表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/24

幻惑魔法【挑発】

馬車にのりしばらく道なりに進んでいると、森を抜け草原地帯に入った。見渡す限りの草原で所々木々が生え、遥か遠くに小さく見えるのがおそらく人間の街"ローゼンベルグ"だ。


「見えている感じだとあと2日って所か。」


 俺の考えた作戦とは、商人の馬車を奪い、御者と商人を村人とニンゲンにやらせ、俺達ゴブリンと妖精は積み荷に化けてローゼンベルグに侵入するという簡単な物だった。

 積み荷の検査をされたら村人を大量に召喚して逃げるか、剣士を大量に召喚して強行突破する予定だ。


「逃げたら警備が厚くなって侵入しずらくなるし、強行突破したら追っ手がくるけどな。」


 俺は頼むから積み荷の検査しないでくれと、祈るしかなかった。

 そもそも人間の平均的な強さがわからない。門にいるであろう兵士はどのくらいの強さなのだろうか。

 ニンゲンより強い人がいたらもうそれだけでアウトだな。


「そういやピスカって何ができるんだ? 戦闘面で」


「私は何もできないよ。ただの妖精だし、そもそも戦ったことないもん!」


「え....もしかしてレベル1のままか?」


「もちろん! 幻惑魔法も【挑発】しか使えないよ!」


 まじか。ピスカがここまで使えないとは思わなかった。ピスカの親父さんがあそこまで強いからピスカも何らかの能力があるとばかり思っていた。【挑発】って何に使うんだ?相手を怒らせるのか?

 他人のステータスを見れないというのがこの世界の厄介な所だな。普通異世界転生物なら見れるだろうに。


「これはパワーレベリングだな。」


 俺は空を見上げながらぼそっと呟いたのだった。


 *


「魔物がいない....」


 ピスカをパワーレベリングをするために魔物を探しているが、この草原地帯には驚くほど魔物が居なかった。

 確かにこの草原だけでは食料が無くて生きていけないのかもしれないな。


「ラスト、あそこに何か見える。」


 セイブルが指差す方向を見ると確かに白いような黒い動物の群れが見えた。


「あれは、牛か?」


 俺は御者である村人に指示をだし、群れに静かに近寄らせた。


 見えてきたのは牛を何倍も凶悪にしたような魔物だった。体は牛の三倍は大きく、頭からは捻れた角が2本飛び出し、筋骨隆々の身体からは時折湯気が立ち上っていた。


 こんな魔物の群れに襲われたらたまったもんじゃない。

 俺は馬車をそのまま下げようとしたが。ふとピスカの幻影魔法が脳裏をよぎる。


「ピスカ。あいつに【挑発】したらどうなる?」


「どうなるって、怒って襲ってくるけど。」


 これはいけるかもしれない。俺はセイブルに目配せした。セイブルは俺の目を見ただけで何をすべきか理解して頷いた。流石だ。


「よし、馬車を降りるぞ。なるべく群れの端にいるやつを狙う。近寄りすぎるなよ、襲われたら逃げ切れない可能性が高い。」


 足速そうだからな。

 俺は少し離れて弓をつがえるセイブルを見て、牛の魔物の1匹に目をつける。


「ピスカ、この距離でも【挑発】は届くか?」


「やってみないとわかんないけど、やってみるね。【挑発】!」


 すると、一番群れの端にいた牛の魔物がギロっとこっちを睨み、身体から大量の湯気を立ち上らせながら爆走してきた。


「【輪】」


 セイブルのトラップが発動し、牛の魔物が勢いそのままに転けた。


 シュッ


 そこにセイブルの弓矢が飛び、牛の魔物の目に吸い込まれる。

 悲鳴をあげようとした牛の魔物に追い討ちをかけるように弓矢が喉に突き刺さり、悲鳴もあげれずのたうちまわっていた。

 えげつないな。


「俺もやるか、召喚【剣士】。」


 上空に召喚した剣士4人は、剣の切っ先を増したに向け、重力そのままに落下していく。

 そして足や腹にズブリと剣を突き刺した。


 悲鳴にならない悲鳴をあげながら牛の魔物はがむしゃらに暴れまわり剣士たちを薙ぎ払うが、あの出血じゃ時間の問題だな。

 後は弱るのを待つだけか。


「やっぱり狩りは楽しいな。」


 セイブルが笑顔で近寄ってきたので、俺も緊張の糸を解いて笑い返した。


 *


 あれから数分間暴れた牛の魔物は血だまりの中でぐったりとしていた。


「よし、ピスカ、やれ。」


「や、やってやるんだからっ!」


 と言いつつ、ビクビクとしながらも、牛の魔物の元までゆらゆら飛んでいくピスカ。


「えい!えい!」


 妖精の国でも見た、細い針みたいな武器で顔の辺りをチクチク刺していく。

 何分間たったのだろうか。えい!えい!とチクチク刺しているピスカを見ているのも飽きてきたな。


 《レベルアップしました。》


 お、来たか。


「やったよ!私が、ピスカが魔物倒したよ!!」


 嬉しそうな顔してピスカがぶーんと飛んでくる。

 俺はなんだか、微笑ましい気持ちでその様子を見ていた。


 さて、ステータス


 ラスト


 ゴブリンシャーマン Lv.4  ランクE

 職業:召喚士

 HP:47/47

 MP:92/93

 攻撃力:12

 防御力:10

 魔法力:33

 俊敏 :13

 技能:夜目、人間語、ゴブリン語

 称号:耐える者

 召喚:人間

 ・ニンゲン 剣士 Lv.18

 ・村人

 ・剣士

 魔法:無属性魔法【シールド】


 まぁ普通だな。


「ラスト、俺もレベルあがったぞ。」


 セイブルもか、これはパワーレベリングがはかどりそうだな。

 にしても、仲間のステータスが見れる道具とか無いのかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ