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オーク襲来

[主人公視点]


 胸騒ぎがした次の日、村長は数十匹にもなる大規模な捜索隊を結成した。もちろん俺も相棒を探すため捜索隊に志願したが、断られた。

 結果、村のゴブリン達は半分ほどになり、残ったゴブリンもみんな家で隠れていた。

 


 昼過ぎになり、事態は急変する。



 捜索隊のゴブリンが傷だらけになりながらも帰還し、門を叩きながら叫んだ


「オークダ!!オークガクル!!」


 オークと聞き、村は騒然とした。

 あるものは逃げる準備を始め、あるものは戦う準備をし、あるものは家の隅で震え上がった。


 それだけで終わりじゃなかった。更に事態は悪化する。


 なんとか見つからずにオークの群れを抜けてきた部隊が、オークの群れの更に奥に人間の部隊がいるのを発見したのだ。

 そこからの村長の決断は早かった。

 皆に荷物をまとめさせ、逃げようとしたのだ。


 だが既に手遅れであった。


 1匹のオークが村の前に姿を現したのだ。1匹、1匹と数は増えていき、数十匹ものオークが群れとなって、村の門に殺到する。


 もう何時まで門がもつかわからない。この村には裏門も裏道もなく、門以外の出入り口はない。


 もう戦うしかない。残っていたゴブリン達は、それぞれ武器をもち、陣を敷いた。俺は手にいつもの棍棒をもち、守備隊の1番後ろに配備されていた。


 どうする、召喚獣を出すか、けど出したらもうこの村にはいられない。

 

「ッ!?」


 ドオォォン!


 門が破られた。

 弓部隊から声が聞こえる。


「放テェェ!」


 村に1番乗りしたオークに矢が殺到し、ハリネズミみたいになって動かなくなる。


 弓矢部隊が次の矢をつがえてる間に、続々とオークが侵入してくるが、槍部隊が執拗に顔や脚を狙い妨害する。


 そして


「放テェェ!!!」


 矢が殺到する。

 なんだ、意外といけるじゃないか


 なんて思ってた所に、一際大きなオークが大盾を構えながら侵入してきた。大盾のオークは、矢をものともせずに1歩1歩着実に歩を進めていく。


 そして信じられないことに、ハリネズミみたいになっていたオークの死骸の脚を鷲掴みにし、弓部隊に向かって投げたのだ。


 グシャッ


「ギャァァァァアアア!!!」


 投げられたオークはゴブリン数匹を下敷きにし、更に衝撃で周りのゴブリンは倒れこんだ。

 大混乱がおきた。


 大盾のオークはそのうちに大盾を両手で掲げ、突進の構えをとる。


 ミシッ


 と音が聞こえそうなほど筋肉が盛り上がり、

 地面を踏み込んだだけとは思えないような衝撃。


 そして

 槍部隊のゴブリン、剣部隊のゴブリン、弓部隊のゴブリンを文字通り木っ端微塵にしながら突き進み。

 ゴブリンの陣の最後方まで風穴をあけた。


 そこからは乱戦だった。

 オーク達が槍を一振りするだけでゴブリン数匹がバラバラになり、ゴブリン達は一匹のオークに一斉に飛びかかりがむしゃらに切り刻む。



 そして俺は大盾のオークと対峙していた。

 最後方に配備されていた俺の方に、大盾のオークは一直線に突進してきたのだ。


 じっとりと額に汗をかく。あまりの威圧感に諦めてしまいたくなるが、そんなことも言ってられなさそうだ。

 大盾のオークが盾を振りかぶりながら走ってくる


 ブンッ


 俺は振り下ろされる盾を転がることで避けるが、物凄い風圧が俺をよろけさせる。


 まずッ!?


 オークは振り下ろした盾を引きずりながら俺に向かって振り上げた。全身がバラバラになりそうな程の衝撃が俺を襲う。


「ッ」


 声にならない声をあげながら、俺はグルグルと回転しながら吹っ飛び、地面にぼろ雑巾の様に叩きつけられた。


 ぼやける視界に誰かが入ってきて、俺のことを見た後、大盾のオークに向かっていった。


 俺はそこで意識を手放した。


 *


「ギッ……」


 まだ生きてるのか?


 俺は唯一動く首だけを起こして周りを見渡す。それは地獄絵図だった。今やもう戦っているゴブリンは少数で、倒れてるゴブリンにオークどもが槍を突き刺して回っている。


 俺の目の前には背を向けた村長がいた。激しい戦いだったのだろう、大盾のオークはあちこちに傷をおっていて血が体を伝い爪先まで血にまみれていた。

 大盾のオークはそれでもしっかりとした足取りでゆっくりと村長に近付いていく。

 村長は動かない。いや、もう動けないんだ。


 ああ、やめてくれ


 大盾のオークは盾を振りかぶった。


 頼む、助けて



「召喚!!!!」



 突然聞こえた俺の声に一瞬、大盾のオークが固まった。


「呼ぶのが遅いです、主人」


 剣を振りかぶった状態で大盾のオークの背後に召喚されたニンゲンは


 ザシュッ


 ゴトン……


 そのまま剣を振り下ろし、オークの首を切り落としたのだった。



 《レベルアップしました》

 《レベルが上限に達しました》

 《進化しますか?》


 《"ニンゲン"がレベルアップしました》


 ドサッ


 村長がまるで糸の切れた人形のように崩れ落ちた。


「村長!村長!! ニンゲン!村長を助ケロ!早ク!」


 俺は這って村長に近づくが


「無理です主人、あのホブゴブリンはもう、、」

「ダマレッ!! 召喚! 村人、村長を助けろ!」


 村長のそばに召喚された村人は棒立ちしたまま動かない。


「どうした!早く助けろ!!クソッ、役立たずの人間どもめ!!」


 俺は這って村長のそばにたどり着く。そして村長の体をみて言葉を失った。肩から腰にかけて肉が大きく抉れ、顔はぐちゃぐちゃに潰れていて、剣を握っている腕はねじ曲がっていた。


 死んでいるのは一目瞭然だった。


「…………」

「主人、私があなたを守ります。」


 そう言い残し、ニンゲンはいつの間にか周りを囲っていたオーク達に突っ込んでいった。


 周りでオークの悲鳴や、金属がぶつかり合う音が聞こえてくる。

 その間、俺はじっと村長を見ていた。


 《"ニンゲン"がレベルアップしました》


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