表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
似非(エセ)カレ~延滞は認めません~  作者: ハルカ カズラ
禁断の幕開け
6/15

2人目のカレシ 2日目 不満しかない。

               2人目のカレシ 2日目


 せっかく気を取り直しての2人目カレシなのに、またしてもダメ彼なのかな。エセカレってもっときちんとしたシステムなはずなのに……もしかして、私だけが外れを引かされてるとかじゃないよね?


 いくら行きつけのお店で任せるって言ったって、2時間の距離ってそれはさすがにひどすぎる。この人、本気なの? 


「あの……2時間移動するって真面目な話ですか? そういうことでしたら私……」


「くくっ……あははっ! ごめん、本気にさせてしまったかな? 冗談ですよ、冗談――」


 え? な、何……態度が変わった!? 丁寧な言葉遣いで落ち着いた雰囲気の年上って自己アピールに書いてあったけど、この人……リュウヤと似た感じのタイプなの? 


「じょ、冗談にも限度ってものがあると思いますけど? それともそれがあなたの本性?」


「ああ、いや、ごめんね。僕は最初に出会う女性には程度の強い冗談をみせてどういう反応をしてくれるのかを見るのが好きなんですよ。悪気はありませんから。アケノさんは想像以上でした。可愛いですね」


 ……なんてタチの悪い人なの。そして間違いなく趣味が悪い。可愛いとか言われてこんなにも寒気がするとか初めてなんだけど。今までの女性にもこんなことをして来たって言うの? よく苦情とか出なかったわね。


「性格悪いって思いました? ははっ、これが案外やみつきになる性格なんですよ。最初から優しくて大人しくて、おまけに顔もよければ騙され……いえ、夢中になる女性は多いかもしれないですが、それは面白くありません。あなたは日々の退屈な生活に刺激を求めてエセカレと契約したのでしょう?」


「それはまぁ、そうですけど……」


「……まぁ、立ち話もなんですから近くの飲食店に向かいましょうか」


 ど、どうしよう……何か性格がおかしい人なんだけど。うーーん……リュウヤの時は身内ペナルティだから途中解除出来たけど、今回の人は性格と言うか何か嫌な感じ。でもそれだけでは理由にならないし……


 そもそもこれも演技かもしれないし、趣味の悪い様子見を続けているのかもしれない。エセカレ自体が演技だけど、もう少し私も様子見をするしかないのかな。いくら顔がタイプでも、性格の不一致は厳しい気がする。お金は返ってこないし、とりあえず数日付き合ってみるしかないか……


「そうですね。近くであれば問題ないです」


「あぁ、僕の方が年上ですけど、敬語じゃなくていいですよ。僕の話し方はこれが通常なので気にしないでくれれば幸いです。アケノさんと出会えたことは僕にはラッキーな出来事なんです。ですから、どうぞタメ口でよろしく……」


「はぁ、じゃあ……よろしく、ショウスケ」


 うううん……他の人は上手くいいエセカレと付き合ってるのかな? そこが気になる。それとも、癒してくれて優しくて、上手くリードしてくれるエセカレは所属していないとかだったりしないよね。


「では、このお店に入りますか」


 彼が誘導したお店は至って普通すぎる飲食店。料理も普通だし、料金も高くない。


「僕は彼女に料理を口に運んでもらうのが夢なんですよ」


「ごめんなさい。私はそういうタイプではないので」


 キモ……やっぱり無理。コイツ、マザコンタイプ? 甘えたがり系の面倒なタイプだきっと……しかも私より年上。駄目だもう……コイツのどこを好きになれるんだろう。あーもう! 人って初めの第一印象が決め手だわ、マジで。


 エセカレ2人目……まだ2人目だけど、最悪すぎる男しか当たってないとかおかしくない? んー……あ、明日判断しよう。飲食店に入った以上は拒否出来ないし、コイツの本当の性格を見極めてみないと気が済まない! はぁ、リュウヤって正体が分からなければ良かったのになぁ――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ