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膨大な……あまりにも膨大な

 久しぶりに空を見た。東の方に思わず息を呑むほど馬鹿でかい入道雲が屹立していた。ここ最近はずっとこんな感じなのか? よくわからんが、いずれにせよ入道雲はテンション上がる。しばらくは空を監視しておこう。ダイナミックな瞬間を見逃すわけにはいかないからな。やはり暑い季節はいちいち派手で良い。


 ボーダーランズをはじめてやった時のことを覚えているだろうか。おれは覚えている……気がする。つまり、タイトル画面のCL4P-TP……通称クラップトラップのダンスをはじめて見た瞬間、もしかしておれはとてつもないゲームと出会ってしまったのではないか、そう思ったような気がするのだ。

 これは偽の記憶なのかもしれない。いや、その可能性は高い。だが……はじめてボーダーランズがこの国にドロップされてから経った十年という短くない時間に、おれがこのシリーズとどのように接してきたかを改めて考えると、おれはこの記憶が嘘でも構わない、むしろ騙されていたい……そう思うのだ。

 ボーダーランズ、ボーダーランズ2、ボーダーランズ・プリシークエル、そして最新作ボーダーランズ3。もちろんDLCやスピンアウトのTales from the Borderlandsも含めて、このシリーズにおれがどれだけの情熱と時間を捧げてきたか、お前には想像できるか? 膨大な……あまりにも膨大なエネルギーをおれはこのシリーズに注いでしまった。そして今なお、それは続いていいる。

 FPSは好きか? ハクスラは好きか? ポップアップする数字の桁が上がっていくのは? スキルポイントを握りしめて、スキルツリーの森に迷い込むのはどうだ? 全部の答えがYESならこっちにおいで。ボーダーランズにはすべてが揃っている。NOがひとつでもあるやつは……そうだな、サー・ハマーロックの言葉を借りるなら、きみのようなつまらん人間に用はない。 


 ルートシューター。ハクスラRPGとFPS、TPSを合体させたジャンルだ。この単純だが偉大な発明を世に知らしめたのがボーダーランズだ。一発当てたジャンルの常としてフォロワーが柳の下をさらいにうようよ寄ってくる。醜い光景だが、仕方ない。やつらも生き残るのに必死だし、おれたちユーザーだって面白いゲームを見つけたら、似たようなゲームをやりたくなるのが人情ってものだ。

 デスティニーやディビジョンなどわりかしイイ線いったタイトルもあるにはある。だが、ルートシューターのキングは昔も今もボーダーランズ。異論は認めない、っていうかよく異論唱えられるなお前? 頭沸いてんのか? たてついてくるやつにはそう煽り倒したくなるくらいの決定事項である。とりわけシリーズ二作目のボーダランズ2は控えめにいって最高、メーカーの旺盛なサービス精神も相まって、もはや神話の域に到達したと言っても過言ではないモンスタータイトルだ。一体、何年に渡っておれのGOTYであり続けたろうか。万人に勧めることのできるゲームなどというものは存在しない。人によって趣味嗜好はだいぶ違うし、その日のムードでやりたいゲームは変わってくるものだ。それを知ってなおかつ、おれはお前にボーダーランズ2を強烈にレコメンドしたい。ひと昔前のゲームだが、錆びついちゃいない。まだまだ現役バリバリだ。


 さて、そんなシリーズのあまりにもお得なバンドルセットがある。ボーダーランズ・レジェンダリー・コレクションがそれだ。ボーダーランズ、ボーダーランズ2、ボーダーランズ・プリシークエル、リマスターされ、かつDLCも全部入ったこの三本のタイトルを一挙に総取りできるチャンスが身近に転がっているとは、なんと恐ろしい時代だろうか。真面目に取り組めば、このバンドルだけで2,000時間は余裕で溶けてなくなる代物だ。そりゃあ、香川県も震える。

 だがいくらお得だと言ったって、おれは三本ともリマスター版をXboxONEにぶちこんであるわけで、まあはっきり言ってこのバンドルを必要としていないわけだ。仮に特殊な理由があって、どうしてもこの三本を買わなければいけない、そういう状況に陥ったとしてもSteamのセールで買えばかなり安くあがるはずなので、そちらを選ぶべきだろう。

 それでもおれはこのバンドルを買った。……なぜだ? おれは馬鹿なのか? 言葉を慎め。おれは馬鹿ではない。仮に馬鹿だとしても、馬鹿に馬鹿と言って一体何の意味がある? まあまあ、落ち着いて。状況が変わった。Switch版が出たのだ。こいつの意味するところはなんだ? そうだ。その通りだ。おれはボーダーランズを持ち歩けるようになったのだ。つまりこれはおれの脳と目と両手が生きている限り、大抵の状況下において惑星パンドラおよびエルピスへの直通切符を手に入れたことに他ならない。のこのことテレビの前に出ていかずとも、ベッドの中でボーダーランズができる。改めて恐ろしい時代になったものだ。


 正直にいうと、携帯機としてのSwitchはFPSに向いていない。よって、ありえない操作ミスが頻発し、非常によく死ぬ。だがそれがおれにはプラスに作用している。手なりになっていた戦い方、スキル振り、装備のチョイス、すべてを見直している最中だ。まるで新作をやっているような充実感……これはめちゃくちゃ楽しいぞ。

 倦怠期ばりばりの長年連れ添った女房と、もしまたお互い新鮮な気持ちで接することができたならば……それは無上の幸せと言えないだろうか。

 今回はここまでにしよう。

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