第99話 勝利
『魔甲障壁の消失を確認しました!!』
「戦闘可能な部隊は射撃体勢を整えろ! 海軍にも伝達、艦砲支援を要請! 全火力を叩き付けろ!!!」
王国東方方面軍は、爆裂魔法による攻撃を受けながらも、速やかに砲撃を再開。
戦車大隊が猛攻撃を仕掛ける中、セリカの乗る戦車もまた死力を尽くしていた。
「砲塔回せ!! 残った徹甲弾全部お見舞いしてやるぞ!!」
「了解! 砲塔旋回――――回しました!」
履帯はやられた、だが砲塔は健在。残った最後の徹甲弾を装填手が押し込む。
「装填よし!!」
最後の役割は砲手へと受け継がれた。
セリカは照準スコープを、プレアデスの爆裂魔法弾発射機へ合わせる。
「射撃用意よし!!」
車長であるルクレールは叫ぶ。
「撃てッ!!!」
「発射ッッ!!」
76ミリ戦車砲が咆えた。
豪炎を纏って飛び出した徹甲弾は、発射寸前の爆裂魔法へ命中。大地を揺らす爆発が連鎖した。
『古代兵器プレアデスの沈黙を確認!!! 繰り返す! 目標の破壊を確認せり!!!』
歓声に包まれた車内で、セリカは想う。
――ティナさん、クロエさん、フィリアさん......。きっと無事ですよね......。
次話がいよいよ最終回になります。
ここまでお付き合いしていただき、本当にありがとうございます。