第3話 「ルート選択」
引き続きご愛読いただき、ありがとうございます!
「じゃぁ、説明、始めるね。鈴空は、ここで、これから行く世界のルートを選択する」
「おぉ!それってつまり、選んだルートに沿って人生が決まるってこと?チートっぽくていいな」
「チート?それが、鈴空が望む異世界生活なの?」
「いや、その、初めから、将来どうなるのかをあらかじめ知っていれば、そのように進むだけだから苦労がないなって………。楽ちんだし………」
「楽ちん?それが、鈴空の望む異世界生活なの?」
そんな純粋で曇りない綺麗な目で俺を見ないでくれ。なんだか、自分という人間の小ささを露呈しているような気がして、辛い。
「ん。鈴空、そんなにルート選択は、単純じゃない。確かに始まりのルートは決めるけど、最終的なゴールを決めれるのは、鈴空自身………だよ」
「はい」
「ん。そこに、石板が6つある。石板には、それぞれ異なったルート、つまりこれからの人生の基盤となるものが刻まれている」
ルートはあくまで基盤か。最終的なゴールを自分で決められるってことは、かなり自由度高くね?
とはいえ、始めて行く異世界。不安はあるし、まだこの状況を飲み込みきれてない………。
「思うところはあるけど、今は、石板を選ぶしか道はないみたいだな」
石板とミウ以外いない空間。出口も見当たらない、どこまでも暗闇が続くこの部屋に逃げ道はないようだ。
「じゃぁ、一つずつ石板に触れてみて。そこに映し出されたものが、『ルート』」
「わかった。えーっと………」
僕は、ひとまず、全て触れてみた。
『一つ。ルートは、天道』
『一つ。ルートは、人間道』
『一つ。ルートは、修羅道』
『一つ。ルートは、畜生道』
『一つ。ルートは、餓鬼道』
『一つ。ルートは、地獄道』
「コレって、六道ってヤツ?明らかに選んだらヤバそうなものがあるんですけどー!」
「鈴空。どれにする?最初で最後の選択」
「コラー。怖いこと言うなよ………。僕は結構ビビりなんだ」
修羅と畜生と餓鬼と地獄は、明らかに外れルートだな。選んだら、即ゲームオーバー系のヤーツ。そうすると、天道か人間道か………。
「あっ、そういえば、ミウ。あの店なんだったんだ?審査通ったら教えてくれるって言ってたけど………」
「あの店は、異世界紹介所。審査は、これから送る異世界への適合を図るためのもの」
「ふーん。ま、今の流れからするとそうなるか。ん?そういえば、ケモ耳の女のコがいたけど、あれって
コスプレとかじゃなくてこれから行くいせかいの住人なの?」
「ケモ耳………?」
「そう。猫耳ー!とか、犬耳ー!とかがついてる萌え人類」
「んー。鈴空には、そう見えていたの?鈴空は、やっぱり適性値高め」
「は?どゆこと?」
「あの店の店員は、そこに訪れた人の欲望に沿った形で現れる。鈴空の場合は、ケモ耳」
「マジか!そうゆうことは先に言ってほしかった。知っていれば、もっと違う欲望を形にしたのに………」
世の中は、まったくもって理不尽だ。ともあれ、『ルート』とやらを選ばないといけないな。
読んでいただきありがとうございました。
これからも連載を続けていこうと思っておりますので、ご意見、ご感想等、寄せていただけると勉強にもなりますし、執筆意欲も出ますので、ぜひよろしくお願いします。
次話は、「異世界転移」です。鈴空の選択したルートの先にある世界とは?異世界生活のはじまりです。