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勇者による召喚勇者救出大作戦  作者: ちかえ
第4章 変化の兆し
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タイミング

 アーッレは、クリストファーの側付きから上がってきた報告書を読んでいた。

 どうやら召喚した新しい勇者はきちんと修行を受けているようだ。時々、少しだけ考え込む癖があるらしいが、それは大した事ではないし、息子も同じように思っているようだ。


 今回は素直な奴でよかったと思う。ここ数年、反抗的どころか、恥知らずにも魔族側につく裏切り者の勇者達にずっと悩まされていたのだ。前回の勇者には脱走までされたのだ。全く。何が不満だというのだろう。


 いろんな意味で息子がそんな問題のある勇者を召喚しなくてよかったと思う。


 ただ、気になるのが、いつ息子が勇者を魔王領に送り込むか、という事だ。


 クリストファーはまだ何も言っていない。しばらくしてから送り出すとしか聞いていない。

 こういうところはまだ子供で甘いと思う。


 とはいえ、送り出すのに最適な時というのはいつなのだろう。アーッレは召喚してすぐに送り出してばかりだったので分からない。


 もちろんこれを最終的に決めるのはクリストファーだ。それでも親として、国王として、アーッレも口出ししてもいいだろう。


 できれば、彼らにダメージの行きやすい日がいい。それは分かっている。ただ、それがどういう日なのかは知らない。知っていれば物事は簡単なのに残念だ。


 前に、魔王領に送り込んだ王妃とマウリッツは、何の有益なものを持ち帰ってこなかった。何か弱点でも得ればよかったのに役立たずだ。

 そのままとどめようと思っていた隠密も何をされたのか送り返されてしまった。


 それを考えると、腹が立ってくる。何のために送ったのか、と全員を怒鳴りたくなってしまう。一部にはもう怒鳴ったが。

 隠密を送り返す時、魔王は得意げな笑みを浮かべていたという。


「魔王め……」


 何度呟いたか知れない言葉を口に乗せる。


 魔王の事を考えると腹が立ってくる。やはり、一泡くらいは吹かせたい。


 もう少し、誰かに情報を集めさせた上で、送り込む日時についてクリストファーと話し合うべきなのだろう。

 それが、召喚を許可したものの義務なのである。

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