アケノの幼馴染
男友達との休日①
「アケ~ま、待った?」
「おっそーい!! って、あんたまた太った?」
「ふぅはぁ……いゃぁ~牛丼が美味しすぎるんだよね! 最近はスィーツも美味すぎて参るよ」
「子供の頃からちっとも変わらないよね、幹は」
「これが俺だからね~人はそんなに簡単には変わらないよ。アケは綺麗になったかな?」
「ふっふっふ……それはそうよ。いつか来るであろう彼氏の為に頑張ってるんだぜ? 幹も少しは頑張んなさいよ? 彼女欲しいんでしょ。だったら努力しないと」
久しぶりの再会。幹は小さい頃から近所付き合いのある友達で、その頃から食べるのが大好きなぽっちゃりな男の子だ。ずっとその姿しか見たことが無い。痩せたらどうなるか分からないけど、彼女でも出来れば彼も変わるんじゃないかな。
今だって一緒に商店街を歩いていても、仲の良い姉弟にしか見えないしなぁ。男として見れるかって言われると悩むところ。
「彼女かぁ。今はそんなことより新作のスィーツが大事だなぁ」
そんなことより……なんて言われると複雑だけど、興味が無ければそんなものだよねきっと。
「ねえ、もし彼女が欲しくなったら紹介してあげようか?」
「えー? んー……それはいいや」
「何で? あんた、癒し系だから人気ありそうなのに」
「うーーーん……彼女かぁ。どうせ付き合うならアケがいいなぁ。昔から知ってるし」
私しか知らないって意味にも取れるな。幹は優しいし癒やしだし守ってあげたいけど、体型が残念……
「私かー。それが叶うにはまず痩せてからじゃないと厳しいかな。でも今はスィーツ男子なんでしょ?」
「まあね。好きなものは一途だからね! 今はスィーツに一途! 他は何もいらないのだ」
「はは……あんたらしいよ。じゃあ、そろそろ並ぶ?」
「うん! やっぱり新作は一番乗りじゃないと駄目だよ」
そんなわけで、私と幹は商店街にある人気スィーツ店の新作を求めに、行列に並ぶことにした。最近の休みは、エセカレばかりに時間とお金を割いてきたけど、たまにこうした癒しと甘さも必要だよね。