83.エピローグ
こんにちは、僕はクレイ・ミルヒ・シュトラウゼンと申します。
今は冒険者として戦士を生業としていますが、元は貴族の出でして・・名前ばかり厳ついので普段はクレイとしか名乗りません。
僕たちは、ジパングで魔界の門が開かれ、中からモンスターが湧き出てくる事件に行き会いました。
結果として、門は閉じ街は元に戻りましたが、この国の王族を含む沢山の人が、モンスターに取り込まれ消えました。
今回の戦いは、前の大戦で、滅ぼされた生き残りの魔道士達による、復讐のための召喚でした。
「一体あれは、何だったんだ?」
と問うと、
応える者が居ました。
あれは、不死龍、自身を卵に還元して転生し、永久に存在するエンシェントドラゴンの亜種、肉体を無限に再生する事で生き続ける龍。
無限に再生し、無限に回りを侵食し、喰らい尽くす存在に成ってしまった、地龍の成れの果てです。
あれが生まれたのは遥か昔、この世界が一つだった時です。
暴走し自我を失い、世界を侵食し始めた。
被害を止めるため、私と他の龍達は世界を切り裂き、分割させました。
5つに別れた世界のうち2つはもう接点を持たない世界に成ってしまいました。
そしてこの世界は、不死龍のいる魔界と裏表でくっついており。
魔界を全て侵食し食べ尽くした不死龍は、こちらに来る機会を伺っていました。
そして今回、魔界の門が開いてしまいました。
あれだけ巨大な門でも、不死龍にとっては小さすぎて通れなかったので、自身を卵にまで還元し、それを送り込んできたのでした。
私は、それを阻止せんが為、転生を繰り返しこの世界に留まり続けました。
ですが、今回は私自身が転生の直後で、卵に殆どの力を移してしまい、私一人では阻止できない状態になってしまった。
と、リヴァイアサンは語っていた。
僕は、シシリーの膝枕で目が覚める。
リーシャは涙でボロボロの顔をして僕の顔を覗き込んでいる。
ああ、触手に腹を貫かれ僕は倒れたのだった。
ぼんやりとした頭で目を開けると、
「クレイ、よかった死んだらどうしようかと、生きててよかった」
リーシャは泣きながら笑いかける。
シシリーは治癒に沢山の力を使った為か、涙目で微笑むとリーシャに身体を預ける様に倒れてしまう。
「おねぇちゃん!」
リーシャはシシリーを掴み、自分に寄りかからせる。
焦げ臭く血の匂いの抜け切らない戦場で、三人は互いの無事を喜んだ。
あのあとリヴァイアサンは死んだ状態で発見され、あれ以上の事は聞けなかった。
そして、あれから一ヶ月が経ち、アルブレヒト様も、フィリスももうきっと生きて居ない、そう心が受け入れていた。
ぼくらはミルドを養女として迎え、エイボン王国に渡ることにした。
丁度、船長も港に来てたしねっ。
船長に聞いて知ったのだけど、大陸中央部にあった死の砂漠が緑の森として復活しているらしい、そして太古に滅んだとされる、幻想の生き物たちが復活したらしい。
エルフや、妖精、幻想種のモンスター達も。
きっと、幻想郷がこの世界に戻ってきたんだ。
そして、エイボン王国へ向かう途中に寄港した港街モームで、僕の前に立ちはだかる幼女がいた。
「あんたには、責任取ってもらうのじゃ」
僕は、全く知らないこの子に戸惑いながらも、振り返るとリーシャとシシリーが激しく険しい顔をしている。
きっと、物凄い誤解を受けているに違いないのだけど、後でそれは解こう、まずは幼女に、
「君は、何処で僕を知ったのかな?お父さんやお母さんは居ないのかな?」
すると、
「お前が今後私を養育するのじゃ」
ああぅ、ミルドにまで汚いものを見るような目で見られている。
「僕は、キミを知らないよ!大体接点ないよねっ!」
必死に弁解するほど背中にかかる圧力が高くなっていく、僕はもう泣きそうだ。
幼女はフッ笑うと、
「わしじゃ、リヴァイアサンじゃ。
死にかけのお主を助けるために力を使ってのぅ、わしの親を務めるはずの、分け御霊、先代リヴァイアサンが死んでしもうた。
かわりに養育してくりゃれ」
あー、僕ホントはあの時死んでたのかぁ。
ならば恩人には報いないとね。
「命を救ってもらい、感謝します。
わたくしに出来るかぎりの事をさせて頂きます」
と、言ったが一つ気がかりで、
「それにしても、なぜわたくしがこの街に、ジパングから遠く離れたこの街に来るとお解りで?」
幼女は言う、
「あの者たちに、ここに居れば会えるといわれてのぅ」
その小さな指が差す、その先には・・・
サムライ姿のアルブレヒト様とフィリスの姿があったんだ。
外伝でリーシャのお話を短編で書きました。
宜しければこちらもよろしくお願いします。
http://ncode.syosetu.com/n3001de/




