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ワケあって、異世界審査通っちゃいました  作者: 蜂月 皐
第2章「リザードマン編」
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第22話 「厨二病と無属性魔法」

引き続きご愛読いただき、ありがとうございます!


鈴空は、手に入れた『ワケありタオル』に付与されている、無属性魔法を早速使おうとするのだが………

リアは、びっくりして目を丸くし、後ろに仰け反っていた。


「すまない。取り乱した。つい、欲望を爆発させてしまったようだ」

「鈴空は、ホントに自分の欲望に忠実な方ですね」


確かに僕は、そんな人間だ。だが、何故だろう。今は、誉め言葉にしか聞こえない。


「ところで、鈴空さんは、無属性魔法の適性ありますかね?試してみてはいかかですか?」


無属性魔法か………。無属性って名前が妙に引っ掛かるな。まるで、何も取り柄の無い人が使う魔法みたいだ。


「物は試しだ。ダメ元で使ってみるか」


僕は、首にタオルをかけて、魔法を唱えてみる。


魔法「ポルタード」


?????


「な、何も起きませんね。やっぱり適性がないんじゃ………」


マジか!なんか猛烈に恥ずかしいぞ!なんだこの羞恥プレイは………。

はッ!!!これってもしかして、思春期特有のアレなんじゃないか!自分は、魔王の眷属で闇魔法を使えると思っていて、誰もいないところで、一人魔法の詠唱をする、そうまさに厨二病じゃないか!は、恥ずかしい。この歳になってコレは耐え切れん。しかもリアの目の前で………。僕は、耐えがたい恥辱に体が震え、慙死(ざんし)の思いにかられた。


「あっ!そうだ!龍じいに剣術の指南を受ける予定だったんだ!じゃ、リアまたね!」


僕は、その場の空気に耐え切れず、下手な言い訳けをして、リアの前から逃走した。


とりあえず行くあてもない僕は、村の外れにある、池に来ていた。


「なぁ、紗月。俺の適性する魔法属性って何だと思う?」


僕は、水面を眺めながら、ふいに紗月に語り掛けた。


「ふむ。主様は、自分の魔法属性を調べたことはないようじゃの。簡単に調べられるのじゃぞ。やってみるかの?」

「え?そうなのか?どうやるんだ?」

「本来は、魔法石の付いたリングや腕輪などを使用するのが一般的なんじゃが、それが無かった時代に先人達がやっていた方法をご教授しようかの」


魔法石のリングや腕輪か。初めの頃、ギルドに行ったときにハメさせられた、あのリングか。確か、保有しているスキルや魔法を調べられるって受付の人が言っていたな………。にしても嫌なことを思い出した。


「んで、それはどうやるんだ?」

「そう急くな。まず、火、水、土、風の4大元素系に関連するものを用意するのじゃ。手始めにそこの池の水なんかどうじゃ? 」


僕は、紗月に言われるがまま、池のほとりまで歩みを進めた。


「では、主様よ。わしに透明化のスキルを付与したときのように、手に意識を集中させて、水面にかざしてみるのじゃ」


僕は、紗月の言う通りに、水面に手をかざした。


「特になにも起きないな………」

「ふむ。そうすると、主様は、水属性の適性はないの」


成る程。本来は、こうやって自分の適性する属性を見極めるのか。


「もしかして、他の火、土、風もやり方は同じか?」

「さすが主様じゃの。飲み込みが早い。その属性に対して適性があれば、なにかしらの反応を示すのじゃ。水面に波紋が立ったり、火の勢いが増したり、石が割れたり、風向きを変えられたりと反応の仕方は、人それぞれじゃがな」


わっかりやすいなぁ。そんな単純で簡単な方法があるなら早く教えてくれれば良かったのに。それがわかっていれば、こんなタオル買わなかったのにな。


「あっ、それから、さっき使用できなかった無属性魔法じゃが、無属性の適性は」

「それはもういいよ。使えないことはさっき十分に理解した」


あれは高い授業料だった………。


「じゃあ、早速色々試してみるか」


僕は、他の火、土、風をそれぞれ同じ方法で試してみた。


「おーい。紗月。これ本当にやり方あってるのか?どの属性も全く反応しないぞ」

「やはりそうか………」

「なにがだよ。俺には魔法は使えないってことなのか?」


僕は、ムスっとして仏頂面で紗月にあたった。


「いやいや、ちょっと待て、主様よ。そうゆう意味ではないのじゃ。この結果は、わしの予想通りということじゃ」

「予想通り?」

「うむ。主様、そちはやはり、無属性魔法の適性がある」


は?いやだから、さっき魔法発動できなくて、赤っ恥かいたばかりじゃん。しかも、一番見られたくない

人の目の前で、堂々とだ。


「紗月、お前とは短い付き合いだけど、命を救われたこともある。俺は、それなりにお前を信頼しているんだぞ。だから今は、そうゆう冗談はいらないよ。俺を元気付けようとしているなら逆効果だ」


僕は、先程よりもさらにきつく、冷たく紗月にあたった。自分の魔法属性が解らず、気持ちをぶつける場所が他に見当たらない。


「主様。さっきのタオル、『ワケありタオル』と言ったかの?『ワケあり』ってことは、なにか()()()()があるのではないか?」


あッ!そうか!あれは、ワケあり商品か。僕が、発動条件を満たしていないから、効果が発動しなかったのか!


「紗月!お前やるな。さすが、俺の刀だ」


僕は、リアの元へ急いで戻り、本を開いた。本には購入履歴が記されていた。


『ワケありタオル。付与魔法:無属性魔法ポルタ―ド。ワケあり:()()()()()()()()魔法を使用できない』

音楽フェスかーい!!!

読んでいただきありがとうございました。

これからも連載を続けていこうと思っておりますので、ご意見、ご感想等、寄せていただけると勉強にもなりますし、執筆意欲も出ますので、ぜひよろしくお願いします。


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