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78.戦国

わしじゃ、アルブレヒトじゃ。

今日は珍しく、全員での団体行動じゃ。

クレイの刀を誂えるため、刀鍛冶を訪ねる事にしたのじゃが、その近くに湯治場が在ることを聞きつけたリーシャとシシリーに、自分らも連れて行け、さもなくば二人のメニューがこれから納豆尽くしになるぞ、と脅されて致し方なくじゃ。

わしとクレイは納豆が苦手じゃ、他の者は平気で食べておる。

煮豆なら食えるのに、何故余計な一手間を掛けたのか!、わしは問い糾したいのじゃった。


こうして皆で歩くと、シューレス国周辺を旅をしていた頃を思い出すのじゃ。

最近ではみんな言葉が通じなくて困ることは殆ど無かったのじゃ。

もし通じないことが有っても、店員をしておるシシリーやリーシャ、学校に行っておるミルドが通訳をしてくれるからのぅ。


その日の旅籠を決めてわしらは刀鍛冶へ行くことにしたのじゃ。

刀を作る施設を見て、ミルドは目を輝かせて見ておった。

わしとクレイは、出来上がった刀や、歴史的価値のある刀や小物に眼を奪われておった。

すると、

「ここに異国の方がいらっしゃるとは珍しいですのぅ」

と、おそらくわしより歳上と思しき老人が話しかけてきたのじゃ。

ご隠居と回りから呼ばれておるこのご老人は、先代の鍛冶職人で今は鍛冶場を息子に譲っているのじゃった。

わしらは軒先で、お茶をすすりながら刀の歴史を聞いておったのじゃ。


このジパングがまだ幾つかの国に分かれておった頃、戦乱の時代があり覇権を求め争っておった。

幾つもの勢力が潰され、新たに生まれたりもした。

そのうち段々と幾つかの勢力がまとまり、最後には2つの勢力になり、お互い拮抗し長い戦をしておったそうじゃ。

この時、相手よりも優位に立とうと刀も剣術も大きく発展したのじゃ。

「残念ながら決着は刀では着かなかったがのぅ、ほっほっほ」

と笑うご隠居に、わしは尋ねた。

「では、どうやって決着をつけたのですじゃ?」

と。

それは、刀と剣術による戦と平行して行なわれておった、呪術と魔術による静かな戦いじゃった。

そして戦いを制したのは、先に完成した呪術じゃった。

大規模な術式によって、相手方の魔術師や武将、はては従う民草までも呪い殺したのじゃ。

沢山の、自国の民を生け贄を差し出し、さらに沢山の敵を殺したのじゃ。

今の王は、その呪わてた末裔なのじゃと言われた。

大昔の話じゃと言うのに、わしは空恐ろしかった。

まぁキョウの街でこの話はご法度なんじゃけどな、とも言っておった。

このご隠居は、話がしたかったから話しただけなんじゃろうなぁ。


クレイはいずれこの国を離れる事も考えてか、切れ味よりも丈夫さを取って刀身を厚めに、長さも若干短めに作るようじゃ。

わしは脇差しを誂えるかと悩んでおった。

すると、後ろから咳払いが聞こえて、

「そろそろお決まりになりましたか、もう時間結構経ちましたし、そろそろ次へ」

女性陣がそろそろ痺れを切らしそうじゃ、わしはクレイを引っ張って鍛冶屋を後にしたのじゃった。


その後は神社仏閣を巡りったりしておった。

そう言えは、ジパングの神官って戦わぬしヒーリングも出来ないのじゃな。

むしろ僧兵とかは、生粋のウォーリアーかソルジャーな感じじゃ。

あと、見たことは無いが忍者は見てみたいのぅ、見えた時点で忍者失格なんじゃろうけどのぅ。

神社の境内に続く、急な上り階段を上がりきって、

「どれ、ミルドそろそろ歩き疲れたか?」

と聞くも首を横に振り、

「お爺ちゃん、あれ」

と、指を刺しておる。

その指の先を見ると、神社の手洗い場でフィリスが顔をザブンと付けて、喉を鳴らす勢いで水を飲んでおった。

フィリース、ストップ、それは水飲み桶じゃない!!





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