警備隊までも即位式に参加した。

その結果、ヴィルトシュヴァインから洗濯のりとアイロンのりが消えた。


解説

この時の即位式は当時としても大規模であり、参加将兵約5万、礼砲50門、戦車100台、自動車数百台、飛行機40機を数えました。そのためオルクセン国内でも、大規模軍事パレードと報じられるほどでした。



・国産戦車

ヴィッセル・ヴァーゲン社がオルクセン初の国産戦車を製造し、ディネルース女王立ち会いの元、お披露目会が行われた。

「女王陛下、我が国の戦車は常に世界の頂点に立ちます!」

「ほう、それは何故だ?」

「この戦車はオーク族に合わせて作りました。それ故我が国の戦車は常に世界最大なのです!」


解説

オルクセンの中戦車はオーク族の体に合わせて作ったため、そのサイズと重量は重戦車でそのものでした。そのため、第二次星欧大戦後までオルクセン中戦車はエンジンの出力不足と足回りの損耗に悩まされ続けます。一方で重火力・重装甲でもあったため、他国の戦車開発に多大な影響を与えたと言われます。

ちなみにエルフ族、コボルト族、ドワーフ族向けの戦車は軽戦車と分類されましたが、火力・装甲・機動力のバランスが良かったため、次第にオーク族用戦車との統合が図られ、結果として世界最初のMBT開発につながっていきます。



・潜水艦

新進気鋭の白エルフ海軍技術士官が潜水艦を設計した。

オスタリッチのダミー会社から買った図面を元に多くの部分を改良し、その性能は星欧一だ!

だがオーク族の上官に図面を見せた途端、怒号が響いた。

「トイレも無しに潜水艦とな!?」


解説

この時期の傑作オルクドート。白エルフが軍内でも増えていった事を表しています。

このオルクドートは、トイレ部分を大食堂、大型ベッド、艦内パブなどに改変した派生型が多数あります。



・空母ヴェルナー・ラインダース

オルクセン初の空母ヴェルナー・ラインダースが就役した。この記念式典にディネルース女王陛下も参加した。

式典のスピーチで陛下はこう仰られた。

「この輸送艦は大鷲族を乗せるだけでなく、広い甲板にテントを貼って陸軍も輸送できるため、大いに役立つだろう。」


解説

ディネルース女王は実際にそんなことは言ってません。これの元ネタは地方左派新聞「フリーデンフロインデ」の社説であり、それが第二次星欧大戦後にバカ新聞記事として有名になったようです。

陸軍の輸送に関しては、大型空母グスタフ・ファルケンハイン就役後、強襲上陸母艦改装がヴェルナー・ラインダースに施されることが決定されたため、一種の予言になってしまいました。



・参謀本部

オルクセン国軍参謀本部を見学したキャメロット駐在武官の感想。

「まさか我が国の議会以上の地獄があるとは思わなかった」


解説

オルクセンの永世中立国宣言以降、武勲で昇進する道は実質閉ざされました。

代わりに高級将校らは、出身地や学歴、種族で軍閥を形成。政治闘争を長年に渡って繰り広げることになります。

この状態は、第二次星欧大戦末期に当時の参謀本部総長グレーベンが、海軍や空軍、戦争省の文官を編入した「オルクセン連邦統合参謀本部」を設立するまで続きました。



・大恐慌

オルクセンが大恐慌の影響を受けなかった理由。

いざとなりゃ軍隊に行けばいいから。


解説

九二九年、キャメロットで起きた株価の大暴落と企業の倒産ラッシュは、世界中に不況と社会不安をもたらしました。

オルクセンではビューロー・リスト内閣の下、高速道路「アウトバーン」の全国化を含む大規模な財政出動、低金利政策、軍の機械化・重火力化と常備兵力の削減、銀行への財政支援などの対策を早期に打ったことで、2年ほどで不況から回復しました。

そのため国際経済から実質孤立していたルース共産民主主義国と並び、「星欧の奇跡」と称され、前述の経済対策も首相の名をとって「マクシミリアンモデル」と呼ばれ注目されるようになります。

しかし、マクシミリアンモデルは並以上の国力が必要で、賠償金支払いと外資の引き上げで国力が疲弊したアスカニアには実行できるものでなく、結果として「悪魔」の台頭を引き起こします。



・大恐慌の結果

大恐慌の結果、我がオルクセンでは水洗トイレが普及し、アウトバーンが全国の州で整備され、歩兵師団の三分の一が自動車化して、自動車の価格が安くなった。


解説

マクシミリアンモデルではアウトバーン拡大と軍の機械化を見通し、自動車税の減税と輸入した自動車および自動車部品とその原料への一時的な関税引き下げを行いました。

結果、第一次星欧大戦前から高かったオルクセンでの自動車普及率がさらに上昇。九三五年時点で中産階級以上のほぼ全世帯が自動車を保有し、労働者階級も仕事などで自動車・バイクを運転するのが当たり前という状況になっていました。

また下水道の整備のおかげで、首都があるヴィルトシュヴァイン州では汲取式トイレがほぼ姿を消し、エルフの移住者が増えました。



・悪魔の台頭

アスカニアにて「悪魔」が首相になった時のオルクセン人の反応

「どうせ大統領と喧嘩して半年後にはクビだろ」


解説

九三三年、「悪魔」はアスカニア首相に就任しましたが、その状況は安泰とは言えませんでした。

悪魔率いる与党への投票率は下がる一方で、大統領との仲も最悪。何より悪魔は「つなぎ」以上の役割を期待されていませんでした。

しかし、首相就任前の時点で、警察庁長官とその上司である内務大臣の席に与党幹部をねじ込んだことで、他政党への選挙活動を妨害。さらに大統領の息子の脱税・私生児問題を使って、大統領を沈黙させる事に成功。

翌年になると「悪魔」は共産党員のテロ計画への対策を理由に「全権委任法」を国会で承認させ、独裁を開始します。



・テレビ放送

オルクセンでテレビ放送が始まった。

ある老オークが初めてテレビ放送を見たが、泣いてしまった。

「老いるとはみじめだ!ついに俺の目は白黒でしか物が見えなくなっちまった!」


解説

オルクセンでのテレビ放送は九三六年に始まりました。

当時は役所や公民館に設けられたテレビホールという部屋で、週2~3日、一日二~三時間流すというものでした。もちろん入場料も取られます。

当時のテレビとカメラの性能は非常に低く、画面が非常に小さくて少しでも照明があると画面は見えなくなり、おまけに人の全体像を写そうものなら被写体の顔が見えなくなるような解析度でした。(走査線の数はわずか50本程度だった)

そのため「視力0.2が裸眼で見る世界」と揶揄されてましたが、それでもテレビで中継されるスポーツ試合を見に、多くの人がテレビホールに駆けつけたと記録されています。



               ~第二次星欧大戦~

・電撃戦

アスカニア軍はわずか二ヶ月でグロワールを降伏させた。

その秘訣を従軍記者が、グロワール方面軍司令官に聞いた。

「将軍、今回の作戦、電撃戦はどういった経緯で考えたのですか?」

「簡単だよ。ベレリアンド戦争で戦った魔種族の歩兵を戦車や飛行機に変えただけさ。」


解説

アスカニア軍は戦車・飛行機を用いた連携浸透戦術「電撃戦」を用いて、グロワール国境地帯の要塞戦を突破、そのままグロワール軍主力を包囲殲滅し、皇帝捕縛を果たしました。

この戦略機動は見事であり、当時の国軍参謀本部総長グレーベンをもってして、「優良装備師団を多数揃えたグロワール軍を包囲殲滅している点を加味すれば、ネニング平原会戦よりも完璧な包囲殲滅である」と言わしめた程でした。



・バトルオブキャメロット

キャメロットに輸出されたオルクセン製戦闘機を見たキャメロット空軍士官の反応

「迎撃戦闘機を頼んだら軽爆撃機がやって来た!」


解説

グロワール占領後、アスカニア空軍はキャメロット上陸作戦の前哨戦として、航空撃滅戦を展開。俗に「バトルオブキャメロット」と呼ばれる大空戦が勃発します。

キャメロット空軍は急遽オルクセンより戦闘機を輸入しますが、元はオーク族の航法士搭乗も想定した複座艦上戦闘機のため、当時のキャメロット軍軽爆撃機並に大きかったと言います。

しかしオルクセンはエンジン技術で他国より秀でていたため、当時としては大馬力の水冷1500馬力エンジンを搭載していました。そしてエンジン出力を活かした一撃離脱戦法で、鈍重ながら多数のアスカニア軍爆撃機を撃墜しました。



・輸出大国

アスカニアの悪魔は今日もブチ切れていた。オルクセン製の兵器が今この瞬間もアスカニア兵を殺していたからだ。

悪魔は遂に耐えきれなくなり、参謀総長を呼び出してオルクセン侵攻計画を立案するよう命じた。

だが参謀総長はこれに反対した。オルクセンからの食料輸入がなければ、アスカニアは今頃飢餓に襲われているからだ。


解説

第二次星欧大戦中、オルクセンは武器・航空エンジンをキャメロット連合へ、食料・自動車をアスカニア枢軸へ輸出することで、双方の陣営から無くてはならない存在としての立場を確立していました。

そのためアスカニアでは最低でも二回オルクセン侵攻計画を立案しましたが、軍事力の不足や抵抗の大きさ等もあって中止されました。



・白エルフの撃墜王

空軍に入隊したとある白エルフは、オルクセン初の女性戦闘機パイロットとなり、国土防空戦にて何十機もの領空侵犯機を撃墜した。その中には空中衝突で仕留めたのも何機かあるほどだ。

余りの戦いぶりに、新聞記者が思わず質問した。

「なぜ貴方は主翼を機体にぶつけてまで、戦おうとするのですか?」

「ベレリアンド戦争中、大鷲共に良いようにされてたことの鬱憤を晴らしているの。」


解説

第二次星欧大戦では中立を維持するため、キャメロット・アスカニア問わず領空侵犯機を撃墜・もしくは強制着陸させていました。

戦闘機パイロットは主にコボルト族でしたが、中には白エルフや、レーダー手として大型戦闘機にオークが乗る例もありました。



・戦時中の食卓

第二次星欧大戦中の食堂メニュー

ヴルストスパム

スパムのカレー粉まぶし

スパムスパムスパムスパム煮豆スパムスパムスパム

アプリコットのクネーデル スパム和え


解説

オルクセンでは中立を保つため、連合・枢軸両国で不足していた食料、特に豚肉を大量に輸出しました。そのためオルクセン国内では深刻な豚肉不足が発生し、政府は代替肉として北センチュリースターなどから塩漬け豚肉缶詰、スパム缶を大量輸入しました。

オルクセン国民は味が濃くて飽きがきやすいスパムを加工し、食しました。スパムを豚の腸詰めにしたスパムヴルスト、味を書き換えられるカレー粉まぶしスパム、スパムハンバーグ...

多くの代替レシピは終戦とともに忘れ去られましたが、唯一カレー粉まぶしスパムは、戦後もカリーヴルスト屋で売られ、食されました。



・強制収容所

キャメロット連合軍とルース軍によるアスカニア解放が進むに連れ、「強制収容所」の全貌が判明してきた。

強制収容所では政敵や民主派はもちろん、被差別人種や魔種族まで収容させ、死ぬまで強制労働に従事させていた。

この報道をニュース映画で見ているエルフはこう言った。

「あら、ダリンウェンより手ぬるいわね」



解説

どっちかと言うとエルフドートに近いのですが、オルクセン全土で語られているためオルクドートに分類しました。

エルフィンド王国末期のダリンウェン時代は政治犯収容所で強制労働のみならず、看守によるリンチや私刑、囚人を実弾射撃演習の的として使うことがあったと言われています。

ただ、戦後に純然な虐殺と民族族滅を目的とした「絶滅収容所」、ルース国内で行われた民間人への効率的処刑の数々、民間人虐殺専門部隊、戦時中に制定された「障害者存在罪」などの存在などが発覚すると、ダリンウェン時代を知る白エルフですら閉口したと言います。




               〜現代 -歴史編-〜

・連合国会議

戦後、キャメロット連合参加国を中心に、連合国会議が結成された。

当然、キャメロット核開発に参加したオルクセン連邦も準常任国として参加した。

連合国会議設立宣言当日、事件が起こった。

人間族用に設計した椅子がオルクセン連邦大使であるオークの体重に耐えきれず、崩壊した。

大使は腰の骨を折って死亡し、連合国会議最初の仕事はイス設計業者への非難決議採択となった。


解説

九四七年に設立した連合国会議は、世界の治安維持を目標に掲げています。

しかしその実態は、常任国の内ゲバ会議であり、非難決議や拒否権行使で議論がロクに解決しないのも日常茶飯事です。そのため、会議の進行をスムーズにするため当たり障りのない下らない議論を先に行うので、重要事項を後回しにするという悪癖まであります。

そのため、アスカニア枢軸参加国を中心とする非常任国から「連合国ダンスホール」と非難される事も度々あります。



・第一次華国戦争

第一次華国戦争中、キャメロット連合軍は北華国とルース義勇軍の人海戦術に苦しめられた。

その様子を取材したオーク族の記者は、記事に結びとしてこう書いた。

「ベレリアンド戦争中のエルフィンド軍の夜襲の方がよっぽど怖かった。」


解説

人間は目が光りませんからね。

九五〇年に起きた第一次華国戦争は3年後に停戦条約が結ばれますが、南北華国ともに満足できる内容では無かったため、停戦直後から国境紛争が頻発化。

結果、第二次華国戦争を招きます。



・オルクセンコンドーム

第一次華国戦争中、キャメロット軍の兵隊は華国女の良さに気づいた。

その結果、オルクセンのコンドームがアホみたいに売れた。


解説

「戦起きればエリクシル屋が儲かる」ということわざも今は昔。第二次星欧大戦中には既に抗生物質が使われ始めました。

売れなくなったエリクシル剤の代わりに、オーク族が着けても破れない丈夫なオルクセンコンドームが外国軍で注目されるようになり、サバイバルグッズとしても大量に使われることになります。

ちなみにキャメロットでは法律により売春が禁じられているため公営娼館が設置できず、兵士による民間人強姦事件が相次ぎました。そしてそれは第二次華国戦争にてピークに達しました。



・核実験

核実験の報をある2人の農家が聞いていた。

「なあオットー、核ってなんだ?」

「分かりやすく言うなら、太陽みたいに明るくて熱くてデカイ爆弾だな」

「そりゃいいな。それを冬に上げてくりゃ、冬でも畑を耕せるべ」


解説

九五二年、ズーホフ島での核実験により、オルクセン連邦はキャメロット、ルース共産民主主義国に次ぐ三番目の核保有国になりました。

しかし多くの国民にとって、核は夢のエネルギーであり、核実験の報を聞いても皆が平和利用について議論したと言います。



・奴隷解放運動

南センチュリースターは今、黒人奴隷解放運動で大荒れだ。

そんな中、ある一人の白エルフ記者が無謀にも黒人主催の解放運動デモを取材しに行った。

だが彼女は黒人から襲われることはなかった。アンファウグリアの帽子を被り、顔に戦化粧をしていたからだ。


解説

南センチュリースターでの黒人奴隷解放運動において、黒エルフは「自由・闘争の象徴」として扱われ、実際黒エルフの横顔をシンボルマークにする黒人組織が多数ありました。

南センチュリースターで起きた黒人奴隷解放運動は、人種差別の激しい北センチュリースターにも波及し、最終的に「有色人種解放戦争」へと繋がり、センチュリースターは三つに分断することとなります。



・グロワール男女平等運動

ある日ディネルース女王は、徴兵された男が公務員試験で加点されるという制度を廃止しようという女性主導の運動がグロワールにて行われているのを聞いた。

ディネルース女王は呆れながらこう言った。

「女性も徴兵すれば平等だろうに」


解説

九六五年現在、星欧ではフェミニズム運動と男女平等運動が激化しています。これは第二次星欧大戦後に産まれたポスト大分断世代が成人し、彼らが新たな価値観を求め始めたことに起因します。



・13人の国葬

空軍の白エルフ兵13名はその生命尽きるまで飛行場を守り抜いたとして、魂を弔うため国葬が行われた。

国葬式にて、ディネルース女王陛下が演説台に立ってこう仰られた。

「今後悲劇を起こさぬよう、空軍にもアンファウグリア流陸戦訓練の導入を約束する。」


解説

九六一年、南黒大陸にて国際平和維持活動部隊として派遣されていたオルクセン空軍の白エルフ分遣隊は、ゲリラの夜襲に遭います。援軍が到着するまでの30分、整備士だった彼女らは銃を手にとって飛行場と機体を文字通り死守しました。

テレビや新聞で「軍神」と持て囃される一方、陸上兵力の不備や護衛の不手際などを指摘する声も多数上がりました。

空軍もこの事件を重く受け止め、飛行場警備用に陸軍の装甲車や装甲兵員輸送車を導入するきっかけとなりました。



               ~大分断 -軍事編-~


・空母グスタフ・ファルケンハイン

空母グスタフ・ファルケンハインが建造された理由。

ヴェーヌス海軍作戦本部長がチビにコンプレックスを持っていたから。


解説

ヴェーヌス海軍作戦本部長主導によるグスタフ・ファルケンハイン級航空母艦建造計画の目的は、ルース共産民主主義国空軍の核攻撃機を洋上で迎撃、もしくは沿岸航空基地を制圧して地上撃破することです。

それでも基準排水量6万トンの巨体は国民から「デカ過ぎる」とよく言われています。

ちなみに同型艦エルンスト・グリンデマンも現在建造中です。


・野砲開発

大分断時代、砲兵将校は一つの問題に直面した。野砲では展開や陣地転換に時間がかかる問題だ。砲兵レーダーが発達しつつある現在、一分一秒でも早く展開し、撃って、逃げることは重要だ。

そこでキャメロットではグロワールと共同し、軽量長距離野砲を発明した!砲架にタイヤとエンジンがついてるから、陣地まで自走もできて、展開所要時間わずか五分。おまけに中型ヘリで空輸できるスグレモノだ!

一方のオルクセンは、トラックに野砲を載せて自走砲化した。


解説

オルクセンはアウトバーンと呼ばれる高速道路と、鉄道を国中に張り巡らした結果、鉄道輸送できて高速道路も走れる自走砲が国土防衛に最適とされ、結果的に世界初の装輪式自走砲を開発するに至りました。

ちなみにジョーク内で語られるキャメロット・グロワール製の野砲は、空輸できる点を買われ、オルクセン軍のヘリ師団や空挺師団にて導入されています。



・立場逆転

アンファウグリアで威張る黒エルフは、転職先の騎馬警察隊マルローリエンで白エルフ教官殿にしごかれる定めである。


解説

マルローリエンは内務省国家憲兵隊予備隊の発足により解散しましたが、元マルローリエン在籍者を中心に、エルフィンド州警察にて騎馬警察隊として復活しました。

騎馬警察隊は騎兵とは全く違う運用法になるため、騎兵師団時代のアンファウグリアからの転職組ですら苦労したと言います。ましてや戦車師団になった現代なら尚更でしょう。

ちなみにマルローリエンの名は、現在ではエルフィンド州常駐の白エルフ族ヘリ空挺師団「マルローリエンⅡ」に引き継がれています。



・一年志願兵

息子が大学に入学した時、親が真っ先にすること。

息子が知らぬ間に一年志願兵へ志願させること。


解説

ベレリアンド戦争後、損耗率の高い下士官・士官の予備兵力を増やすため、オルクセン陸軍では「一年志願兵制度」が導入されました。この制度は大学生以上の青年を対象としており、食費・被服費・日用品費を自弁することで、兵役期間の半分は下士官教育、もう半分は士官教育を受けつつ兵営で過ごし、1年で少尉として除隊できる制度でした。

九六五年現在、オルクセンでは大学進級率が上昇し、一年志願兵志願者も増えました。そのためペーパードライバーならぬペーパー少尉が多くなっており、軍の弱体化を招き、富裕層を優遇していると非難されるようになっています。一年志願兵が廃止される日も近いかもしれません。



・酒保

酒保で一番売れる商品、女性用の生理パッド。


解説

オルクセンの連隊駐屯地には必ず酒保が整備されています。

訓練中の新兵も教官同行という形ですが利用できますし、半年の訓練期間終了後は休日に限り店内飲酒も可能です。(兵営内飲酒は厳禁)

女性用生理パッドは行軍訓練の際、靴ずれ防止によく使われます。



・ズル休み

訓練を確実にサボる方法、梅毒をもらう。


解説

連隊駐屯地の繁華街には必ず公営娼館とモグリのヤミ娼館が存在します。

公営娼館はまだ安全ですが、避妊や性病予防すらロクに行わないようなヤミ娼館が格安料金を武器に蔓延しています。

そのため軍隊内ではコンドームの着用を義務付け、性病患者への罰則を廃止することで、性病患者の予防と早期発見に力を入れてますが、根本的解決にはなっていません。

ちなみに梅毒は抗生物質の登場により、九五〇年代前半には既に簡単に治療可能な病気となっていました。



・白エルフ人気の職場

兵役を嫌う白エルフに人気の職場は海軍海兵隊。

支給用のレモン割火酒を作る時は海兵隊員が素手で樽の中を掻き回すが、これをエルフがやると男どもから歓声が上がってちやほやされるから


解説

オルクセン海軍では今でも、非番の水兵には1日0.5Lのレモン割火酒を配給する文化が残っています。またこのレモン割火酒を作るのは、決まって海兵隊員とされます。これはデュートネ戦争時代のキャメロット海軍の伝統を受け継いだものと考えられます。なお現代オルクセン海軍でもそうですが、デュートネ戦争時代の海兵隊は陸軍憲兵の代わりとして船に乗り、艦内の秩序維持任務に就いていました。



・各軍の飯

陸軍の飯は体を使うからガッツリ大量に出る。

海軍の飯は旨いが、船酔いで吐かないようワザと少なめ。

空軍の飯は予算を飛行機にとられるから、パイロット以外は囚人食が出る。


解説

オルクセン空軍は常に予算不足気味のためか格安業者を雇っているため、メシマズで有名です。



                ~大分断 -日常編-~

・空の旅

あるオーク族の息子が親孝行のため、親にキャメロット行きの旅客機チケットを送った。

飛行機は最新のキャメロット製ジェット機で、しかも就役してから今まで事故無しだから安全だ。

数日後、父から怒りの電話がかかってきた。

「オーク族用の飛行服なんてあるわけ無いだろ!!」


解説

傑作オルクドートです。ネットでも良くオルクドートの例として紹介されています。

もちろん、数え切れないほどの派生型があります。



・テレビが普及した理由

オルクセン人がこぞってテレビを買う理由。

予備役招集のお知らせが1日中流れているから。


解説

第二次星欧大戦後、九五〇年代から走査線200本以上でバックライト付きの家庭用テレビが各社から発売され、オルクセンでのテレビ普及率が一気に上昇しました。ちなみにオルクセンでの放送局は全て国営放送です。

予備役招集の際は招集数日前から、招集対象地域一覧が字幕で1時間毎に流れるという伝統があります。



・農薬散布

オルクセンの畑は広く、農薬を撒くだけでも一苦労だ。

そこにキャメロットの企業が目をつけ、農薬散布会社を立てた。二人乗りの小型飛行機で農薬を撒き、代金もお手頃だ。

だけど、ご近所に住んでる大鷲族に農薬を散布してもらえるから誰も利用しなかった。


解説

巨狼族とともに軍に所属していた大鷲族でしたが、九六〇年代になると役目を飛行機やヘリコプターに奪われ、軍役からも解役されていました。

そのため現在では、猟師兼農民として生計を立てる大鷲族がほとんどとなっています。



・オルクセン議会

オルクセン議会はキャメロット議会と並び、ヤジが飛ばないことで有名だ。

これを不思議がった外国人ジャーナリストはオーク族の政治家に聞いた。

政治家はこう答えた。

「オークでさえ素手でバラバラにできるような陛下の前でそんなことできる勇気はないよ」


解説

グスタフ王からの伝統として、オルクセン議会は平均3日に一度国王が傍聴するという習慣があります。

ベレリアンド戦争の英雄にして現女王の前で、口喧嘩なんてみっともないことはできない訳です。



・アキツシマの自動車

アキツシマ製の電化製品が星欧中で人気を博す中、今度は自動車まで大量に輸出された。

これにオルクセンの自動車メーカーは非常に警戒したが、すぐに胸を撫で下ろすことになる。

オーク族の体に小さすぎ、コボルト族とドワーフ族の体に大きすぎたからだ。


解説

オルクセンの自動車メーカーは、オーク族とコボルト族の体が人間族と同じくらいにならない限り、安泰と言われています。

ですが人間族とほぼ同じ大きさのエルフ族ではアキツシマ製自動車が非常に普及しつつあります。



・過労死

アキツシマのとある企業がオルクセンに現地支部を築いた。

その会社に入社した白エルフ三人は優秀さを認められ、アキツシマの本社にて研修を受けることになった。

一週間後、オルクセン大使館に企業からの電話がかかった。

「大変だ!たった2日徹夜しただけで白エルフが3人とも失輝死した!!!!」


解説

現在のアキツシマでは悲しいことに、労働基準法よりも会社への忠誠が優先視され、忠誠の証として残業することが当たり前です。さらに残業などによる仕事の疲れを癒やすため、薬局で買った緊急用エリクシル剤を用法用量無視で飲む行為が流行しています。。

その結果、過労死するサラリーマンが急増。この異常現象を取材したキャメロットのマスコミによって、過労死は世界に知れ渡ることになります。



              ~大分断 -ロヴァルナいじり編-~

・最強の戦略兵器

最強の戦略兵器

核兵器、ディネルース女王、レオニード・プチャーチン


解説

プチャーチンはアスカニア軍の協力の下、九一七年3月に武力革命で混乱するロヴァルナ首都へ帰還。共産党をまとめ上げると首都防衛軍の兵士からの支持を得て、同年10月に共産革命を達成。ロヴァルナ連邦を建国しました。

彼自身の政治能力は無に等しく、後継者内戦の長期化やロヴァルナ大飢饉を招いただけでなく、「赤い悪魔」の書記長就任を防げませんでした。

そのため、プチャーチンのことを「数億人を殺した有史以来最強の戦略兵器」と称する事があります。



・ロヴァルナ女

ロヴァルナ共産党書記長は悩んでいた。農業の生産性と収穫量が右肩下がりなのだ。

彼は農業大臣を呼んで相談した。

「なぜ我が国には美しい娘がたくさんいるのに、男どもはよく働かないんだ?」

「同志書記長、我が国の女はエルフ達と違い、結婚したらブクブク太り始めるのを男達はよく知っているからです。」


解説

あまりオルクドートらしくないオルクドート。おそらく、本家アネクドートの輸入品でしょう。

ロヴァルナ人女性は若い頃の美しさから、「10年エルフ」とも呼ばれています。

ちなみにロヴァルナの集団農場の効率の悪さは第二次星欧大戦前から指摘されており、数字を盛ってるのではないかと噂されます。



・相手の二歩三歩先

書記長が党大会で演説を行った。

「我らが敵の資本主義国はもはや崖っぷちに立たされている!共産主義の勝利はもうすぐだ!」

するとある議員が応援のヤジを飛ばした。

「そうです同志書記長!我らは常に資本主義者の二歩三歩先を先回りして行動しています!」


解説

これもおそらく、本家アネクドートからの輸入品。

ロヴァルナ連邦では良く「崖っぷち」という表現を演説にて使う風習があります。



               ~天のグスタフ王~

・グスタフ王と初代エルフィンド女王

グスタフ王は天にてエルフィンド初代女王と出会い、語った。

「なぜ貴公はエルフから男という性別と生殖機能を無くした?」

「男なんて偉そうにするだけでブクブク太る存在、綺麗じゃないからよ。

それにそんなやつらに全裸を見せるだなんて御免だわ」

「排泄機能さえ無くしたのも同じく綺麗じゃないという理由からか?」

「そうよ。あんなので快感を覚えるなんて、考えただけで恐怖で身が震えるわ。」

「ではなぜ小の方は無くすことができなかったのだ?」

「・・・怖いものは怖いからよ・・・」


解説

この時代から、死んだグスタフ王があの世で色々なことをする「天のグスタフ王」ジョークが誕生し始めました。これはその初期のもの。

エルフの小便は、食中毒や恐怖を感じた時、体調が芳しくない時に稀に排出されます。



・グスタフ王とプチャーチン

グスタフ王は天にてプチャーチンと対談した。

「人を導くなら、高尚な共産主義理論の1つか2つ、構築すべきだよ」

「私はその前に腹を満たさなければいけないと思うよ」


解説

プチャーチンの場合、空手形で人を騙し利用する、煙に巻いたような理論で下らない事を言うことが多いイメージですね。



・グスタフ王とツィーテン

グスタフ王は天にてツィーテンと再開した。

「すまぬ。私が無理を言ったからお前を死なせてしまった」

「いえいえ、生物はいつか死ぬ理です。わしの場合、それが偶々戦場だっただけなことです。」

「ところで我が王、私が苦労して育てた馬を捨て、自動車や戦車に鞍替えした理由をじっくりお聞きしたいのですが・・・?」

ツィーテンの目は全く笑っていなかった。


解説

天のグスタフ王に登場するツィーテンは、馬のことについてはバカを通り越して狂人化しがちです。



・知恵の実

グスタフ王が天に登った時、神が王を労った。

「あなたは知恵の実一つでよくここまで成し遂げました。」

「いいえ神様。私は知恵の実だけでなく、あらゆる植物や肉、果物、魚を食わず嫌いせずに育て食べたため、ここまで頑張れました。」


解説

聖星教の教義には「原初の人は知恵の実を食べたため楽園から追放された。それ故、人は皆生まれついての知恵の実を体に有する」というものがあります。

ちなみに聖星教原理主義者的には、魔種族、黒人、アジア人は知恵の実を持たない野蛮人に分類されるそうです。

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