1人目のカレシ 2日目
一人目のカレシ 二日目
年下のリュウさん、か。うん、イケメンね。でも何でだろ? 何か懐かしいような気になるけど会ったことあるのかな? まさかね。
「アケノはどこへ行きたい?」
くぅ~~~年下彼氏に呼び捨てされる日が来ようとは! どこにでも連れて行って欲しいけど、契約通りに動かないと駄目だよね。
「そ、そうね、まずはカフェにでも行ってお話をしたいかな」
「おっけー。じゃあ、行こうか」
リュウさん……いや、リュウは私の手を握って手繋ぎをして来た。おおお落ち着け、私。
「あ、あのさ、夜は何時まで一緒にいられるの?」
「ん、あぁ、アケノが眠くなるまで……かな」
「そ、そ、そっか。じゃあ、頑張らないと」
「無理すんなよ。綺麗な肌が荒れるぜ?」
ちょ、何その乙女ゲーム的なセリフ。すごいハートに来るんですけど? 本当に私の為を思って言ってくれてるんだよね? この子の瞳は嘘をついていないよね。
「じゃ、ここにする?」
「あ、うん」
手を繋いだまま、チェーン店でもないちょっと格式高そうなカフェに入店した。まぁ、支払いは私なんだし、そこは気にすることでもないんだけど。
「アケノって、一人暮らしなの?」
「ええ、そうよ。気になる?」
「惜しいな、と思ってさ」
「え? な、何が?」
「そんなに綺麗な人が何時でも一人で過ごしているってことが」
な、ななな……こんなセリフを何の躊躇もなく言えるなんて、普段から言ってるの? それともやっぱり演技? んんん~恥ずかしい。
「あ、ありがと……」
※
アケノが独り身ってのは予想通りだけど、よりにもよってエセカレに手を出すなんてな。そんなに出会いって無いものなのか? まぁ、俺としては誰であろうとバイト代が入るからそれなりの対応をするけどな。
「アケノは綺麗なんだから惜しいな」
綺麗なのは確かだけど、俺から言われて嬉しいのか? それとも年下イケメンに言われたから舞い上がってるとか。その辺、昔から変わらないよな。契約期間の間は、心も想いも満足させてやるか。これが俺なりの優しさと言うものだ。後はこのままバレずにいられるか、だな――