第7話 「嫌みな老婆」
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鈴空は、リアに手を引かれ、ある場所へと連れて行かれる。
リアに連れられ、僕が向かったのは、街はずれにあるスラム街のようなところだった。
「リア、ここはなんだ?スラム?こんなところになんの用事があるんだ?」
「あっ、急にこんな汚れたところにお連れして、すいません。でも、もう少しで、着きますので、我慢してください」
今は、リアに任せよう。それにしてもリアの手は暖かくて、柔らかいな。そして、あのモフモフ。触りてー!
「鈴空さん、こちらです」
目的地に着いたのか、リアの足が止まる。
「この店で話をするのか?」
「はい。正確には、この店の地下になりますが」
店に入ると、バーカウンターがあり、テーブルや椅子がいくつか乱雑に置かれていた。僕は、リアに手を引かれ、店の奥へと歩みを進める。すると、足元に大きな鉄板が現れた。
「鈴空さん。少しリアから離れていてください」
リアの手を離さなければならないのは、非常に残念ではあるが、今は、リアの指示どおり、僕は2、3歩後ろに下がった。
「Δ § Γ Θ Ψ」
リアが、床の鉄板になにやら、聞きなれない言葉を呟いたかと思うと、鉄板は一瞬光を放ち、消失した。鉄板の無くなった床には、下へ続く階段が見える。
「さぁ、いきましょう!」
一抹の不安もあるが、僕は、リアを、ケモ耳っ子を、モフモフを信じている!
「うむ」
階段を降りると、小さな部屋にたどり着いた。そこには、椅子に腰かけて本を読んでいる一人の老婆の姿があった。部屋の中は、いくつか置かれた鉱石から発する光のおかげでかなり明るい。白熱電灯と蛍光灯の間くらいの明るさだろうか。この小さな部屋を照らすには、十分な光量だ。
「鈴空さん。お疲れ様でした。そこの椅子に腰かけてください」
リアに指示されるがまま、僕は動く。
「リア………。あんたが、ここに他人を、いやヒューマンを連れてくるなんて驚いたよ」
老婆が口を引いた。老婆は、続けて言う。
「ヒューマン………。お前………。異世界人か………。なるほど。そうゆうことじゃったか」
え?なんで僕が、異世界人だってわかるんだ?この婆さん何者?運営側の人間とか?
「婆さん、なぜ俺が異世界人だと思うんだ?」
「そんなの簡単じゃ!そんな変な服装して、そんな変な話し方して、その歳で無能力者であれば、お前は、ほぼ異世界人で決定じゃ!おおかた、リアの姿に見惚れて付いてきたってところじゃろ?」
だー!この婆さん嫌いだー!つーか、初対面でそこまで言われるー?まぁ確かにぃ、服装に関してはぁ、スーツだからぁ、この世界に溶け込んでなくてぇ、浮いていることは認めるけどぉ、いきなり僕のキャラ設定まで否定して、リアに聞こえるように、僕の内心を暴くのは、やめてー!
「そ、そうか。ま、まぁ婆さんの言うことには一理ある」
「一理?それが全てじゃろが」
「ぐっ」
僕の反骨精神は、出会ったばかりの婆さんに打ち砕かれ、もはや、言葉が出ない。
「それで、リア。何故この男をここに連れてきたのじゃ?お前は、ギルドへ身分登録に行ったはずじゃなかったのか?」
婆さんは標的を僕からリアへと変更した。
「急に連れてきてごめんなさい。今、説明するね」
リアは、嫌みたらしい婆さんへ、ギルドでの経緯を説明した。
「なるほどのぉ。それは、すまなかったな、若いの。それにしても大変な目におうたの。まぁ、異世界での洗礼じゃと思って忘れなされ」
「あぁ、そうするよ。さて、俺は、婆さんに嫌みを言われるために、ノコノコとこんな地下に来たわけじゃない。リアが話しがあると言うから付いて来たんだが………」
「あっ、そうでした!じゃあ、早速お話を始めますね」
読んでいただきありがとうございました。
これからも連載を続けていこうと思っておりますので、ご意見、ご感想等、寄せていただけると勉強にもなりますし、執筆意欲も出ますので、ぜひよろしくお願いします。