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異世界転移して平和に暮らそうと思ったらクラスメイトたちに自分の街を滅ぼされたので、仕返しに反乱を起こすことにしました。  作者: 藍枝 碧葉
第四章 わたしはタクミ様についていく。この先もずっと、ぜったい──パーピィ
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第16話 復讐への旅立ち

「リオンヌ、ミセロス、街のみんな……ゴメン」


 ノーヴァラスの街を遠くに見下ろす丘の上で、拓臣(たくみ)は小さく呟いた。

 街の中央に一際大きな煙が上がっているのが見える。

 おそらく一カ所に集められて焼かれているのだろう──街の人たちの亡骸(なきがら)が。


 燃え落ちた街、そして焼かれる住民たち。

 拓臣の身体の奥底から灼熱(しゃくねつ)に似た感情が急速にせり上がり、両拳(りょうこぶし)が固く固く握りしめられる。


「タクミ様……これから、わたしたちどうしたらいいのかな」

「決まってる──皆の仇を討つ、復讐(ふくしゅう)する。どんなことをしてでも絶対に思いしらせてやる」


 パーピィがそっと拓臣の手を握る。


「うん、わかった。わたしはタクミ様についていく。この先もずっと、ぜったい」


 少女の手からやさしげな温もりが拓臣の拳を包み込む。


「……」


 少年は無言のまま少女の手を握り返した。


   ◇◆◇


 拓臣とパーピィは街を襲ったと思われる軍隊の痕跡(こんせき)を追って移動を開始した。

 パーピィの前後の話をまとめると、おそらく敵は人間の、アレクスルーム王国に関係する軍隊だ。だとすれば、目的は魔帝領(まていりょう)への侵攻──だと思うのだが、それにしては動きがおかしい。


「魔帝領へ攻め込むなら、拠点となる都市や(とりで)にむけて進軍するはず。なのに、この部隊は逆に国境へ向けてゆっくりと戻るコースをたどっている」


 拓臣は軍が移動した痕跡──兵士や馬の足跡、車輪の跡などを確認しながら首をひねった。

 そして、ほどなくして、拓臣たちは目的の軍隊の姿を捉えることに成功する。王国と魔帝領のほぼ国境付近の丘陵地帯(きゅうりょうちたい)。規模は騎士、歩兵含めて千人くらいだろうか。移動する足跡などから見当(けんとう)はついていたが、けっこうな大軍だ。


 陣を遠望できる林に身を潜めた拓臣はパーピィに荷物を預ける。


「潜入して探ってくる。あれが街を滅ぼしたヤツらなら、相応の(むく)いをくれてやる」

「わたしもいっしょに……といっても、足手まといになっちゃうかな」

「まあ、今回はあくまで調べるだけだから、僕一人の方が動きやすいし。それに、荷物の番も重要だから」


 拓臣の言葉に不安そうな表情を必死で抑えてうなずくパーピィ。

 そんな少女の頭を軽くなでてから、拓臣は敵の陣へと向かっていった。

 日が落ちて暗闇があたりを包みこむ中、茂みに身を隠しつつ、慎重に敵陣へと近づいていく。


「なんというか、緊張感の欠片(かけら)もない」


 見張りや歩哨の存在を警戒していたのだが、そんな気配は一切なかった。

 それどころか、陣でどんちゃん騒ぎをしている兵士達の姿がハッキリと見える場所まで、あっさりと近づくことができたのだ。拓臣は、そのことに安堵(あんど)よりもむしろ怒りをおぼえる。


「なんなんだ、この軍隊」


 夜の街でハメを外している学生集団──まさにそんなノリを感じたのだ。

 そんな中から、一人の兵士がこちらに向かって歩いてきた。

 反射的に身構える拓臣だったが、どうやら、拓臣の存在に気づいたというわけではなく、小用を足しに陣を離れたといった風に見えた。


「……!!」


 拓臣は思い切って行動に出る。

 兵士の近くまで忍びよると、体当たりするように襲いかかった。


 ──ドガッ、ドスン!!


 茂みに倒れ込む二人。

 馬乗りになることに成功した拓臣は兵士の口をふさぎ、反対の手で抜いた剣を首筋へと突きつけた。


「大声を上げたら殺す。わかってるよね──」

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