第6話 「チート?」
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『わからず屋』で鈴空のチート能力が判明?リングの宝石から映し出された、鈴空の能力とは?
「では、このリングを指にハメてみてください。リングにハメられている宝石から、使用可能なスキルと魔法が文字として浮かび上がりますので」
そんなに簡単にわかるものなのか。しかし、なんの変哲もないチープなリングだな。まぁ、ものは為しか。
「わかった。どの指でもいいのか?」
受付嬢は頷く。
僕は、左手の中指にリングをハメた。すると宝石が輝き、光が目の前に溢れた。
「こ、これは………!」
受付嬢の表情が一変する。
まさかの、チートスキルか!やっぱりあったのか!異世界転移だもんな!やっぱりな!
「で、なんのスキルと魔法があるのか分かったか?」
僕は、冷静になり、精一杯キャラを保ちつつ、受付嬢に問う。もちろん、心の中では、ドヤ顔全開だ。
「鈴空様の、所持スキルと魔法は………」
うんうん。早くいってくれ!心の準備は出来ている。公表された際の、行動も考えた!周りがこうバーっと湧き上がるような、スペシャルなスキル、もとい、チートスキルを-----!
「無です」
「む?無ってなんだ?無属性スキルとか?」
「いえ。無です」
『無』ってなんだ?想像していたのと違う。違いすぎて、脳が、体が、心が全く理解に追い付かない。
「えっと………、つまりなんのスキルなんだ?魔法か?わかりやすく説明を頼む」
受付嬢は、桜唇を手で隠すと、顔を伏せ答えた。
「プっ。無いです。なにも………無、プフフフ」
アレ?なんか、受付嬢笑ってない?
無いって無能力者ってことか?お約束のチートスキルは?
「………………………」
え?マジでないのか?アレ?あれ?
僕が想像していたのと全然ちが-----う!!!
僕が、あまりの予想外な回答に動揺し、困惑していると、周囲の他の冒険者や客、店員も、クスクスと顔を伏せ、笑いをこらえている情景が目に入ってきた。僕は、いっきに顔が火照るのを感じ、それでも、今のキャラを演じようと努力する。
「なにが、おかしい?」
この僕の発言に、周囲は、ピリっとするどころか、逆にこらえていたであろう笑いが、バ-----っと湧き上がった。僕の羞恥心は、限界に達し、今度は、僕が顔を伏せた。
その時、僕の肩に、先程、至上の幸福と慕情を与えた、小さく柔らかい手が触れるのを感じた。僕は、恐る恐る振り返る。リアの顔は、笑ってはいたが、周囲の者たちとは違い、温顔に笑みをたたえていた。
「大丈夫ですよ。ヒューマンは、私達とは違い、生まれつきの固有スキルは持っていないんです。もう一度周りを見てみてください。笑っているヒューマンはいますか?」
ヒューマンって人間のことだよな。人間、人間。あっ、いた。あれ?笑ってない。むしろ、真顔でこっちを見ている。
「ご理解いただけましたか?笑っているのは、ヒューマン以外の人種です。なので、何も恥じることはありません。何も卑屈になる必要もありません。当然のことですから」
かぁ-----!天使だ!ケモ耳天使。僕は運命の人を見つけたみたいだ。齢25歳にして、初めてこんなに女子に優しくされた。僕の、ピュアな恋愛心は完膚なきまでに撃ち抜かれた。
「ありがとう!でも、気にしていたわけではないのだ。目にゴミが入ったようで痛かったから、下を向いていた」
「そうだったんですね。そうだ!鈴空さん、これからお時間ありますか?少し、私に付きあってください。さっきの粗相のお詫びもしたいので………。とりあえず、今日は、ギルドを出ましょうか」
リアは、そうゆうと僕の手を握り、足早に『分からず屋』から僕を連れだした。
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