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75.主の帰還

わしじゃ、アルブレヒトじゃ。

ジャイアンとオクトパスの洞窟での事を、あの後ユアサに言われたのじゃ。

ミルドは目や表情を読み取る洞察力に優れており、ある程度アイコンタクトで意志の疎通が出来ておる、そしてコニュニケーションに非凡なる才能を有している、とな。

つまりは、やっぱりミルドは神童なんじゃな、わしはミルドの才能が伸びるように、学ぶ機会を与えたいと思ったのじゃった。


そして、とうとう船はジパングに到着したのじゃ。

大陸だと言ってもわからぬほど大きな島じゃ、そして回りの小さな島々も含めてジパングなのだそうじゃ。

わしらは近場の港に入りたかったが、ユアサたっての願いで港街ザカイに向かったのじゃ。

ユアサは船を降りると、目を潤ませ深呼吸してうおーと吠えておったのじゃ、

その後わしらパーティーと船長を案内して、とある商家入っていったのじゃ。

ユアサは、

「誰か居らぬか、誰か、今帰ったぞ」

すると奥から出て来た下男らしき男が目を見開いて、

「旦那様!!旦那様がお戻りに!」

もうその後は、奥から人が代わる代わる出て来て、テンヤワンヤの大騒ぎ、わしらはポカーンとその様を眺めておった。

ユアサは、この国では"湯浅 源右衛門"と言い、この大店の主人であるらしい、なんでも商売の手を広げるため、海運業にまで手を出して、遭難してしまったらしいのじゃ。

通訳の方はこの店の奉公人の佐吉(サキチ)とやらが引き継ぐ事になったのじゃ。

今回のわしらの船の荷は、全てユアサが買い取ってくれることになったのじゃ。

更にこの国では、特権が無いと自由に貿易が出来ないそうなのじゃが、全ての商品を一度ユアサが買い取ることで、商売が出来るようにしてくれるそうじゃ。

確かに、船長に香辛料を買え、香木を買え、砂糖を買えと、注文を付けておったな。

わしが、この国に剣の主修行に来た事も知っておったので、町道場を紹介してもらうことが出来た。

クレイとリーシャとシシリーは、この国に冒険者ギルドが無いことを聞いてショックを受けておった。

ミルドはこの国で学校に入れるつもりじゃ、"神童も大人になったら只の人"とは言わせぬ、ふふふふふっ。

フィリスは、脳天気なもので、地面を踏みしめ走る感触を楽しんでおる。

取り敢えずは住む所を借りたら、フィリスには家事を覚えさせようと思っておる。

船長と港へ取って返すと、わしは船員を集めこう話した、

「諸君、今日までありがとう、エイボン王国からここまで一人として欠けること無く、ここまで来ることが出来たのは無常の喜びじゃ。

わしは、この時をもって船をエイボン王国にお返し致そうと思っておる。

今回の航海の経験を活かし、エイボン王国の復興と繁栄に尽くして欲しい、さらばじゃ」

更にラファエルには

「ラファエル、ローラ様をしっかりお助けして国のため頑張るのじゃぞ」

と、言って港を去ったのじゃ。


数日後、船はこの国の特産品やお土産を満載して出港したのじゃ。

わしは、長屋とが言う部屋を借り、ミルドとフィリスとで住むのじゃった。

そして遂に本日、町道場に紹介状携えて往くのじゃった。

腰に刀、背にカイトシールド、心に大きな期待を秘めて出発するのじゃった。

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