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ワケあって、異世界審査通っちゃいました  作者: 蜂月 皐
第6章「三つ巴の戦い」
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第57話 「グランド・オブ・ヴァニティー」

新章突入です!


まずは、僕が知る限りの、現在の情勢を整理しておこう。


敵として認知できているのは、『天狗』、『飢餓凪翔(きがなぎと)』、『鬼神修羅(おにがみしゅら)』の3勢力。飢餓との戦闘の折りに、龍人の姿を見かけたが、龍人族が敵なのかは現状不確かだ。ただ、常婆の話だと、天狗と飢餓凪翔が手を組んでいるのは間違えなさそうだ。そして、龍じいの話から察するに、鬼神修羅。彼女と鬼族は一蓮托生とみて間違えない。つまり、確かなところの情勢としては、『天狗・飢餓凪翔』vs『新吉原』vs『鬼族・鬼神修羅』といったところか。


強敵揃いで、しかも新吉原が挟まれた感じになっているが、どちらにしろ、直近の目標としては、『ララの救出』そして、『リアの余殃眼の治療』となるか。


さて、現在僕ら、月華と陽炎の、国王直属精鋭部隊は、天狗の領地、大陸最南端の『カルラ山』へ向け、移動中である。天狗の本拠地、飢餓凪翔の拠り所、そしてリアの姉にして、余慶眼の持ち主である『ララ』が居る場所。カルラ山は、元ゴルゴーン国を通り抜け、グランド・オブ・ヴァニティーという荒れ地を抜けた先にあるという。そして、今はその、荒れ地を歩いている最中である。


「なぁ、メデュー。この荒れ地どこまで続いてんだ?だだっ広い荒野が永遠と続いてるだけか?」


歩き疲れ、荒れ果てた地表以外何もない荒野に、痺れを切らした僕は、メデューに話しかける。


「全く、あんたは、ホントどうしようもないヤツね!これくらい耐えなさいよ!国王でしょ!」


メデューの返答は冷たい。相変わらず。にしても、国王と認識はしてくれているようだ。これは、朗報だな。


「この、グランド・オブ・ヴァニティーは、10年前にナインレース・ヘゲモニーの舞台となった場所。壮絶な9種族の戦いは、この地に生を宿すことを禁じた。だから、人も、自然も何も無い。空虚で、むなしい、虚無な大地が続くだけ」


急に言葉を発したのは、癒華だった。なんだか、癒華に言われると、神の啓示を聞いているような、神意的なものを感じる。


「わ、私だってそのくらい知っていたわ!無能な国王に、今、説明してあげようと思っていたのよ!」


メデューは、負けず嫌い。相変わらず。たまにはデレをくれ!アメとムチだろ。ムチはもう十分に受けたから、アメをくれないとそろそろ拗ねるぞ。


そうこう言っているうちに、日は暮れ、闇が辺りを包んだ。


「今日は、この辺にテントを張って休もう。この暗さじゃ、正しい方角もわからない」


僕は、野宿の準備をするように、メンバーに指示を出した。30分もしない間に、テントが立てられ、ランタンに火が灯り、夕食が配給された。今晩の夕飯は、干し肉とパンだ。食後には、コーヒーを飲みながら、荒れ地に差し込む月光の元、感慨に浸った。


「ところで、ステーノ。今更だが、陽炎のメンバーを紹介してくれないか?」


月華と陽炎は一緒に訓練を積んできた。だが僕とカイザは、花龍の剣技を学ぶ為、別特訓を受けていた。そのため、他のメンバーとは、ほとんど交流を持ててない。僕は今、枯渇状態だ。ケモ耳の枯渇。飢餓状態。だけど、()()()とは違い、僕に適合、不適合はない。ケモ耳は僕の全てに適合する!


「えぇぇ。めんどぉぉ。そっちから適当に鈴空様に自己紹介してぇぇぇ。僕は、寝る」


ステーノは、眠そうだ。相変わらずだな。メデューとステーノ、ブレないなぁ。


「では、鈴空様。ステーノ様に代わり、私から陽炎の3人を、自己紹介させていただきますね」


口火を切ったのは、見るからに優秀そうな、クラスの生徒会長のような雰囲気を持つ、鳥のデミヒューマンだった。


「私は、リュビアと申します。そちらの2人は、セウスとハルペーです」


3人は名を名乗ると頭を下げた。


「よろしくな。ところで、3人の種族と役割を聞いてもいいか?」


「はい。私、リュビアは、鳥族です。リュアレ様の1番弟子にあたります。ヒーラーを担当します」

「ミーは、セウスにゃ。猫族ニャ。ミーは、バランス型ニャ」

「あたいは、ハルペーです。豹族で相棒は、この『曲刀パジャール』です。アタッカー役ですね」


一応、僕の戦闘スタイルに習い、役割事に人選してきたわけか。この3人がヒーラー、バランス、アタッカーってことは、ステーノは特殊技能型か。


「うん。良い構成だ。3人とも、ステーノがこんなんで大変とは思うが、期待しているからな」


その後、僕達は、僕が眠たくなり、枯渇していたケモ耳パワーを充電するまで談笑し、床に就いた。


読んでいただきありがとうございます^^

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