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7/10

6話

この超絶まったり展開は8話ぐらいまで続く予定です。なんでや!なんでこんなにまったりしてるんや!

ノリと勢いで書いたらこうなってしまったんです、本当に申し訳ない

それと小説情報にも記載したのですが、クラス表示の旧式漢字への移行とタイトルの変更予定についてこの場でも連絡させていただきます。

追記:タイトル変更しました!(7/16 17時半頃)

新しいタイトルは「凍解(いてどけ)のユニスタス」です

それっぽくなったんじゃないですかね?



 現在の5話を修正いたしました。話が飛んでしまい本当に申し訳ございません!(7/20 14時半頃)

「危ないとこだった…」

「本当にすいません!」

「いいっていいって。気にしないで。仕方ないことだったってことにしておくからさ」

 周り騒ぎはじめちゃったじゃないですかやだー。まあ、"よん"しかまだ言われてないのもあって飛び交っているのは憶測による会話だけだからセーフだ。

 そうして周りを見回していると出口から戻ってこっちへ向かって来る三人組が目に入ってしまった。え?なんで三人なのかって?一人だけ近づこうとしないからだよ。

 知ってる顔なんだけどさ。逃げていいかな?逃げていいよね、答えは聞いてない。

「うーんと、じゃあ今日はもう特に用はないよね?ということでそれじゃあね」

 ギルドカードを受付嬢の手からひったくり、迷わず逃走へと行動をうつす。多分、これ以上ないほどに全く無駄のない動きだったはず。

「お、ルーク。まだ宿屋行ってなかったの?じゃあ僕はさき…に…なんでしょう、ルーク様」

 知っている顔なのに挨拶をしないのは逆に変だと思い、相手に喋らせる暇を与えず話しきろうとしている最中に、言葉が駄目なら行動で、と言わんばかりに肩を捕まれてしまった。もはやこれはアイアンクロー。蜘蛛の巣に引っかかったのごとく逃げることを制止される。

「うん?ああ、まあ、大した用じゃない。お前の方も用事終わったんだろ?どうせなら同じ宿にいこ──いだっ!?」

 ゴンッと大きな音がルークの後頭部から聞こえた。音だけでも痛そう。

「なにやってるんだい、あんた達」

 ミラや、なんで僕も含まれてるのかね?

 ん?あ、僕のほうは違う意味かな?なにやらかしてくれてるんだ、みたいな?僕のせいじゃないしー、虎のせいだしー。

「いや、すまん。憶測にすぎなかったとしても期待の新人をひっつかまえておこうとな。実力は十分に知ってるし」

 デスヨネー。とはいってもある意味捕まったのがルーク達でよかったのかもしれない。他の人に捕まってたらと思うとゾッとする。

「そんなことは知ってるよ。あんたはなぜこうも行動が早いんだと聞いてるんだ。もう少し考えてからにするという選択肢はないのかね?」

 あ、僕を捕まえたこと自体を怒ってる訳じゃないのね。捕まえることはミラも賛同してるのね。

「まあまあ、ほら結果的にはリオンも助かったことだし?」

 ん?僕は助かったのかな?ルークに捕まったことを不幸中の幸いとしても悪い方向に行ってるようにしか感じないんだけど。

「どういうこと?」

「周りを見ればわかるんだぞ」

 セラがそういうので周りをさっきより注意深く見てみると

(うわぁ…)

 スキンヘッドで大きな斧を背負った男から若い女冒険者まで色んなタイプの人たち、その人々の目が一様にギラギラ光ってる。その目を見て、改めて確実に狙われてるということを脳裏に刻み込まれた。冒険者だけでなく受付嬢達の目付きもだいぶヤバい。あれは女冒険者と同じ目だ。違う意味で狙われてるのは明確だ。

 ミラ様の言ってたことを本当に甘く見てました。非常に申し訳ございませんでした。この人たちのがっつき加減は日本の女性よりも遥か高みにある。そう言っていいぐらいに鋭い目付きだった。

 つまりさっきからリクがこっちに来ないで遠くに残っているのは僕が怖いんじゃなくて僕に集まってる視線が怖いんだろう。うん、すっごいわかる。むっちゃこわい。

「……とりあえず行こっか」

「おう、ついてこい」

 これは怖い。超怖い。もはやこれはトラウマレベル。


「それで、だ。リオン。早速本題に入るわけだが、俺らのパーティーに入る予定は?」

「…結果的に助かったうえにせっかくのところ悪いんだけど断らせてもらうよ。やっぱり、人のパーティーに入るんじゃなくて自分でパーティーつくりたいんだよね」

 これに関してはこっちの世界に来てからすぐに決めたことだ。理由としては色々あるんだけど、やっぱり一番の理由はこんな一大イベントは一度しか味わえないんだから味わっておきたいというものだ。

 あと今日ので他人のパーティーに入るのがとても危険だと思いしらされた。あれは危険すぎる。命じゃなくて精神的に。

「んまあそうか、最初からそんな気はしてた。駄目もとだったからな」

 僕が手続きのあとは別れよう、としていた時点で薄々感じてはいたんだろう。もし仮にパーティーに入ることを受け入れるのなら、断らないなら別れようとせずに最初からついていったはずだから。後で合流しようという話になったはずだから。

「ほんとにごめんね。臨時で入るぐらいならいいけど固定はちょっとね」

「じゃあ人数足りないときとか誘うことにするわ」

「うん、頼むよ」

 断ったうえでこのお願いをするのは気が引けるのだがこればっかりは仕方ない。僕は腹をくくって口を開く。

「あ、でも断っといて悪いんだけど…最初のほうはむしろ入れて欲しい…かな?ほら、保身のためにさら」

 そうでもないと最初のほうは勧誘地獄にあいそうだから。精神的にやんじゃうもん。

「確かにありゃあ大変そうだもんな。んじゃあしばらく頼むわ」

 ルークは歯を見せて笑う。ああ、こういう人を惹き付けるタイプの人間は大成するな。と改めて思い直す。こういう人柄は人に好かれる。もしかしたらそのうちハーレムでもつくってるかもな。と心では思いつつも言わないでおく。

「あ、あの!リオンさん」

 リクは話が終わったのを見計らって、思いきった表情で僕に話しかける。リクの顔をしっかりと見据えるとなにかを言おうとしているのか金魚みたいに口をパクパクさせているのが見えた。

「ん、なあに?」

「ぼ、僕にま、魔法を!教えていただけない…でしょうか?」

 …えっと…教えるってなにを?リクの方が魔法を使って長いでしょうに。と僕は思ったが、彼なりの考えがあるのだろう。言いたくなったその言葉を呑み込み、聞き出すことにした。

「えーっと?」

「…え、あ、すみません。やっぱり、む、無理ですよね…魔法は個人の財産って言うぐらいですもんね……」

 リクは端からも見てもわかるほど感情表現を全身でするので、口では何も言ってないのにも関わらず、落ち込んでいくのが手に取るようにわかる。流石にその姿を見ると居たたまれない気持ちになってきてしまう。

「いやいや、いいよいいよ、全然。でも…というかむしろ僕なんかでいいの?」

「リ、リオンさんがっ!…い、いいんです」

 まあ、そう言ってくれるなら僕もないがしろにするわけにもいかないしなあ…。

「……わかった。といっても教えることなんてほとんどないよ?」

「いえ、沢山ありますよ!特に!あの魔法をつくる発想力がどこから来るのか…僕はそれを知りたいんです!」

 あれは日本という国で育ち、この国の常識が身に付いていないからこそできた魔法ということになるのだろう。それならまあ、確かに彼に与えるものは大きいかもしれない。教えるのはすごい難しいけども。

「うん、わかった。あ、でもパーティー入ったときだけでいい?僕も色々あるし。それの他にも時間がありそうだったら誘うからさ」

「はい、大丈夫です!」

「良かったなー、リク」と撫でるルーク。やめてよっと笑いながら手を押し返そうとするリク。話も済んだようだから行こうかいと、歩みをふたたび始めるミラ。セラはその後ろに続いている。セラの入るタイミングではないため、会話には参加してない。その背中から話に参加できなくてしょんぼりしているのが窺えて可愛かった。


───────────


 少し歩いた先にあったのは宿『夕暮れの水辺』。そこに入ると受付にいたのは少女。見た目から推測できる年齢は同じくらいということは年下なのだろう。15、6歳といったところだろうか。

「あ、ルークさん。戻ってきたんですね、お母さーん、ルークさん」

 裏に向かって大きめな声で呼ぶと出てきたのはふくよかな中年の女性。雰囲気は柔らかく、優しそうな人だ。

「おお、ルーク帰ってきたんだね?」

「ああ、さっきな」

「部屋は二部屋だけ空いてる感じよ。二人部屋が二つね」

 明らかに一人余る。まあ自分はパーティーメンバーじゃないから僕が抜けるかな。

「む、じゃあ人数オーバーか」

「あれ?一人増えたんですか?」

 間髪入れずに少女が聞き返す。その辺は慣れているんだろう。

「いや、増えたって訳じゃないんだが…ん?増えたと言えば増えたのか?…まあいいや。紹介するぞ、こいつはリオハルトって名前な。リオンとでも呼んでやってくれ」

 僕は後ろの方にいたのをルークに引っ張られ、一番前に出される。そして、僕のことにきづいたのか顔が真っ赤になる受付の少女。

「初めまして。えーっと…なんて言ったらいいのかな?今日、冒険者になったのですが。この街に来たばかりで宿とか全然わからなかったのでルーク達に教えてもらってきました…でいいのかな?そんな感じですかね」

 話すと地味に長くなるので簡単に理由を説明しやすい範囲で答える。すべてを話してたら時間が足りないのは必至だ。

「うん、まあ確かに話すと少し長くなるしそんな感じじゃね?」

 その説明でルークが納得してくれたみたいなのでそれで話を進めることにした。

「じゃあ、これでいいか。よろしくお願いしますね」

 ルークの方に顔を向けていたのを微笑みに変えて、受付の人に目を向ける。

「…は、はい。わ、私はエミリアって言います。う、うちの宿をどうぞご贔屓に」

 エミリアさんの僕を見る目線が妙に熱っぽいが、気にしたらいけないと思う。

「あらやだ、これはまた随分カッコいい人が来たね!私はアマンダっていうの。うちの宿をよろしく頼むね」

「はい、今後は是非とも使わさせて貰いますね。とはいえ今日は人数一杯のようなので残念ではありますが、またの機会にとさせていただくことにしますね」

 そういって僕は立ち去ろうとするが、ルークに肩を掴まれそれをすることは叶わない。

「おいおい、リオンが場所を変える必要はねえよ」

 「それにお前、他の宿知らねえだろ」と痛いところをついてくるルーク。冒険者ギルドの方におすすめの宿を聞きたかったのだがあんな状況ではとてもじゃないが聞けるわけがなかった。

「そんなこと言ったって人数は四人までな訳だし、パーティーメンバーじゃない僕が抜けるのが妥当でしょ」

 確かに他の宿は知らないが、それ以外の選択肢はとれないと反論するせざるをえない。

「それもそうなんだがよ…なんとかならねえかな」

 ルークは打開策を考えるが、そんな都合のいい案はないと思うよ。せいぜい一部屋に三人突っ込むとかぐらいだよ。

「じゃあ、私が抜けるんだぞ」

 いやまあ確かにセラは教会に戻るとかなんとか言っていたからセラが抜けても問題はないのだろうが…

「いや、セラは今日は一緒にいるって言ってたろ。お前は残れ。この時間に帰すのも心配だし」

 僕としてもこの意見には賛成だ。確かにこの世界の子供はこの環境ゆえに幾分か日本の子供よりは強か(したたか)ではあろうが、流石に子どもをこの時間に帰すわけにもいかない。

「…むう、わかったぞ」

「あたしが抜けるよ。旦那も家で寂しく過ごしてるだろうし」

 あー…確かに旦那がいるとは聞いていた。でもそれは一緒に宿に来た時点でなんかしらの理由があり、触れてはならないものだと解釈していた

「ミラが抜けなくてもいいだろ。第一、帰ってきた日は一人でゆっくりしたいって言ってたじゃねえか」

 あ、そういう理由だったのね。まあ、確かに毎日会ってたら疲れると聞くし、そういう日も必要だろう。

「気が変わったんだよ、旦那の顔を暫く見てなかったら見たくなってきちまったのさ」

 嘘ではないとは思うが、だからといって心から思っているかと問われれば何とも言えないというのがミラの現状だろう。ほんとにミラはいい人だと思う。もはや姉御?

「む、じゃあ、悪いがミラ頼む」

 こうしてぴったり四人という形に落ち着くがなにか大切なことを忘れている気がする。なにかはわからないからどうしようもないんだけどもやもやする。

「悪いなんてことはないさ、あたしはただ旦那の顔を見たいだけだよ。それにアンタその調子じゃ決めらんないだろ?」

 ルークは指摘された瞬間、そっぽを向いて頬をかくという分かりやすい反応を示す。

「…んじゃあ、また明日」

 ルークがそう言うと、僕を含む皆がそれに続く。

「ああ、また明日」

 そう言って彼女は宿から出ていった。



「ごめんね」

 アマンダさんが申し訳なさそうに口を開く。

「いや、アマンダさんは悪くねえよ」

 アマンダさんは悪くない、僕が悪いのだ。あとルーク。このワガママ坊主め。

「そう言ってくれてありがとね、じゃあツイン一部屋、ダブル一部屋の二人部屋二つね。何日?」

「2週間で。あ、セラだけ一日な」

「じゃあ今日の夕食代も会わせてそれぞれ224コルですね。セラさんは16コル」

 計算担当はエミリアさんか。そういえばファンタジー世界では教育が義務化されてないから計算は基本的にできない人が多いと描かれていたが…この世界ではどうなんだろうか。

「ほい」

 ルークが始めに出したのでセラ、リク、僕の順でお金を出す。

「はい、丁度いただきました。では、今すぐ夕食をお出ししますね」

 そういって裏手に入っていくエミリアさん。こうしてなにも言わないで夕食を出される辺りルーク達は常連なのだろう。

「食堂はこっちだぜ、リオン」

「ん、わかった」

 階段とは反対側にある入り口。そのドアが取りつけられてない入り口をくぐると、美味しそうな匂いが鼻へと入り込む。酒を飲んでだべったり、静かに一人で食べてたり、色んな人がいる。でもそんな雰囲気がバラバラな人々が皆一様に美味しそうに食べているんだから楽しみになってくる。ここ最近干し肉ばっかだったし。

「こっちは普通に料理を食べる場所としても解放されているからな、色々便利だぞ。旨いし」

 そういいながら適当な席に座り、手招きをする。リクはルークの隣に僕はルークの前にセラは僕の横に座る。


 暫くしてからエミリアさんが運んできてくれた料理は大変美味しかった。そうそう、彼女いわく父親が作っているらしい。

「ふう…食った食った」

「も、もうお腹いっぱいです」

「なんだ?残ってるじゃねえか。食ってやろうか?」

「うん、お願いします」

 と仲のいい兄弟のようなそんなやりとりをしているのを見ていると自然と心がほっこりしてきた。リクもセラと同じくらいの年齢に見えるから尚更だ。

「…美味しかったんだぞ」

 セラは隣でしっかりと食べきって皿は綺麗になっていた。ただし唯一ピーマンのようなものを残している皿は除いてだが。

「好き嫌いしないで全部食べなよ、セラ」

 彼女はギクッと聞こえてきそうなほどあからさまに動揺していて可愛かった。こういうときはニコニコしながらセラを見つめてみるに限る。

「…む、むぅ…わ、わかったんだぞ」

 無言のプレッシャーが聞いたのか、ゴクリと空気をのみこむと顔を真っ青にしながら口のなかに入れるセラ。少しすると喉元を過ぎたようでセラの顔に色が戻り始めるが、まだ味が残っているようで完全には戻らない。

「ほら、水飲みな?」

「あ、ありがとうだぞ」

 ちなみにコップに半分残っていた水は一瞬で消えた。というわけで僕の残りの水も分けてあげる。まあ、僕のも飲みきったんだけど。

「セラはえらいねー」

そういいながら彼女の頭を撫でてやる。少し気持ち良さそうにしてから子ども扱いするなだぞ、と僕の手を弾くが、やはりどこか嬉しそうだった。


─────────────


 宿の方へ戻るといつの間にかエミリアさんは受付に戻っていた。部屋の場所を聞いてみると、宿の二階の中程と手前とのことだった。

 二階へ行くには階段を上る必要があるのは当たり前で、きしむ木製の階段を一歩ずつ登っていく。

 僕はそのとき重要なことに気づいたのだ。誰も気づいていない重要なことに。

「…ねえ…部屋割り…どうしよう」

「何言ってんだ?そりゃ、もちろん……あ」



 それが皆が一斉に黙った瞬間だった。男三人女一人…さあ本当にどうしようか。

9話以降はシリアス展開に入っていく予定。

はやくまったり抜けたいのぉぉぉぉお!


投稿時間帯について

初投稿の作品(読み直すと酷いのなんの)で21時~0時が一番読んでいただけると感じたので、その時間帯のなかでどの時間帯が一番読んでいただけるかを検証しているのですが、今回は試験的に16時に投稿してみました。

なぜそんなことをしているのかというと、とりあえず沢山の人に読んでいただいたうえでのダメ出しを頂戴し、それを参考にこの作品を改善していきたいと考えているからです。

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