相棒の職業とレベル上げ
あれから10日がたった。
丁度1週間が過ぎたときにペナルティが解けた。
1週間、相棒に助けてもらいながら生きるのは屈辱だった。
それより問題なのが、俺らは1度も村の外に出させてもらえなかった。
「グァ、、暇ダ」
「ナァナァ、俺ノ職業何ニナルト思ウ?」
相棒はここ最近ずっとこの話題しかしない。
明日が相棒の1歳の誕生日なのだ。
そういえば相棒の取り柄と言えば何だろう。
「ネェナ」
「何ガ!?」
相棒はびっくりした顔で俺を見つめるのだった。
*
次の日になり、相棒の職業は狩人に決まった。
不意打ちと罠の作成、索敵、隠密などに補正がかかる職業だ。
「狩人しか選べなかっタ....」
「落ち込むなよ」
確かに普通だし、戦闘に強いわけではないが、便利な職業ではある。それに2人の人間と戦ったとき、あの不意打ちが無かったら俺は確実に死んでいたのだ。
ぴったりな職業じゃないか。
「グァァ、、、弓矢ノ練習でもシヨウカナ」
「狩人だした、しといて損は無い」
遠距離攻撃が増えるのは良いことだ。
そういえば
「俺らはいつ村の外に出れるんだろうな」
「お前は、しばらくダメダロ、召喚士だぞ? 俺は外に出ていいらしいしな」
「ギッ! お前だけずるいぞ」
「ギッギッ、先に進化するのは俺かもナ!」
相棒は気味の悪い笑顔を浮かべながら弓矢が置いてあるところに向かっていった。
残された俺はどうするか。
召喚の練習でもするか、けど召喚の練習て何をすれば……
途方に暮れるのであった。
*
[相棒視点]
何故よりによって狩人なんだ……
弓矢置き場に向かいながら思う。このままだとどんどん差をつけられて、相棒と一緒にいれなくなってしまう。早くレベルアップして、進化して、肩を並べられるくらいにならなきゃ。
ステータス
ゴブリン Lv.6 ランクG
職業:狩人
HP:13/13
MP:1/2
攻撃力:10
防御力:7
魔法力:1
俊敏 :7
技能:夜目、罠作成Lv.1、不意打ちLv.1、索敵Lv.1
【罠作成】Lv.1 【輪】 消費MP1
地面に輪を作る。かかった相手はつまづく。
レベルが上がるにつれて、作れる罠が増える。
【不意打ち】Lv.1
相手の意識外から攻撃を当てると攻撃力があがる。レベルが上がるにつれて攻撃力が増す。
【索敵】Lv.1
目標を見つけやすくなる。レベルが上がるにつれて鮮明にわかるようになる。
弱い、ステータスが低すぎる。けどやりようはある。昔から攻撃力だけは高かった。これを生かすんだ。そう思いながら、弓矢を手に取った。俺はしばらく弓矢の練習をしたあと、村を出た。
*
俺が狩人の職業を得てから何日もたった。その間俺はほぼずっと村の外に出て、狩りを続けていた。たまには野宿もした。
今日も早朝に起きて、森の奥へと進んでいった。目的の場所に辿り着くと、索敵を全開にして狩りのモードに入る。
音を立てず、草むらを移動する。
「ッ!?」
何かの気配を感じた。
咄嗟に四つん這いになり草むらに身を隠し自分の気配を消す。
気配の位置に集中。
そこか?
矢をつがえる
一瞬だけ立ち上がり
シュッ
素早くその場から移動し、木に登る。
上から様子を探る。
ちっ、外したか
それは大きな熊だった。脚に一本矢が刺さっているが、致命傷には至っていない。俺は弓を背に背負って、ナイフをもつ。
そして木から飛び降りた。
グシャッ
自分の全体重と、不意打ちLv.2の効果でナイフは熊の頭蓋骨を突き破りそのまま地面に食い込んだ。
まだだ、これではいずれあいつに置いていかれる。
そしてまた草むらに身を潜めた。
*
もう夜か
あれから色んな動物やスライムを狩った。レベルも上がりづらくなってきた。
ステータス
ゴブリン Lv.9 ランクG
職業:狩人
HP:18/18
MP:4/5
攻撃力:13
防御力:10
魔法力:4
俊敏 :10
技能:夜目、罠作成Lv.2、不意打ちLv.2、索敵Lv.3、隠密Lv.2、弓術Lv.1、小刀術Lv.1
【罠作成】Lv.2 【鈴】消費MP1
鈴の付いた糸を張る。罠に引っ掛かった者は自分の位置がバレる。
鈴の音が聞こえるのは罠を張った者のみ。
【隠密】Lv.2
自分の気配を消しやすくする。
レベルが上がるにつれて、消しやすくなる。
チリン
鈴の音が頭に響く。
何か罠に引っ掛かったな
俺は身を翻して罠の元へ向かう。
そこには二足歩行の豚がいた。全長2メートルほどもあり、醜悪な豚の顔をしていて、手には槍を持っていた。何やら焦った様子で周囲を探っている。
おいおい、嘘だろ
何でこんなとこにオークがいるんだ
俺は急いで風下に移動し、地面に伏せた。オークはかなりの強敵だ、分厚い皮膚に、暴力的なパワー。ゴブリンでは絶対に勝てない種族。村でもオークに会ったら逃げろと言われていた。
だが、
ここで、オークを殺せれば、確実にレベルが上がる。
進化も出来るかもしれない。
俺は静かに矢をつがえた。
*
[主人公視点]
「グァーア、暇だ」
相棒もいねぇしな、また危ないことしてなければいいが。相棒は早朝に村の外に出て、夜中に帰ってくるを繰り返していた。時折ひどい傷をおってくるのだ。
俺は何度も止めようとしたが、相棒の鬼気迫る顔に気持ちを削がれてしまった。
何があいつをそんなに追い詰めたのかは知らないが、思うところがあって戦っているのだろう。俺もそろそろこのくそったれな召喚獣どもについて、真剣に考えなければいけないか。
まずは召喚できる距離、召喚獣の体制、同時に何体出せるのか、命令がどこまで通じるか、どのくらいの期間召喚できるか。だな。
わかったことをまとめると、
・認識できる距離ならどこでも召喚できる。
・召喚時の体制は、召喚するときに意識すれば変えられる
・MPの許す限り何体でも同時に召喚できる
・命令は大雑把な命令でもある程度こなしてくれる
・召喚獣は1日で消える
・ニンゲンだけは自我を持ち、命令を聞かないことがあり、おそらく何日でも召喚し続けられる
ということだ。認識できる距離ならどこでも召喚できるのはかなり便利であった。応用すれば、武器を構えた状態で敵の背後に召喚するとかできそうだ。
ま、村人は武器持ってないけど、壁にはなるだろ。
余談だが、ニンゲンは召喚した瞬間にペチャクチャ話始めたので、すぐ消えてもらった。自我があるとはめんどくさいものだ。
それにしても今日は相棒の帰りが遅いし、大人達も村から出ていった限り戻ってこない。
なにやら胸騒ぎがする。
俺はボロ家から出て、空を見上げた。
今にも雨が降りだしそうな、暗い雲が空を多い尽くしていた。




