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7.野営

わしじゃ、アルブレヒトじゃ。

朝焼けの美しい早朝、朝靄が出て湿った空気はひんやりとしておる。

わしらは5人パーティーとなったわけじゃが、馬は1頭しかおらんので、わしとミルドが馬に乗る。

宿から出ると、クレイ・リーシャ・シシリーは、もう準備万端で待機しておる。

「おはよう皆の衆、少し待たせてスマンのぅでは行こうか」


街を出て街道を南に下る、シューレス国境まで徒歩で3日といったところじゃ。

昔、この国ノイス国とシューレス国は、何度か戦争をしておって、途中にはあまり村がない。

戦争で焼かれたからじゃ、なのでここからは基本野宿になる。

行き来するのも、商人くらいしかおらぬ街道じゃが、戦争時は軍隊が移動に使っただけあって、道幅が広めの整備された道じゃ。

と言ってる間に、商人の馬車に追い越される。

わしらも、馬車仕立てればよかったかのぅ。

しかし、流石に片道の旅で馬車のレンタルはできんし、買うほどの金は厳しい。

わしは少し申し訳なく、

「すまぬのわしらだけ馬に乗ってしもうて」

するとクレイは、

「馬の持ち主であり依頼主でもあるのですから、ご遠慮なさらずとも結構ですよ」

よく出来た青年じゃの。


一日目は朝早く出て、体力も充実しておったし、予定より沢山進むことが出来た。暗くなると危険なので、早めに野営の準備にとりかかる。

薪を集め、石でカマドを作り、火を炊き、夕飯の支度をする。

そうこうしているうちに、日は落ちて辺りは真っ暗な闇が覆い始める。

飯ができる頃には、空には満天の星空、昼間は暑いぐらいであったが、今はひんやりとした空気が漂い始める。

夕飯は、豆のスープと焼いたベーコンにパンじゃった。

眠るときは、火の周りで毛布に包まって寝る。

見張りは、ミルドを除く4人で二人ずつ交代する。

わしは、クレイと見張りをすることになった。

夜は長い、他のものが起きぬよう小声で会話しておった。

虫達も鳴いておったから、そんなには気にしておらんかったがの。

クレイは、わしと最初に会った日の事を語りだした。

やはりクレイは、わしの事を知っておったんじゃ。

「僕は、アルブレヒト様が国を追われた顛末を信じてはおりません、あの時何が在ったのか教えては頂けないでしようか?」

わしは、この青年の事を信じても良いと思っていたし、誰かに話してしまいたい気持ちもあったのじゃ。

じゃから、見張りが終わるまで少しだけ、昔話をすることにした。

二話連続投稿デース。

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