5話
大変申し訳ございませんでした!
どうやら保存に失敗していたらしいです!急いで書き足ささせていただきました!
最初書いていたものと別物になってしまいましたよ…辻褄は合わせたので大丈夫なはずですが…多少不足部分が出て来てしまってる可能性がありますので…それは後々調整させていただきます(7/20 14時半頃)
すみません、やはり不足部分がありました…修正というよりは加筆をさせていただきました。読み直すのが面倒だという方がいらっしゃると思いますので加筆内容については8/20投稿予定の九話の前書きに記載させていただきます(8/7 15時頃)
「おー、これがベルセルンかー」
やはり一番目を引くのは大きな壁。死角なぞつくってたまるかと言わんばかりの圧倒的な巨壁。魔物から身を守るためにはこれぐらい必要だということなのだろうか。
「お前ホントに村から出たことなかったのな」
ルークが微笑ましいものを見るような暖かい目を向けてくるのでどこからか恥ずかしいことをしたという思いが沸き上がってきた。某未来のロボットの目ではないのが不幸中の幸いだった。
とは言うものの流石に耐えきれないものがある。その目はやめろという意思を乗せて咎める視線を送るが、そんなことはどこ吹く風とばかりに顔は崩さないまま、肩だけすくめるだけだった。一応、視線は外されたのだが…だからその表情やめーや。
いつまでたってもやめる気配が見えないので宙を仰ぐと茜色に染まった空が目に写る。なんやかんやで夕方になってしまったが、ルーク達と会ったその日うちにつけたのは幸運だった。正直、そろそろ野宿は嫌になってきていたところなのだ。もう干し肉は飽きましたよ、ええ。それに野宿は身体が痛いし。一応、行われているだろうレベルアップのおかけで体力も増えているようだから体力的にはまだ大丈夫だけども。しかし今、何レベなんだろうか。
少なくとも僕はラノベの主人公だけがよくもってる鑑定の能力はもってないし、自分のステータスを見ることも出来ない。ここまでレベルレベルとはいっているが、レベルではなくて倒したあと魔力をすいとっている可能性もある、同じ魔物を倒したのにも関わらず、強くなったと感じるときと感じないときがあったから多分レベル制だと思う。どっちにしても強くなっているのは確かだ。
「ほら、いつまですねてるんだ。列並ぶぞ。つか、リオン身分証とか持ってるか?」
「いや、原因君だろうに。それで身分証だっけ?それは持ってないかな。流石に準備することはできなかったし」
それはそうと、ここまでの道中の内に村は魔物に襲われたということを再度話した。ただそれ以外にも他の村人の居場所はわからないし、食い扶持もないしで冒険者になることを決意。それで僕みたいな魔物からの被害者を減らすためにも頑張る。とかなんとかそんなようなことを言ってある。
でも今まで保っていた村が崩壊したのは少々おかしいな…うーん…村一番の狩りの名手を決める催しを行っていたから対応が遅れてしまったみたいなことにしておくか。
ちなみに冒険者になるのはその方が都合がいいから。他の何らかの職業に就くにしろ起業するにしろ、なんらかの実績やら元手のお金やらがないとかなり難しい。それに身分を証明するものを持ってない僕にとっては冒険者のギルドカードは丁度いい代物だし。
とまあ、そういう風に適当な嘘で言いくるめたんだけど村の場所とか聞かれたらアウトなんだよね、これ。
一応、今までの間にルークやバルロッタさんに聞かれなかれていない。もしかしたらだけど大抵が名前もない村なのかもしれないね。気を使って聞かれていないだけだったら不味いかもしれないが、恐らくは問題ないだろう。過信はダメだけどね。もし聞かれたらでっち上げるけどさ。仮に場所の方を聞かれても、道に迷ったと最初に言っている時点で正確な位置がわからないことになってるし、仮に聞かれても答えられない理由にもなる。
「それもそうか…じゃあカネは?ミラ、入街料っていくらだっけ?」
「あたしにもわからんさね」
「五〇コルですよ」
会話の─だけでなく文字通りにも脇からバルロッタさんが答えてくれる。いや、君には全く聞いてない。ありがとう。と、心の中だけでふざけてみる。実際に口に出すのは不味いんだけどさ。だってバルロッタさんガラスのハートだもの。事実、道中の会話でセラが一回言ったことがあると聞いた。そのときは心がポッキリと折れてたとかなんとか。立ち直らせるのに時間がかかったとも聞いていた。それでセラは申し訳なさからか、オドオドしていたとか。想像したらすごい可愛かった。ちなみに言っておくが僕はロリコンではないぞ。ただ、ほら小動物的なアレだよ。うんうん、アレだねアレ…アレってなんだよ。多分、愛玩動物を愛でたいというそんな感情。断じて恋愛感情ではない。だってリクなんかが同じ行動をとっても可愛いって感じるし。多分だけど。
「…五〇コルっつーと大銅貨五枚か。あ、ルークさん馬車組そっちの列。すまん言うの忘れてた」
「えぇ!?」
「それで、お金はあるのか?リオン」
バルロッタさんドンマイ!心のなかでは笑顔で親指を立てる僕の姿があった。冗談だけども。ほんとに可哀想な人だな。面白いから好きだけど。
それはさておき、五〇コルで大銅貨ってことは…鉄貨は銭とかセントとかそういう扱いかな?となると…銅貨の上は銀貨だよな?一応、レオナルド邸からあるだけ拝借してきたから結構あると思うんだけど。持ってるのは鉄貨八枚、銅貨は四枚、大銅貨と銀貨六枚、大銀貨は二枚だ。そこそこ持ってると思う。
ちなみにそれぞれの硬貨に小と大があり、鉄貨が一番価値が低いことは想像できていた。でも鉄貨の大きいのは確認できなかったな。
「あるよー、銀貨でもいいかな?」
一応、今後のことも考えると大銅貨は残しといた方がいいだろう。
「まあいいんじゃね?この辺じゃ"──"の文化ないし」
おっと、解読出来てない語が出てきてしまったぞ。とりあえず発音を真似してそのまま返してみるか。
「へー、この辺じゃ"──"の文化はないんだ?」
「ああ、この辺じゃねえな。でも確かリクの出身国とかにはあった気がする」
「う、うん、あるよ。こっちはむこうよりお金の消費が少なくていいよね」
やっぱり話の流れ的に"チップ"か、確認しておいて良かった。この言い方だと場所によってはチップの制度があるのか。アメリカでのチップは値段の2割ぐらいって聞いたことあるからなあ。チップがあったらとしたら恐らくだけどお釣りを持ってかれるところだった。
アメリカには行ったことないからアメリカでのチップの渡し方は知らないからもしかしたら戻ってきた後で渡すのかもしれないけどさ。
ふむ、リクはこの国出身じゃないんだね。つまり渡国することは可能なのか。ん、いや、冒険者だけなのか?その辺はよく分からないな。
「あー…村から出たことないならチップも知らないのか?」
「ううん、大丈夫。村にきた商人さんが村の人に渡そうとしてたときにそれがなにか聞いたからさ」
いや知らないことにしても別に構わないんだけどね。列に並んでいる以上、そこまで時間はないからさ。
「そうか、ならいいんだ」
いやしかし、ルークは本当に面倒見がいいなー。僕としてはスゴい楽。常識やらなんやらの聞きにくいところまで教えようとしてくれるし。とはいってもここでルーク超優しいとかそんなこといったとしたら照れて教えてくれなくなるタイプなんだろうけど。
「ほら、あんた達。もうすぐだよ」
ミラが先頭から列の状況を伝えてくれる。ミラの気配りも非常にありがたい。会話に集中しているなか、こうして次とるべき行動を事前に教えてくれるといつ会話を切り上げるべきか分かりやすい。
「お、もう順番が来たんだぞ」
「もうか、今日は早いな」
言った直後ぐらいには順番が回ってきたのだろうか。ミラは既に兵士と話していた。あ、終わった。
「お前、先に行っとけ」
「お、ありがとう」
なんらかの理由で引っかかったときすぐ助けてやれるように僕を先に行かせてくれるのだろうか。本当にこの人たちはイイ人達だ。
「身分証を」
「すいません、持ってないです」
「じゃあ入街料一五〇コルだ。身分が証明されてれば五〇コルでいいんだけどな。ああ、あとこの球体にさわってくれ、犯罪歴があるかどうか調べる」
三十路のおっさんの警備兵はひどく事務的に仕事をしている感じが伝わってくる。こんなにも沢山の人を捌く必要があるんだから致し方ないことだろう。本当にお疲れ様です。
つーか、バルロッタさんマジ使えない。値段違うじゃないですか。本当にあの人は色々やらかしてくれるから飽きないな。
僕は銀貨二枚を渡してから球体にふれると球体は淡い白の輝きを放つ。
「犯罪歴はないみたいだな。ほい、お釣りの大銅貨五枚。この街にきた目的は?」
これも異世界転移もののラノベ界では定番の質問だ。治安とかその辺を考えると当然のことだからなのだろうかね?
それにしてもこの魔法具?スゴいな。どういう風な仕組みかがひどく気になる。…あ、でも兵士が知ってるはずもないよなぁ。今度誰か分かりそうな人に聞こう。そうしよう。
(…あ!)
…くそう…考えが及ばなかった…。
今、気づいたけど良く良く考えたらこの世界では数字が十進法とは限らなかったんじゃないか?
本当に危なかった…。今回はたまたまお釣りが大銅貨五枚だったから十進法であることは証明出来たからよかったけど…他にもこういうことはありそうだしな…。
向こうの常識がこっちの常識とは限らない。
肝に命じておこう。
となると解読も間違えている可能性も十分にあり得る。その辺は周囲の会話とかで調整していく必要性がありそうだ。
この言語の文法のおおまかなイメージは掴んであるから日本語的な考え方をしなければ大体はなんとかなるはず…。多分。
「冒険者になろうかと」
「そうか、なら次回からは入街料はいらないからな。冒険者は依頼をやってくれるから入街料は免除されるんだ。通っていいぞ」
「あ、そうなんですか。わかりました、お疲れ様です」
すると兵士は初めて目に光が戻る。そりゃ何人も同じような作業やってたら無表情にもなるか。
「…そんなこと言ったのお前さんが初めてだよ。まあ、これも仕事だからな。お前さんもこれから大変だろうから頑張れよ」
「はい、ありがとうございます」
そういって通り抜ける。
「あんたは少し長かったね」
ミラは少し進んだ先の道の脇で待っていた。普段はそこに集まるのだろうか。それは今考えても仕方がないことだから考えるのをやめて僕はミラの元へと向かう。
「いや、身分証がないからさ。安全面とか色々大変なんでしょ」
「ああ、なるほど。スラムとか拡張しないよう頑張ってるからねえ、領主さんは」
スラムか…迷って行かないようにしないとな。スラムって道が複雑だから迷うって話だし。でも、見てみたいからせめて道が分かるようになったら行こう。
「あ、そうだ。リオンあんた、一応顔隠しといた方がいいんじゃないのかい?アタシがこんなことを言うのは恥ずいけど、あんたカッコいいから色々大変だと思うしね。アタシに今、夫がいなかったら間違いなく狙いに行くね」
「…ミラみたいに一生守ってくれそうな人は引く手数多だと思うし、そんな女性にそんなこと言われると嬉しいよ。あとそれと忠告ありがとう。まあ、うん。慣れてるから大丈夫だよ」
ミラは美人なんだけどね、綺麗というよりカッコいいってかんじだからな。
「…御世辞でもあんたみたいな人に言われると嬉しいね」
「そうかな?」
そんなことは聞き慣れてますよという意思を乗せながらニコニコと微笑んで聞き返す
「御世辞なのは否定しないのかい?」
「…えーっと、確かに誇張表現であったのは否定できませんからね。でも一生守ってくれそうな女性というのは本当ですよ?」
「そうかい」
ミラはその言葉に満足したのか目は真っ直ぐと前を見据えていた、するとルーク達は別の場所でかたまっていたのか、それとも三人揃ってから動き出したのか、三人一緒にこちらへと歩みを進めてきた。
「やっぱここにいたのか、まずはバルロッタさんを迎えに行こうぜ。とりあえず依頼完了のサインもらわないといけないしな」
そのルークの言葉に従ってバルロッタさんを迎えに行き、サインをもらい別れる。別れ際に「二週間後に開くからうちの料理を食べに来てね」と言っていたからそのうち食べに行ってタダ飯でも食べに行こうかな?強引にバルロッタさんに自腹をきってもらうのもアリだ。まあ冗談だけど。
「つーわけで、俺らはギルドの方に依頼完了報告に行くが、リオンはどうする?」
「僕も登録行こうかな。あ、でも僕の方が時間かかるだろうし、場合によってはギルドでお別れかな?」
「…その場合はそうなるな。俺らとしては待っててもいいんだが」
「それは流石に悪いよ。今日会った仲だから尚更さ」
「…そうか。つっても俺らも宿はまだ決めてないんでな。気が変わったら言ってくれ。一応よく行く場所もあるが空いてるとも限らんし。あ、そうだ、セラはどうするんだ?ポーターの仕事は今日で契約終わりの予定だが…俺らとしてはいてくれた方がありがたい」
「ん?セラはパーティーメンバーじゃないんだ?」
「ああ、そうかリオンは知らないんだったな。臨時で入って貰ってたんだ。ちょくちょくこうして頼んでるんだよ。流石に遠出にポーターは必要不可欠だからな」
子供が一人で活動するってのは問題があると思うんだが…。この世界では常識なのかもね。うーむ…やはり常識のズレが…。
「んー、宿は同じがいいんだぞ。でも教会へは明日に戻るんだぞ」
ん?教会に戻るってどういうことだ?
「了解だ、まあとりあえずギルドの方に行くか」
まあ聞けるときに聞けばいいか。多分、理由はあまり良くないことだろうし。
───────────────
「ギルドはここだ」
一際大きな石造りの建物。人の出入りは思ったよりも多い。時間帯の問題なのだろうか。
ルーク達は扉が開け放たれたその建物へと入っていき、僕もそれに続く。
「リオンはそっちな」
八つほど窓口があり、テーマパークの券売する窓口みたいな感じに人が乗り越えにくいようになっていた。いや、市役所の窓口の方がイメージは近いかな。高さとしては立ったときに丁度のお腹の辺りぐらいの高さのカウンターに、そこから小さい子ども一人分ぐらい上に看板のようなものがついていた。僕の身長だと頭までまだ余裕があるぐらいの高さだ。
その看板にある文字を読んでみると右側五つが冒険者の依頼用窓口で残りは左から登録受付、依頼受付が二つだった。多分、依頼受付というのは町民が依頼をする場所なのだろう。
「お、分かった」
ところで関係ない話になるのだが、建物に入ってから受付嬢の大多数の目線が突き刺さるんだけどなにかやらかしたのだろうか。と疑ってみるものの、特に何かやらかした覚えがない。あと考えられる原因は一つしかないんだけど。
なんにせよ、登録を済ませなければいけないのには変わりないから行く以外の選択肢は残っていない。
「あのー」
「えっ!あっ、はい。なんでしょう?」
心なしか受付嬢の顔に夕日が差しているように赤く染まっている気がするのは恐らく気のせいではないはずだ。
「登録の方をお願いしたいのですが」
「と、登録ですねっ!分かりました!」
照れているのか一瞬言葉が詰まったが、やはりプロといったところか、笑顔で対応される。
「ではこちらの用紙に名前、年齢、基本的な戦闘スタイルの方の記載をおねがいしますね!」
「分かりました」
「あっ、すみません!代筆は必要ですか?」
やはりあったか代筆文化。ここまで日本人の思想と被ってくる辺り、日本人は流石である。
「いえいえ、大丈夫ですよ」
ニコッという効果音が聞こえてきそうなほどの完璧な微笑みを返すとただでさえ、紅がかっていた頬もますますコントラストが強くなってきた。
ちなみに僕としては羽ペンを初めて使うので若干興奮ぎみだ。
思わず「…教養もあるんですか」と受付嬢さんが口からこぼしてしまったのは聞かなかったことにしておこう。
「あ!冒険者ギルドについての説明は必要ですか?」
「ええ、おねがいします。私の知らないことも少なくないでしょうし」
「勤勉な御方なんですね。近頃は説明は不要だとおっしゃる方が多いものできちんと出来るか不安ですけど頑張りますね!」
こうして話しているだけでますます周りの視線が猛禽類に近くなって来ている気がする。
「全然大丈夫ですよ。是非お願いします」
「では頑張らさせていただきます!」
この人、一応初対面だから敬語なんだろうけど普段はもっと快活なんだろうな…と思わざるを得ないほど言葉の節々からエネルギーが伝わってくる。
あ、物理的なエネルギーじゃないからね?確かに音として伝わってきてはいるけども
「では始めに階級についてなのですが─────
───といった感じですかね!いやー、なんとかできてよかったです」
つまり要点をまとめるとこんな感じかな
・階級はクラス八まであり、ランクが上がるにつれて数字が小さくなっていく
・ランク伍より上の階級への昇級は試験を受ける必要性がある
・ランク上昇における基本的な条件は規定の依頼数達成。ただしクラス八~伍まではレベルによる昇級が認められている。ただしこの場合においてもランク伍への昇級試験は行われる。失敗した場合はランク六からのスタートとなる
・昇級試験を受け、失敗した場合は昇級試験を半年間受けることは叶わない
・失敗した回数が三回を越えた場合、規定の依頼数の半分をこなさなければ受け直すことは叶わない
・素行の悪さが目立つ場合はギルド側からの処罰対象となることもある
・冒険者同士のいざこざは基本的に自らで解決すること。ただし街内でのいざこざにより、街内の器物損害が発覚した場合、ギルド側からの処罰が下される
・冒険者ギルドに所属するものはギルドガードを常に持ち歩くようにすること。これは依頼受注時に必要になり、紛失時は報告し再発行を要請すること(ただし手数料がかかります)
こんなところだろうか。しかしこんな簡単にレベルの存在が確認できるとはなあ…。僕のいままで考えていた時間はなんだったのか。
「ありがとうございます、助かりました。それと記載の方も終了しました」
「いえいえ、どういたしまして。用紙の方もありがとうございます。ではこちらへいただけますか?」
「はい」
書けるところは全て書いたはずなので特に不足はないはず。
「ええっと…年齢は19!?」
ガタッと色々なところからの音が重なる。顔を上げてみてみると後ろの方で事務作業かなにかを行っていた人達は立ち上がり、何かを書いていたと思われる人は羽ペンを手から落としていたりと各々反応は様々だが、どれにしても驚いているのが伝わってくる。
目の前の受付嬢は「もっと若いかと思ってた…」と、またも呟いてしまう始末。まあ確かに日本人な顔立ちだから仕方ないといえば仕方ないんだけど…それにしてもみんな興味津々過ぎない?私、怖いんですけれども。
「あっ!申し訳ございません!」
驚いて固まってしまったことを詫びているのだろうか?気にすることでもないのにね。
「いえいえ、僕自身童顔なのは自覚していますので全然大丈夫ですよ」
「本当にすみません。…続きの方に目を通させていただきますね」
しかしながらこの視線はつらいなあ…見ないでおこう。
「ええっと…戦闘スタイルは魔法メインで片手剣も使用…っと、本当に多才ですね…」
驚き疲れたのか先程までの元気さが口調から消えていた。
「そんなことないですよ。剣術については多少かじった程度なのでまだまだ研鑽は必須ですし」
「魔法が使えるだけでも充分すごいですよ」
そういうものなのか?確かにルークのパーティーで魔法使えるのはリクだけだったし、少ないのかもしれないな…セラはどうだか知らないけどさ。
「他には…特に不足はなさそうですね」
「よかったです」
「では、ギルドガードの方との関連付けの方を行いますので血を染み込ませていただけますか?」
そういうと縫い針ぐらいに細い針と真っ白なカードが出てくる。
「分かりました」
それをうけとり、そのままの勢いで指に針を刺し出てきた血ごと指でカードを持つ。
するとカードは次々と色を変え深い青色になる。所謂、藍色というやつだ。
「藍色…ということはランク伍昇級試験相当!そんなにスゴい方だったんですね!」
もしかしてランクごとに色が変わるのかな?それは面白そうな仕組みだなー!私、気になります!
「となりますと…昇級試験の方を行う必要がありますね。えーっと試験官は…っと、明日の昼前なら他の方の試験がありますし、それと一緒におこなってもらいましょうか。明日のご予定は大丈夫ですか?」
「ええ、大丈夫ですよ」
「ありがとうございます。では明日の11時の鐘がなる前にお願いします」
「わかりました、その方に宜しく言っておいてください」
「!はい、言っておきますね!」
でも今はとりあえずレベルだ、ランク伍相当ということは36以上ということか。そんなに上がってたんだなあ…参考までにランク壱の大体のレベルを聞いてみたが92ぐらいだそうだ。ランク弐は83で、参は68、肆は54だそうだ。
「いやー…こうなっちゃうとレベルが気になっちゃいますよねー。こうして冒険者の方々のレベルを見られるのはギルド側としてのとっけ…ん…」
どういうわけか途中で言葉が口から出ることを拒否したように徐々に消えていき、嫌な予感がしたので身構える。しかし、そうなるとも限らない。声だけでも掛けてみてからにしよう。
「どうされ────「よん──っ!」─ふう…」
嫌な予感というのは総じて的中してしまうものだ、それを思い知らされた。しかし危ないところだった。ギルド側としての特権って言おうとしていたから止めといて正解だったんだろう。
「シーっ」
今、僕の手は片方は受付嬢さんの口に。もう片方は人指し指をたてて自らの口に。
ただでさえはじめから赤みがかっていた頬はさらに赤みを増し、トマトの赤みすらも越えていると感じてしまう程の紅色。そして手のひらから伝わってくる熱は徐々に増してくる。
「ダーメですよー」
受付嬢さんはコクコクと首振り人形のように何度も何度も頷いた。
月一投稿目標とは記載しましたけど、私としてはできれば二週に一本はあげたいんです。でも修正ばかりで続きがほとんど進まない状況…ナンテコッタイ
原案はあるんですっ!時間がないんですっ!←ゲームしてるだけだろ
でも今回は7月の第三週に上げます
おそらくは土日のどっちかです
こうでもしないと書かなそうなので
あと最近修正しててよく思うのですが、私の文章って妙に単調で機械的ですよね…
今後、改善していけるように精進していきます